◎今日のテーマ:日本人に合うETF、インデックスファンド3
(昨日の続き)
⑤ お上(おかみ:政府)の推奨する制度を利用する
日本人は、江戸時代からの習性かもしれませんが、お上の推奨する方法に従う傾向があります。その結果、皆が同じ事をしがちです。最近では、iDeCo、つみたてNISAがが脚光を浴びていますが、この二つの制度は節税効果、商品の品揃えという意味からも良い制度だと思われます。ただし商品の選択に当たっては、高コストの商品を買わないように気を付ける必要があります。一方、過去において良い商品と思われてきた財形貯蓄は、現在見る影もありません。財形貯蓄は、現在でも政府が制度を運営しているので、お上が言っているからといってむやみに信じない方が良いかも知れません。現在政府が運用している小規模企業共済の予定利率は1.0%、国民年金基金の予定利率は1.5%ですが、日本銀行の目標とするインフレ率は2.0%ですから、この目標が実現すると、損をすることになります。太平洋戦争中に発売された国債は、戦後のインフレによってほぼ価値が無くなりました。紙幣についてもインフレ率が20000%では、ただの紙切れに近くなりました。そして、GDP比の国債残高は、現在、当時の状況と同じ程度にひどいのです。お上が言っても、皆がやっていても、ダメな時にはダメになるのです。自分の資産は自分で守るしかないというのが、歴史の教訓です。
⑥ 「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」
ハーバード大学の研究論文によると、「投資の方法については同じレベルの素人が議論することが良い」のだそうです。その論文の内容は、「個人の資産運用に関して、金融機関などのプロは当てにならない。同じレベルの素人が集まって、議論した方法で運用した方が、納得感もあって良い。」というものです。「銀行などのプロがどういう商品を顧客に勧めるか、ということは、顧客が少し考えれば分かる。」という趣旨の発言をしていました。つまり、プロは自分が儲かる商品しか売らないということです。従って、一番悪いのは、金融のプロである銀行、証券の窓口に相談することです。それでは、同じレベルの素人はどこにいるのでしょうか。少しレベルは上かも知れませんが、それは「投信ブロガー」かも知れません。その人たちの結論が、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」ですから、これらの商品には有望なものが多く含まれている可能性が高いと思います。ただし、アクティブファンド、バランスファンド、純資産額の小さいファンドも含まれていますから、すべての商品が良いというものではなく、注意深く選ぶ必要があります。
⑦ 個人投資家のブログ
雑誌や新聞は、経済新聞も含めて、広告宣伝主である金融機関に忖度した記事を掲載しますので、個人投資家にとって参考にならず、場合によっては誤った投資をさせられる可能性があります。例えば、手数料の高いアクティブファンドを記事にして、ETFやインデックスファンドの紹介記事がないことが多いようです。それに比べて、個人投資家のブログは参考になる場合があります。
最後に
上記の「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」や投資家のブログを読んで、自分の投資スタイルを築いていくしかないようです。
それでも現在は、ETFや低コストのインデックスファンドが多数ある上に、低コストを実現したネット証券の成長など、個人投資家にとっては、良い環境ですから、これらを利用して、資産形成、資産防衛を実現していきたいと思います。