◎今日のテーマ:2017年の資金純流入額トップ5ファンドの翌年の成績
流入額の多いファンド
新聞には、今どのようなファンドが売れているかを掲載することがあります。例えば、一定期間の資金流入額が大きいファンドの順位をつけて、トップ5を記事にするのです。流入額が多いからといって、必ずしも人気があるとは限りません。
マーケティングの4P
マーケティングでは、4Pの要素が重要だと言われます。4Pとは、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、広告宣伝(Promotion)の頭文字です。この4項目をファンドに当てはめて考えると、製品は銘柄、価格は購入手数料・信託報酬などのコスト、流通は銀行・証券などの対面売り場とインターネット、広告宣伝は対面売り場に貼ってあるポスターやインターネット・新聞などの広告が該当するでしょう。
投信ブロガーの選択
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」の場合の選択基準は銘柄とコストに重点が置かれているようです。しかし、アクティブファンドの純流入額を決定するのは、4Pのうち、流通が圧倒的に重要なのだろうと思われます。銀行・対面証券会社の窓口の営業力はとても強力だと思います。
純流入額上位ファンドのその後のリターン
純流入額が2017年1月~10月においてトップ5の銘柄が、その後、どのようなリターンを得たかをグラフにしました。グラフの1位は、グラフの下にある表の「LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)」です。2018年後半の6か月間(下半期)では、-11.97%のリターンでした。2018年の1年間のリターンは、 -20.08%でした。
人気インデックスファンドのリターン
一方で、参考と書いてある「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」で2位だった<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの場合、6か月間では、-9.00%、1年間では-11.10%のリターンでした。2018年は、どのファンドもマイナスのリターンでした。参考として掲載したニッセイのインデックスファンドは、全6銘柄中上から4番目でした。
過去のリターンと将来のリターンとの関係
前年に純流入額が多かった銘柄が、今年の成績が良いわけでは有りません。去年のリターンと今年のリターンは、まったく関係がないと考えるのが妥当だと言われています。
基準価格の騰落率(2018年12月末)
6か月 | 1年 | ||
1位 | LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型) | -11.97% | -20.08% |
2位 | 野村インド株投資 | -3.00% | -10.40% |
3位 | 野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドAコース | -1.10% | -3.30% |
4位 | ひふみプラス | -21.50% | -21.20% |
5位 | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | -3.86% | -6.19% |
参考 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | -9.00% | -11.10% |
これらのファンドのコストについては明日に続きます。