「富裕層」と「超富裕層」の違い

昨今の円安株高で、純金融資産1億円以上の富裕層が増え、5億円以上の超富裕層も増えてきました。

「富裕層」と「超富裕層」は、野村総合研究所などの定義に基づき「純金融資産(預金や株式などの保有資産から負債を引いた額)」で区別されます。富裕層は1億円以上5億円未満、超富裕層は5億円以上の世帯を指します。

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日本の資産階層ごとの割合や特徴は以下の通りです。

資産階層の定義と割合

野村総合研究所の最新の調査(2023年推計データ)によると、日本の世帯は純金融資産に応じて5つの階層に分けられます。

階層 純金融資産保有額 世帯数 全体に対する割合
超富裕層 5億円以上 約11万8,000世帯 約0.21%
富裕層 1億円以上5億円未満 約153万5,000世帯 約2.75%
準富裕層 5000万円以上1億円未満 約403万9,000世帯 約7.23%

富裕層と超富裕層の主な違い

1. 資産の性質と主な職業

  • 富裕層(1〜5億円): 医師、弁護士などの専門職や、企業の役員・管理職、代々受け継ぐ資産を持つ層が含まれます。資産の大部分は安定したキャッシュフロー(給与や配当)に支えられています。
  • 超富裕層(5億円以上): 上場・非上場のオーナー経営者や創業者、一代で大きな事業を成功させた起業家などが大半を占めます。自社株の評価額などが大きく影響するため、資産規模の変動も大きくなります。

2. ライフスタイルと価値観

富裕層: 利便性や設備、コストパフォーマンスなど、合理的な豊かさを追求する傾向が強いです。

超富裕層: 資産運用やコストよりも、セキュリティー、プライバシー、匿名性など、「特別な環境」や「選ばれた人しかアクセスできない空間」を重視します。


「富裕層」と「超富裕層」、〈GWの過ごし方〉に表れる決定的な違い

2026年4月29日 DIAMOND online

長期休暇を超富裕層はどう過ごしているのでしょうか。長年、超富裕層の方々にお仕えしてきて感じるのは、彼らは一般の方とは少し違った「休暇哲学」を持っているということです。

超富裕層は繁忙期に観光地に行かない

ゴールデンウイークが近づくと、旅行代理店の店頭にはハワイやヨーロッパへのツアーパンフレットが並びます。「せっかくの連休だから奮発して海外へ」という心理は、ある程度の資産を持つビジネスパーソンほど強くなる傾向があります。

実際、富裕層と呼ばれる方々の多くも、長期休暇にはハワイ、バリ、プロヴァンスといった人気リゾートを楽しんでいます。

ところが、金融資産5億円を超える「超富裕層」の方々は、繁忙期にはこうした場所にほとんど姿を見せません。

長年、国内外の超富裕層に執事としてお仕えしてきた私は、その理由を間近で見てきました。そして今、国内外のさまざまな調査会社がそのデータで裏づけてくれていることを知り、深く納得しています。

資産規模が大きくなるほど「自分の時間への投資意識」が高まる

日本では一般的に、純金融資産1億円以上5億円未満の世帯を「富裕層」、5億円以上を「超富裕層」と定義します(野村総合研究所による区分)。この二つのグループは、保有資産の額だけでなく、消費行動や価値観においてまったく異なる特徴を持っています。

近年、国内の複数の調査会社が富裕層・超富裕層の消費行動に関するレポートを相次いで発表していますが、それらに共通して見られる傾向があります。

それは、資産規模が大きくなればなるほど、「こだわりの強さ」と「自分の時間への投資意識」が顕著に高まるという点です。

富裕層と超富裕層を比較した場合、その差は数値として明確に表れており、超富裕層は商品やサービスの選択において「価格」よりも「自分にとっての意味・価値」を重視する傾向が、一般層や富裕層と比べて際立って高いことが示されています。つまり、超富裕層は、「何にお金を使うか」の優先順位が、富裕層とは根本的に異なるのです。

「静寂」と「プライバシー」に価値を見いだす超富裕層

私がお仕えしてきた超富裕層の方々に長期休暇の予定を伺うと、ほぼ例外なく「どこにも行かない」か「ひっそりとした場所に行く」という答えが返ってきました。

富裕層の方々は「良いものを体験したい」という欲求を持っています。高級ホテルに泊まり、ミシュランレストランで食事をする。これは豊かな消費行動です。

しかし、超富裕層にとって、有名リゾートの繁忙期という状況そのものが、すでに「価値のないもの」になってしまっているのです。

ここ数年、富裕層の消費は「モノ」から「体験(コト)」へとシフトしているといわれています。国内外の複数のコンサルティングファームや調査機関が発表するレポートでも、高額消費者ほどエンタメ・旅行・趣味といった「体験」への支出比率が一般層と比べて突出して高いことが、繰り返し示されています。「モノより体験」という傾向は、今や調査データが一致して指摘するところです。

しかし、これはあくまでも「富裕層」のトレンドです。超富裕層の次元になると、「体験」さえも超えた価値観が存在します。それが「静寂」と「プライバシー」です。

超富裕層の休暇の過ごし方キーワードは“Quiet Luxury”

私が長年お仕えしてきた超富裕層の方々に共通して感じることがあります。

彼らにとってバケーションの意義は、「日常の喧騒から完全に離れることにある」ということです。

心を落ち着けて物思いにふける場所、ただ「感じる」ことができる場所――そんな本当の静けさを求める方が、圧倒的に多かったのです。

この感覚は、近年「Quiet Luxury(静かなラグジュアリー)」という言葉でも語られるようになっています。派手さやわかりやすいブランドではなく、本質的・本物志向の体験に重きを置くという考え方です。

超富裕層の方々はこれを、流行よりはるか以前からごく自然に体現されていました。

私がお仕えしたある資産家の方は、ゴールデンウイークの予定を尋ねると、こう答えました。

「誰も知らないような小さな温泉宿に一週間いようと思ってね。電話も繋がりにくいところがいい」

その宿は観光雑誌にも載っておらず、グルメサイトで評価されているわけでもありません。しかしご主人が代々の常連客のために守り続ける、静かで品格のある場所でした。

別の方は、毎年お盆に山荘に篭もる習慣をお持ちでした。彼が求めていたのは豪華さではなく、「誰にも会わずに本を読み、考え事ができる時間」だったのです。

「この時期に有名なリゾートへ行っても、知り合いに会うか、見知らぬ観光客に囲まれるかのどちらかだ。それは休暇ではなく、仕事の延長に過ぎない」

この言葉は、超富裕層の休暇哲学の本質を突いていると思います。

誰にでもできる超富裕層の「休暇設計の原則」

超富裕層の休暇設計の原則は、「どこへ行くか」ではなく「どんな状態で戻るか」です。

誰もが山荘を持てるわけではありません。しかし、発想の転換は誰にでもできます。

繁忙期を少しずらすだけで、移動は楽になり、費用は下がり、静寂が生まれます。

本当の休息とは、非日常的な場所で買うものではなく、時間の使い方で作るもの――超富裕層の方々は、それをよくご存じなのです。

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