金融庁のリスク性金融商品に関するアンケート6

◎今日のテーマ:金融商品を購入した理由

商品を購入した理由の上位には、「過去の運用成績がよい」、「手数料が安い」、「リスクが低い」が並びます。これらの項目について考えてみましょう。

① 過去の運用成績が良かったから

投資信託、株式、債券に関しては、過去の運用成績が今後の運用成績に影響を与えることは無いといわれています。従って、個別の商品についてこの方法で判断することは間違っていると思います。ただし、ETF等において、アメリカ市場、ヨーロッパ市場、日本市場、新興国市場を選択するときに、どの市場を選択するかについては、過去の動向を参考にします。

② 手数料が安いから

手数料が安いことは大事な判断項目です。信託報酬は、アメリカ国内のETFなら0.1%以下が当然ですし、その中でもVOOの0.03%を優先して買うことになります。 日本国内のインデックスファンドであれば、信託報酬が0.107892%の<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドとeMAXIS Slim 先進国株式インデックスのどちらかを選ぶことになるでしょう。

③ 元本が棄損するリスクが低いから

元本が棄損するリスクについては、ある程度は覚悟する必要があります。日本国内においては1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)、アメリカの市場においてはSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)程度のリスクは当然覚悟しなければなりません。それでも、10年、20年の長期投資をするのであれば、元本が棄損する可能性は極めて低くなると考えられます。個人投資家は、長期で大型のETFに投資するのであれば、元本が棄損することを過度に恐れる必要はありません。私は約20年前に勤めている会社の確定拠出年金を全額外国株式で運用しましたが、90%の社員は銀行預金を選択しました。この90%という数字は、私が勤めていた会社だけでなく、どこの企業でも同じ傾向だと感じ金融機関の担当者が言っていました。これなどは、日本人が過度にリスクを恐れる現れだと思います。

④ 元本が棄損しても構わないので、高いリターンを得たいから

10年、20年の長期投資であれば、元本が棄損する恐れは少ないので、高いリターンを求めて投資できます。

⑤ 元本が保証されているから

この項目を選択基準としている人が12%もいるのは、極めて残念です。妥当な判断をすれば、もっとリスク資産に投資することができるのです。その結果、リターンを得ることができます。