「富裕層に学ぶ外貨投資術」(日本経済新聞社:尾河眞樹)の「参考になること、実践できること」を検討します。
◎今日のテーマ:富裕層に学ぶ外貨投資術の検討8
最終的に大事なポイントは以下の3点です。
① リスクを取らなければリターンは生まれない
② ベースの知識を持ってさえいれば、リスクを過大に怖がる必要もない
③ 単なる「投資」だけでなく、資産の構成(ポートフォリオ)に外貨は欠かせない要素である
この3点について私なりに考えてみます。
① リスクを取らなければリターンは生まれない
富裕層のリスクは一般人にはマネできない
現在のように低金利の状況では、まったくその通りです。過去において日本経済がバブルの頃には、5年のワリコーで利回り10%という時代もありました。リスクなしで高リターンだった時代です。生命保険会社の一時払い養老保険や郵便局の定額貯金も、同様にノーリスク高リターンでした。今はそんな時代ではありません。もし、自分の勤めている会社の確定拠出年金で、銀行預金を選べば、元本は確保できますが利息はほとんどゼロです。
長期なら低リスク高リターン
しかし、良く調べてみると、短期間ではリスクがあるものの、長期ではリスクが小さい商品もあります。SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)やVOO(バンガード社のS&P500のETF)は、10年20年の運用期間であれば、元本割れの確率は非常に小さくなります。このため、私は自分のポートフォリオについて、あまりリスクは感じていません。特に「つみたてNISAのように」長期にわたってインデックスファンドで積み立てる商品は、まったくと言って良いほどリスクを感じていません。本著の富裕層は、数十億円から数百億円の資産を保有しているので、その資産を作り上げるまでは、かなりのリスクを取ってきたのだろうと推測できますが、積立投資で数千万円、数億円の資産を形成するのであれば、だからこそ、厚生労働省のiDeCoや金融庁のつみたてNISAも積極的に、この制度利用を推進しているのだと思います。
② ベースの知識を持ってさえいれば、リスクを過大に怖がる必要もない
- ベースの知識は、米日、米日欧等世界のインデックスファンドに投資する
- 原則として個別株式に投資しない
- 一度買った金融商品は、少なくとも10年は保有する
- 値下がりしても、評価額が下がっただけ名で実損は無いのだから、売らずに持ち続け、嵐が過ぎ去るのを待つ
③ 単なる「投資」だけでなく、資産の構成(ポートフォリオ)に外貨は欠かせない要素である
外貨を持てば、膨大な国債残高のために、日本が将来ハイパーインフレになった場合の防衛策になりえます。また、もしハイパーインフレにならなくとも、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)は、過去26年間年平均トータルリターンは10%前後なので、かなりの好成績を期待できます。
このような知識を持ってS&P500のETF等、外貨中心の投資をすれば、様々な場合に対応できるのではないでしょうか。