◎今日のテーマ:富裕層に学ぶ外貨投資術の検討1
尾河眞樹
日本経済新聞社から「富裕層に学ぶ外貨投資術」という本が販売されています。著者の尾河眞樹は、ソニーフィナンシャルホールディングス執行役員 兼 金融市場調査部長 チーフアナリストで、数年前に、為替相場の1年間の変動予想をピッタリ当てたのを知ってから、注目しています。
富裕層
富裕層の定義はいろいろあり、野村総合研究所では純金融資産保有額が1億円以上5億円未満が富裕層、5億円以上は超富裕層と分類しています。この本で取材をした富裕層は6人ですが、金融資産は、数十億円から数百億円ですので、超々富裕層といえるでしょう。あまりに金融資産の額が大きいので、参考にならない面もあるかもしれませんが、特殊事項と一般事項を切り分けて検討すれば、参考になる一般事項もありそうなので、このブログで検討したいと思います。
超富裕層になろうとすると危険
ただし、数十億円、数百億円の資産を気づくということは、大きなリスクを取り、幸運に恵まれないとできないことですから、普通の人はマネをしても、ほとんどの場合上手くいかない確率が高いと思います。日本電産の永守 重信氏は、かつて「私と同じ時期に起業した人が5人いたが、そのうち2人は自殺した。」という記事を読んだことがあります。
誰でも、いつでも始められる資産運用
私の資産運用方法は、誰にでも出来、いつでも始められるので、どんなに長生きしても、金融資産が数十億円になることは無いでしょう。しかし、そのような人たちと同じ視点で資産を運用している面もあります。
外貨投資術
そのうちの一つが、この本の題名にもある「外貨投資術」です。日本は、直近の30年間、株価が低迷していますが、アメリカは4倍以上に成長しました。金利も、日本よりアメリカの方が高い水準を維持してきました。
巨額の政府財務
日本は現在巨額の政府債務を抱え、円に対する信認が大きく損なわれる恐れがあります。このため、円の番人であった日本銀行職員や財務省の役人が、退職金を受け取ると、円を売って外貨を買い求めるそうです。つまり円に不信任を突きつけたといえるでしょう。そして、この本で取材した6人の富裕層も全員、将来への不安として日本の財政問題を真っ先に挙げています。この不安を一般の人たちは持っているのでしょうか。
日本は政府債務残高に対する危機意識が低いのでは?
先日、信託銀行に勤める私の親戚に、日本政府の債務残高について尋ねたところ、銀行員どうし、仕事でも、飲み会などのプライベートでも話題に上ることは無い、と言っていました。この意識のずれを、どのようにとらえたらよいのでしょうか。それも含めて、富裕層の考え方を検討してみたいと思います。