◎今日のテーマ:投資を3次元で考える
3次元
目の前の仕事に追われていると、多面的に物事をとらえられなくなって、大事な視点を忘れてしまうことがあります。そのため、私はできるだけ3次元で物事を考えるようにしています。
分散化
投資には分散化が必要だと言われます。
唯一の個別株式の会社倒産
例えば、私の連れ合いは、長年積み立ててきた従業員持株会の株式を退職後にも、個別株式のままで保有していて、最後にはその会社が倒産したために、400万円で積み立てた株式の価値がゼロになってしまいました。
銘柄分散
連れ合いの場合には、銘柄を分散しなかったために資産を守れなかった例です。この図の中で、横軸は銘柄・地域です。銘柄数は、S&P500なら500銘柄、TOPIXなら約2000銘柄、日経なら225銘柄です。個別銘柄を保有する場合には、それぞれ業種の異なる10~20銘柄あれば、かなり分散化が図られて、リスクを低減できると思います。
地域分散
地域で見れば、日本だけでなくアメリカ、ヨーロッパなどの先進国に加え、新興国も10%あれば、更に分散化が図れます。
通貨分散
加えて、株式だけでなく通貨も分散化が図れれば良いのですが、ユーロのMMFが無くなったので、現在はドル以外は安心できる外貨は少ないようです。私は、豪ドルでオーストラリアのETFを保有していますが、カナダ、ニュージーランドは、外貨MMFがあっても、手ごろなETFがないのが実情です。このため、地域という観点からは十分な分散化を実現できていません。
時間分散
次に時間の分散化をどう実現するかです。
売却時の時間分散
時間の分散化というと、すぐに積立投信を思い浮かべますが、時間の分散化は買う時だけでなく、売るときにも重要かもしれません。もし、数年後の住宅を購入する場合の資金を、現在保有している金融資産で調達する場合には、支払い直前で金融資産全額を売却するか、変動リスクを回避するために、数年に分けて売却するかという問題があります。数年に分けて売却すれば、変動リスクは縮小できますが、資産運用期間が減少しますので、そのマイナスとのバランスをどう考えるかという問題があります。
自宅購入の為替損
私が自宅を購入したときには、財形貯蓄を解約してその資金を作りましたので、タイミングを見計らう必要はありませんでした。ただし、その頃、銀行が破綻した場合のペイオフの問題が俄かにクローズアップされていて、短期間外貨MMFに変換したので、200万円の為替損が発生してしまいました。
持株会株式はETFに変換
連れ合いの従業員持株会の個別株式は、数年に分けて投資信託に変換していれば良かったのですが、何もせずに放置したのが敗因でした。私の場合は、勤めていた会社を退職してから2年後に全額を1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)に変換したので、全く問題は発生しませんでした。
債権
最後の軸が、手前に伸びる資産の軸です。資産は、内外の株式(投信)だけでなく、内外の債券が代表的なものですが、日本は異次元の金融緩和政策が続いているので、国債などを購入したいと思いません。アメリカ国債も2%台の利回りなので、為替リスクを考えると購入すべきレベルとは思いません。
金、REIT、不動産
他の資産では、金は配当がありませんし、REITは市場規模が小さく、歴史も浅いので興味がわきません。不動産については、自宅用として居住する以外には、投資目的では購入するのはリスクが大きいと思います。1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)やSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)などは、売ろうと思えばいつでも相場で売れますが、不動産はそうはいきません。