富裕層3 お金と時間

◎今日のテーマ:富裕層3 お金と時間

ビジネスとプライベート

ビジネスにおいては、お金で時間を買うことが行われています。しかし、プライベートな生活においては、時間をかけ、手間暇をかけることによって充実感、満足感を得ることが大事な場合があります。

保坂隆精神科医

ここで、引用するお話は、保坂隆さんという精神科医の話です。彼は慶応大学医学部を卒業後、医師の仕事を続ける傍ら、中高年向けの生き方に関する本をたくさん書いています。2012年からは高野山大学大学院密教学修士課程(通信制)で空海思想を学び14年に卒業しました。

アメリカ留学時のディナー招待

1990年より2年間、米国カリフォルニア大学ロスアンゼルス校精神科へ留学しました。次の話は、その留学時のことです。アメリカの著名な精神科医から、「週末、我が家でディナーを一緒にどうですか?」と夕食に招いてくれました。アメリカは豊かな国ですから、「派手でゴージャス」「浪費が大好き」という彼のアメリカ人像を元に夕食を想像しました。

野菜サラダ、パスタ、タルト

しかし、用意されたディナーは、野菜サラダとパスタ程度の簡単なものでした。ところが、その野菜サラダの多くは自宅のバックヤード(裏庭)で教授自身が栽培したものであり、パスタは、奥さんの手作り生パスタだということが分かりました。この日のメニューがいかに心のこもったものか、手間と時間をかけたものであるかを知りました。パスタのソースは、二日がかりで煮込んだものだったそうです。極めつけは奥さん手作りのデザート、季節のフルーツをたっぷり使ったタルトでした。

季節の野菜、果物

私は都内に住んでいますが、狭いながらも庭を作り、野菜、梅、柿などを栽培しています。品数は少ないですが、トマト、ナス、キュウリ、トウモロコシなどの野菜を収穫し、5月には梅の実で梅酒を作ります。柿は、昨年100個ほど収穫して、干し柿を作りました。素人が、見よう見まねで作っていますので、固いものもありますが、甘さはかなりのレベルでした。98歳の父親に食べさせて、喜んでもらいました。

コンマリ

アメリカで最近は、狭い家に住み、シンプルな生活をすることが人気を集めているようです。近藤麻理恵のNetflix番組もアメリカで反響を呼んでいて、Kondoも動詞になりました。お金をたくさん使って、たくさんのものに囲まれるだけではなく、シンプルで大事なものを味わう考え方も育ってきたようです。

貧富格差を助長する自社株買い

2020年のアメリカ大統領選挙に向けて、新しい動きがあるかもしれません。先進国に共通の問題として、貧富の格差が広がりつつあることは、大きな問題です。このため、アメリカにおいても社会主義的主張があり、特に民主党の政治家が、株高を演出してきた自社株買いに制限を加えることを訴えています。自社株買いは、経営者や株主など裕福な人たちが一層裕福になり、従業員に払われるはずの給与が低く抑えられるという問題があります。日本においても、このグラフのとおり、自社株買いが増えています。これから、どのような方向に動くのか、あるいは動かないのか、社会問題も含めて考えなくてはいけないようです。