ちゃんと準備しておけばよかった

リタイヤ後のために準備しおかなければいけないということは、頭では分かっている人が多いのですが、そう決心する人、行動に移せる人、その行動を継続できる人は、それほど多くないかも知れません。

リタイヤ後の話以前に、次のことを実行に移せる人も、なかなかいないようです。

  1. 節約して投資資金を用意する
  2. インデックスファンドかETFを買う
  3. 10年間それを売らずに保有する

これだけのことで、10年間に資産が2倍になったのです。試しに100万円か200万円投資すると、その成果を実感できます。

しかし、そのような準備をせずにリタイヤを迎えた人がアメリカにもたくさんいるようです。今回は、準備しておけばよかったと後悔している人たちの話です。ニューヨーク・タイムズ紙2020年1月3日の記事を元に考えてみます。以下は私の拙訳です。

リタイヤした人の34%が、もっとちゃんと準備しておけばよかったと思っています

健康と社会保険料支払いが、リタイヤ後の経費について常に最大の懸念であることはもっともなことです。しかし、将来のお金の安心を脅かすかもしれないことはそれだけでは有りません。リタイヤ後の最初の10年だけでも考えてみましょう。最近の全国調査によると、最近リタイヤになった人の34%が、もっとちゃんと税金の準備をしておけばよかったと言っています。

昨年の同様の調査に答えて、最近リタイヤになった人の46%に比べると下がりましたが、まだかなり高い数字です。同調査によると、最近リタイヤになった人の23%、今後10年間にリタイヤすると見込んでいる人の30%が、リタイヤ後の収入に課せられる税金を怖がっています。

残念ながら、リタイヤしても完全に税金の支払いから逃れることはたぶんできません。しかし綿密に計画しておけば課税額を引き下げる役に立つかもしれません。リタイヤ前に用意周到準備すれば、自分のライフスタイルを快適に送るためにいくら蓄えが必要か、そしてそれに伴う税金はいくらかを計算するのに役立つかもしれません。リタイヤ後の蓄え、その他投資収入、そして社会保障給付に対する政府の課税を細かく見ましょう。

退職口座課税

退職口座は課税方法に基づいて、異なる二つのタイプに分けられます。従来のIRAや401(k)の税繰り延べ口座に積み立てれば、積み立てた年の課税所得を引き下げられますが、そうするとリタイヤ後の年金支給に対して税金を支払わなければなりません。Roth口座に積み立てるのであれば、その年の課税所得に影響は無いものの、支給される年金には課税されません。

適切な口座を選んで積み立てることで、リタイヤ後のお金をたくさん保有できるかもしれません。もし、今の税率区分がリタイヤ後のものより高いと考えるなら、税繰り延べ口座がベストです。その時まで課税を遅らせることによって、税金によって失う蓄えを、若い時に払うよりわずかながら減らすことができます。もし、リタイヤ後の税率区分が今と同じか高ければ、Roth口座はもっと意味があります。もし確信が持てないなら、それぞれの口座に蓄えるという方法もあります。

税額をさらに引き下げるために、リタイヤ後は賢く引き出す。引き出す年の税率区分に気を付けて、もし区分の最高額に近づいていて、Roth貯蓄があれば、そちらの方にその年の残り分を頼ることを考えるようにしましょう。Rothの貯蓄は税金を追加で払いませんから、収入を政府に召し取られる額が小さくなります。

必要最小限分配金(RMDs)についても忘れてはいけません。もし働いていないか、勤めている会社の5%以下しか保有していないのであれば、70歳6か月になると始まります。その分配金は、Roth IRAs以外で年間に受け取らなければいけない最小限度の金額です。その表の年齢に応じた分配期間によって退職勘定残高を分配して計算することができます。

RMDsによると、自分が望む金額以上に、退職勘定から引きださなければならないこともありますが、もしそうしないと、引き出さなければならない金額の50%を取り損ねることになります。そうなってしまえば、より高額の課税通知書が来るかもしれません。多額の引き出しをして税金を少し多めに払うか、使わない余分なお金をチャリティーに寄付することも可能です。そうすれば税額控除になり課税通知書には影響を与えません。

キャピタル・ゲイン課税

もし課税証券口座を持っていなければ、キャピタル・ゲイン課税の心配をする必要はありません。これは誰でも使える投資口座で、各年にどれだけ積み立てても、あるいは、その資金を引き出しても、制限はありません。ただし、退職勘定として同様の節税効果があるわけでは有りません。しかし、資産の売却前に少なくとも1年間保有すれば、少しだけ節税になるかもしれません。1年未満しか保有していない資産の短期キャピタルゲインは所得税の対象になりますが、1年以上保有した資産は長期キャピタルゲイン税の対象になります。

長期キャピタルゲイン税は、積立ではなく運用益に適用されます。所得税は、稼いだ年にいつも払う必要があります。しかし、収入が十分低ければ、運用益に対して長期譲渡所得税を支払わなくて済みます。もし払う場合にも、同じ金額に対する所得税よりも少なくて済みます。

以上、アメリカのリタイヤ後の退職勘定を見てきましたが、日本と同様に結構複雑で、似たような仕組みがあるものですね。よく注意して、損をしないようにしましょう。