不安のない老後の資産形成に成功するのは2割

アメリカの新聞 USA TODAY の記事を参考にして勉強してみましょう。

アメリカの401(k)は日本の確定拠出年金、IRAは税制上はiDeCoに近いのですが、引き出しに60歳という年齢制限はないようで、全体の資産の中の割合は次のグラフの通りです。

民間の確定給付型年金が減少してIRAが増加しています。

家計金融資産の中での退職貯蓄(老後資金)の割合が増えています。

<以下は2019年10月の記事です。>

金銭面で几帳面な人にはいくつかの特徴があります。例えば借金をしない(あるいは少なくともしっかりした返済計画を立てている。)、一か月毎の予算を作っている、明確な金銭の目標に向かって積極的に働いているなどです。

金銭管理の優れている人は、毎年の退職貯蓄を増やしていますが、2019年TD Ameritrade Retirement Pulse調査によると、そうしているのはアメリカ人の2割でしかありません。

ベビーブーマー(概ね1946年から1964年頃までに生まれた世代)たちは、退職貯蓄を増やしていますが、それは当然のことでしょう。というのは、人生のステージから見て金銭面では、老後の目標以外には、あまり目標がないのですから。ミレニアル世代1989年~1995年に生まれた世代はかなり引き離された2位で、X世代(1960年代初頭または半ばから1970年代に生まれた世代)はビリです。X世代は、自分たち夫婦だけでなく、自分たちの子供と年老いた両親にも金銭的負担を強いられるということを考えれば、納得できるでしょう。

老後資金を増やすことは多くの人にとってたやすいことでは有りませんが、できればした方が将来のために良いことです。老後のためにどれほどメリットがあるのか、老後のために余分な現金をどこで見出せるのかを見てみましょう。

ほとんどのアメリカ人は、老後のための資金を増やすことをしていないようです。フィデリティーによると2019年第1四半期末時点の年間平均的401(k)積立金は2,370ドル(26万円)です。これは過去最高ですが、年間限度額19,000ドル(205万円)に比べるとはるかに少ないのです。50歳以上であれば25,000ドル(270万円)の積み立てが可能です。

IRAの積立限度額はさらに低く、50歳未満は6,000ドル(65万円)、50歳以上(76万円)は7,000ドルです。

401(k)の平均2,370ドル(26万円)は1か月当りでは197.5ドル(2万円)です。これを30年間年利7%で運用しても最終残高は224,000ドル(2419万円)でしかありません。65歳以上の平均世帯年間支出額は50,000ドル(540万円)ですから、5年間は持たないことになります。社会保障を加えて、なんとかかんとかもう少し長く生活することはできるかも知れませんが、旅行や大きな買い物はあきらめるしかありません。

IRAに毎年6,000ドル(65万円)ずつ30年間年利7%で運用すれば567,000ドル(6124万円)になりますから、401(k)の224,000ドル(2419万円)よりはましです。

最高限度額の19,000ドル(205万円)を401(k)で積み立ててはいかがでしょうか。同じ利率で運用すると最終的に1.8百万ドル(1億9440万円)になります。

自分の勤めている会社が401(k)マッチ制度(社員の積立額と同額を会社も積み立ててくれる制度)を導入しているなら、それを利用するためにあらゆることをすべきです。自分が自由裁量で使えるお金を切り詰めること、外食せずにランチを持っていくこと、コーヒーは家で飲むか全く飲まないこと、を実行して老後資金を蓄えるのです。