<昨日の続きです。>
iDeCoナビ運用商品比較の商品群は以下の通りです。
- 国内株式
- 国内債券
- 外国株式(先進国)
- 外国債券(先進国)
外国株式(先進国)
この4群のうち、外国株式(先進国)を確認しましょう。順位や商品名に問題はないと思いますが、一番右の取り扱い金融機関に関し注意する必要があります。
順位 | 運用商品名 | 運用管理費用(信託報酬) | 取扱い金融機関 |
1位 | SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 0.0682% | SBI証券(セレクトプラン) |
2位 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.0968% | マネックス証券、 SBI証券(セレクトプラン) |
3位 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.1023% | SBI証券(セレクトプラン) |
3位 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.1023% | 松井証券、 マネックス証券、SBI証券(セレクトプラン |
(注)私の保有している 「 パッシブ 野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」は第10位で、運用管理費用は 0.15400%ですから、上位には食い込めていませんが一応満足できる水準です。
ごくわずかな会社しか取り扱っていません。
1位 のSBI・全世界株式インデックス・ファンドは、 SBI証券しか取り扱っていません。
2位 のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、 マネックス証券と SBI証券(セレクトプラン)の2社しか取り扱いがありません。
3位の<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの取扱い金融機関は、SBI証券(セレクトプラン)の1社だけが表示されていますが、ニッセイの取扱販売会社は、今村証券、岩井コスモ証券等21社あります。そこで、ニッセイアセットマネジメント社に電話をかけて問い合わせました。その結果、販売会社は21社あるのですが、iDeCoとして扱っているかどうかは同社では分からないから、該当金融機関に直接問い合わせるしかない、とのことでした。そうすると、この表から言えることは、低コストの商品を扱っているのは、全商品取り扱いがSBI証券、2商品取り扱いがマネックス証券、1商品取り扱いが松井証券ということです。従って、この表で見る限り、金融機関はSBI証券が良さそうだということになります。
次にリターンを比較しましょう。
5年積み立てリターンが高い銘柄はダメ
すべての商品が、5年積み立てリターンの高い順に表示されます。
投資対象 | 運用手段 | 運用商品名 | 運用管理費用(信託報酬) | 5年積立リターン | 総合評価 |
エマージング株式 | アクティブ | UBS中国株式ファンド | 1.84% | 43.42% | – |
外国株式(先進国) | アクティブ | 大和住銀DC海外株式アクティブファンド | 1.78% | 26.99% | ★★★★★ |
外国株式(先進国) | アクティブ | 大和住銀DC外国株式ファンド | 2.00% | 26.25% | ★★★★★ |
その他 | パッシブ | iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし) | 0.26% | 26.09% | 未評価 |
その他 | パッシブ | 三菱UFJ純金ファンド(ファインゴールド) | 0.55% | 24.53% | ★★★★★ |
ここで気をつけなければいけないのことは、5年積み立てリターンが高い銘柄が必ずしも良いとは言えないということです。それどころか、5年積み立てリターンの高い銘柄は良くないということです。その理由は、左から2番目の運用手段に示されています。上位3銘柄はすべてアクティブです。アクティブはばらつきが多く、コストが高いという特徴があります。
下位銘柄はマイナス
ばらつきが多いということは、リターンが高い銘柄も有りますが、低い銘柄もあるということです。それを確かめるために下位5銘柄を確認しましょう。
投資対象 | 運用手段 | 運用商品名 | 運用管理費用(信託報酬) | 5年積立リターン | 総合評価 |
REIT | アクティブ | DCグローバル・リート・セレクション | 1.54% | -16.20% | 未評価 |
エマージング株式 | アクティブ | ブラックロック・インド株ファンド | 1.97% | -19.32% | ★★★★★ |
エマージング株式 | アクティブ | ハーベストアジアフロンティア株式ファンド | 1.47% | -21.44% | 未評価 |
エマージング株式 | アクティブ | ダイワ・ブラジル株式ファンド | 1.85% | -24.11% | ★★★★★ |
エマージング株式 | アクティブ | JPMインド株アクティブ・オープン | 1.98% | -27.31% | ★★★★★ |
5年間積み立てて、マイナス16~27%というリターンは、とてもひどい結果です。このようにアクティブはばらつきが多いので、買うべきではありません。
パッシブ上位銘柄
次に外国株式(先進国)のパッシブの上位5銘柄の5年積み立てリターンを見ましょう。どれも10%以上を達成しています。
投資対象 | 運用手段 | 運用商品名 | 運用管理費用(信託報酬) | 5年積立リターン | ★★★★★ |
外国株式(先進国) | パッシブ | インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用) | 0.18% | 12.89% | ★★★★★ |
外国株式(先進国) | パッシブ | インデックスファンド海外株式(ヘッジあり)(DCインデックス海外株式(ヘッジあり)) | 0.92% | 11.11% | ★★★★★ |
外国株式(先進国) | パッシブ | 東京海上セレクション・外国株式インデックス | 0.22% | 10.19% | ★★★★★ |
外国株式(先進国) | パッシブ | インデックスファンド海外株式ヘッジなし(DC専用) | 0.15% | 10.03% | ★★★★★ |
外国株式(先進国) | パッシブ | DC外国株式インデックスファンドL | 0.28% | 10.02% | ★★★★★ |
パッシブかい5銘柄
外国株式(先進国)のパッシブの下位5銘柄の5年積み立てリターンを見ましょう。
投資対象 | 運用手段 | 運用商品名 | 運用管理費用(信託報酬) | 5年積立リターン | ★★★★★ |
外国株式(先進国) | パッシブ | ステート・ストリートDC外国株式インデックス・オープン | 1.05% | 8.01% | ★★★★★ |
外国株式(先進国) | パッシブ | ダイワ投信倶楽部外国株式インデックス | 1.05% | 7.52% | ★★★★★ |
外国株式(先進国) | パッシブ | 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド | 0.28% | 7.36% | ★★★ |
外国株式(先進国) | パッシブ | EXE-i先進国株式ファンド | 0.25% | 5.83% | 未評価 |
外国株式(先進国) | パッシブ | EXE-iグローバル中小型株式ファンド | 0.25% | -6.06% | ★★★ |
中小型株に集中するのは危険
最下位の銘柄だけ、リターンがマイナスになっていますが、これは中小型株に投資しているのが理由だと思われます。中小型株に集中して投資すること自体、アクティブ的な運用と言えるでしょう。
コストはアクティブ2%、パッシブ0.2%
そしてアクティブファンドはコストが高いのです。運用管理費用(信託報酬)は、右から3番目に表示されていますが、上位3銘柄は1.7~2.0%です。パッシブファンドの運用管理費用が0.2%以下ですから、相当に割高です。2%を10年間続けて支払ったら20%以上のコストになります。
金急騰の理由はコロナショックなど
なお、全銘柄の上位4位と5位は金に投資するパッシブでしたが、最近1年間で金は1オンス1200ドルから1700ドルに急騰していましたので、その影響が出たと思われます。金が高騰した理由としては、世界経済の減速懸念とコロナショックがあげられます。