今日は金に投資する場合の商品を3種類勉強します。いずれも資産規模が大きく、コストが安いと思われるものです。
◎ IAU
金ETFの中で純資産総額が最大の iシェアーズ ゴールド・トラスト <IAU>について、勉強します。ブラックロック社の解説を見てみましょう。ブラックロック社は、アメリカニューヨーク州を本拠地とする資産運用会社です。
世界におけるETF提供会社のETF純資産残高ランキング上位5位は以下の通りで、ブラックロック社は世界最大です。
順位 | 運用会社 | 残高:億ドル | シェア:% |
1 | ブラックロック(iシェアーズ) | 18,553 | 35.2 |
2 | バンガード | 10,473 | 19.9 |
3 | ステート・ストリート | 6,405 | 12.1 |
4 | インベスコ | 2,313 | 4.4 |
5 | 野村グループ | 1,589 | 3 |
15年間で4.3倍
IAUは、金地金価格の変動に概ね連動することを目標としています。と現在43.032.31ですから15年間で4.3倍になったことになります。SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の価格が 2005年1月21日時点で116.78ドル、2020年8月21日に339.48ドルですから、同じ期間に2.9倍なので、IAUに軍配が上がりました。金は昨年から高騰していますので、それ以前で比較すれば、SPYが勝っていました。
トータル・リターン(%)は以下の通りです。10年間だけ5%を下回っていますが、他の期間はすべて10%を超えています。
- 1年 37.26
- 3年 15.43
- 5年 12.06
- 10年 4.96
- 設定来 10.01
- 純資産総額は 2020年8月21日現在で、31,175,729,830USD 、円換算で3.3兆円です。
- 設定日 2005年1月21日
- 取引所 NYSE アーカ
- Benchmark LBMA金価格
(注)金の2大市場はロンドンとニューヨ-クです。そのうちロンドン市場は、金の現物取引を行っており、その指標(全体の値動きを代表する価格)となっているのが「LBMA(ロンドン貴金属市場協会London Bullion Market Association)金価格」です。
- 当トラストの金保有量 503.97(トン)
1トンは1,000 kilograms 、32,150.7465トロイ・オンスです。
このトラストに関する宣伝文句は以下の通りです。
- 金地金価格の日々の値動きを追随する投資を行います。
- 金現物へ手軽に、コスト効率よく投資できます。
- 分散投資及びインフレの影響を回避すつために活用できます。
- この商品は、SBI証券、楽天証券などで購入できます。
◎ WisdomTree 金上場投資信託
証券コードは 1672 です。
最初にチャートを確認しましょう。
上記AIUはドル表示でしたが、1672 は円表示です。ドル表示に比べると、あまり上下変動が少ないのですが、昨年からは上昇に転じています。
ロンドン地金市場協会(LBMA)の規格にもとづく金地金の現物に投資し、金の価格との連動を目指すETF(上場投資信託)です。
以下のデータは2020年1月31日と少し古いのですが、参考までに。
騰落率は以下の通りです。円表示ではTOPIXより1672に分があります。
期間 1672 (参考)TOPIX
- 過去1年 +17.22% +7.46%
- 過去3年 +21.35% +10.70%
- 過去5年 +18.59% +19.04%
- 管理会社 ウィズダムツリー・マネジメント・ジャージー・リミテッド
- 信託報酬 0.39%
◎ SPDRゴールド・シェア
- 東証証券コード 1326
- 直近取引価格 ¥19,310.00
- 外国為替レート ¥105.795
- 東京証券取引所上場日 2008年6月30日
- 信託費用 0.40%
この金地金は、どこに保管されているのでしょうか
全ての信託の金はカストディアンであるHSBC Bank plc (“HSBC”)によって同行のロンドン貴重品保管室に保管されています。ただし、金がサブ・カストディアンの貴重品保管室に割り当てられている場合は除きます。そのような場合、HSBCは商業的に妥当な努力をして、速やかに金をサブ・カストディアンの貴重品保管室からHSBCのロンドン貴重品保管室にHSBCが自社負担で責任を持って輸送します。
カストディアンにより選択され、2014年12月22日現在、カストディアン (証券保管機関) として利用可能な選択済みサブ・カストディアン (実際に証券保管を行う現地の金融機関) は、イングランド銀行、The Bank of Nova Scotia-ScotiaMocatta、 ICBC Standard Bank London、JPMorgan Chase Bank、そしてUBS AGです。
最後に
IAU、1672、1326と3種類の金関連商品を見てきましたが、株式ETFに比べて開示情報、報告書の中身が少ないような気がします。単一商品だからかもしれませんが、金に関してはもう少し勉強を重ねていく必要がありそうです。