お金の素人は専門家に相談すべきか 銀行、証券会社

◎今日のテーマ:お金の素人は専門家に相談すべきか:銀行、証券会社

結論から言うと、原則としてお金の素人は専門家に相談すべきではありません。お金の専門家には2種類います。

窓口営業

一つは、銀行、証券会社等の金融機関に勤めて、窓口の営業をする人たちです。この人たちは高い給料をもらっています。その高い給料の原資は、自分たちが販売する商品から得られる利益であり、逆に言えば顧客が支払う手数料です。つまり、その人たちの給料の分だけ顧客はコストを負担しなければなりません。

独立系FP

もう一つは、独立系のファイナンシャルプランナーです。問題はその人たちが、完全に顧客の立場に立ってアドバイスしてくれるかということです。表面上独立系のふりをしても、裏では特定の商品を推奨した場合にバックマージンを受け取っているかも知れません。さらに、一つの商品で完結して、その後ファイナンシャルプランナーが不要になるようなアドバイスを避けるという問題があります。具体的には、アメリカのIFAは通常、VTというETFを推奨しません。VTというのは全世界の株式に分散投資するバンガード社のETFです。この商品を持つと、その後はポートフォリオを修正する必要が無くなるので、IFAがクビになってしまうのです。

従って、基本的にお金の専門家に相談してはいけません。

以下、金融機関ごとに詳しく見てみましょう。

① 銀行

訪問記

銀行員は、自分の銀行の商品を売るために必要な知識は十分に持っています。しかし、その商品はすべて(と言って構わないと思います。)高いコストで、顧客は手を出してはいけないものばかりです。具体的な商品としては、ラップファンド、外貨預金、個人年金保険などです。これらの商品の問題については、私がメガバンクに訪問してまとめた「三井住友・みずほ・三菱UFJ銀行・郵便局訪問記」をご覧ください。

普通預金とATM

銀行は、給与・年金の振込口座、ATMの利用などに限定した方が損をしなくてすむと思います。私は住宅ローンも組まなかったので、この点でも銀行を利用していません。

銀行員の知識は自社商品のみ

なお、銀行員は自行以外の金融商品を良く知っているかと言えば、知らないと思います。私の友人にメガバンクに長年勤め、支店長まで勤めた銀行員がいましたが、その人間にS&P500のETFの過去の平均利回りを尋ねたところ、「3%ぐらいかな」という答えが返ってきました。正解は10%(過去25年間の平均)です。

最悪

銀行員に自分の資産の運用方法を相談することは、最悪だと思います。しかも、銀行には投資に適した商品自体がありません。

② 証券会社

対面証券とネット証券

証券会社には2種類あります。野村證券、大和証券等の支店と窓口のある対面証券会社と、インターネットで取引するSBI証券、楽天証券などのネット証券会社です。

私は野村證券だけ

私は野村證券を利用していますが、買う商品を相談することはありません。私の買う商品は、SPY、VOO、VWO、VGK、1306等のETFに限られていますので、野村證券の担当者に相談する必要はありません。私は金融商品を買う時に数百万円から数千万円の単位でまとめ買いをしますので、ETFという商品が適しています。また、iDeCoやつみたてNISAを買う場合には、野村證券も低コストの商品を販売しているのでネット証券を使わずとも野村證券で、用が足ります。しかし、更に進んで、課税される特定口座で投資信託の積立をしようとする場合には低コストの商品(ノーロードで低コストのインデックスファンド)がありませんから、ネット証券を利用すべきだと思います。

コストと安心

対面証券とネット証券の大きな違いはコストですが、私のように一度買ったら、何十年も売ることがなければ、その差はわずかだと思います。野村證券は日本の証券会社で最大規模で歴史も長いという安心感がありますので、その安心感と多少のコスト高を天秤にかけて、ネット証券と比較すればよいと思います。