<昨日の続き>
金融資産を増やすのに大切なこと
- 証券会社に口座を開設する
- お金を用意する
- 資産を持つ時間が必要
- 商品を選ぶ
- 商品を買う
- 買った商品を持ち続ける
3.資産を持つ時間が必要
投資信託の見分け方は信託報酬0.2%
一般に株式投資はリスクが大きいと言われますし、株式の中でも国内より外国の方がリスクが大きいのが通常です。なお、ここでいうリスクとは価格変動であり、極端な場合には倒産してしまう可能性です。外国の株式は、株式の変動リスクに加えて為替リスクもあるのでリスクが大きくなります。しかし、株式のリスクを減らす方法もあります。それは、個別株式を少数持つのではなく、数百、数千の株式に投資してリスクを分散するのです。数多くの株式に分散投資するには投資信託が便利です。投資信託には、インデックスファンド、アクティブンド、上場投資信託(ETF)がありますが、このうち買ってはいけないのでアクティブファンドです。買って良い投資信託と、買ってはいけない投資信託の見分け方は、信託報酬が0.2%を上回っているかどうかです。0.2%を上回っていれば、証券会社が得をして、個人投資家が損をする投資信託と言えます。
長期間保有でリスクを減らす
数多くの株式に分散投資しても、毎日の価格変動はありますし、1年後、2年後には株価が大きく下がっているかもしれません。この価格変動リスクをなくすことはできませんが、小さくすることはできます。それは、できるだけ長い間持つことです。
ジェレミー・シーゲルのグラフ:過去220年間
ジェレミー・シーゲル(Jeremy J. Siegel)氏 は、アメリカ・ペンシルベニア大学経営大学院(ウォートン・スクール)の教授で専門は金融論です。過去200年以上にわたって、アメリカの株式、長期国債、短期国債、金、預金(ドル)のリターン指数(インフレ調整後)の推移を表しました。220年前の1ドルは現在1,000,000ドルに増えました。これだけ増えると、価格が半分になっても、10分の1になってもびくともしません。リスクを気にする必要が無くなります。
S&P500のETFのグラフ:過去28年半
220年という期間は長すぎるので、過去30年ぐらいで見るとどうなるでしょうか。アメリカのS&P500のETFであるSPYの価格推移です。
30年で10倍+分配金
1993年1月に43ドルでしたが、2021年8月には448ドルになりました。つまり29年7か月で10倍以上になりました。これ以外に、分配金が毎年2%弱支払われています。この間、2000年のITバブル崩壊、2009年のリーマンショックで株価は大きく下落しましたが、どれも10年かからずに回復しています。過去において、一番長く回復に時間を要したのは1929年の大恐慌の時で25年かかっています。現在は、世界各国の中央銀行や政府が強調して金融・財政政策を打ち出しますので、そのほど長期間がかかることは無いように思います。しかも当時は、一部の金持ち、資産家が株を購入していましたが、現在は一般庶民が退職貯蓄として購入していますので、政府、FRBは何としても改善策を打ち出しますから、昔ほどリスクの大きな投資ではなくなっているように思います。
資産を持つ時間はどれくらい必要でしょうか。
私は10年間だと思っています。ウォーレンバフェットが、ヘッジファンドと賭けをしたときも10年でした。私の連れ合いがリーマンショックの直前にETFを購入して、それが購入価格を上回るのに7年かかり、その後は下回ったことがありませんから、10年間あれば、購入価格を下回ることは無いだろうと思います。とてもおおざっぱなように感じるかもしれませんが、計算はどんなに緻密に行っても、前提条件を変えればいくらでも結果を変えることができますから、時間をかけて計算してもあまり意味がありません。
5年間の分散投資はより安全
さらに安全を期すのであれば、5年間に分散して投資することが考えられます。最低10年間持ち続け、できれば、20年間、30年間持ち続けると、年間平均リターンを7.2%として、10年間で2倍、20年間で4倍、30年間で8倍になることを期待できると思います。
4.商品を選ぶ
商品については、野村證券で買うなら外国株式ETF
外国株式ETFの品揃え(野村證券、ネット証券)
- SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)
- VOO(アメリカバンガード社のS&P500のETF)
- VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
国内株式ETFの品揃え(野村證券、ネット証券)
- 1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))
低コストインデックスファンドの品揃え(ネット証券)
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
数百万円以上ある程度まとまったお金があるのなら外国株式ETF、毎月数万円ずつ積み立てていくのなら低コストインデックスファンドの品揃えが必要でしょう
このふたつの低コストインデックスファンドは、どのネット証券でも扱っている商品ですが、SBI証券と楽天証券には、それぞれ独自のアメリカ株式インデックスファンドもあり、好評なようです。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
<明日に続く>