危険!近づくな! 金融機関と金融商品 2

昨日に引き続き、主な金融商品、金融機関について、何が良いのか、何が危険なのかを考えてみようと思います。このブログでは、金融機関の種類・金融商品の種類ごとの大まかな傾向しかお示しできませんので、最終的にはご自身でお調べください。消費者にとって優良な商品・金融機関を緑の1、危険度が増すにつれて、黄色の2、橙の3、赤の4、紫の5に色分けしました。

昨日は、つみたてNISA、イデコ(個人型確定拠出年金)、DC(企業型確定拠出年金)について考えましたが、今日は課税される積立投資信託を考えます。

イデコ

イデコは60歳以降に年金または一時金として受け取れますが、掛金が全額所得控除、運用益も非課税で再投資できます。60歳以降に、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。

つみたてNISA

つみたてNISAは、掛金は所得控除になりませんが、分配金や売却益が非課税です。

DC

DCは勤めている会社が掛金を出してくれ、60歳以降の扱いはiDeCoと同じです。

課税される投資信託積立

このようにつみたてNISA、イデコ、DCは税法上のメリットがありますが、課税される投資信託積立にはそのようなメリットがありません。しかし、イデコとDCは60歳以降の老後のための蓄えです。また、つみたてNISAはいつでも引き出しが可能ですが、積立額の上限は毎年40万円で、非課税期間は最長20年です。つまり積立額は最高で800万円です。人間のライフステージを考えるとき、住宅と子供の教育費は数千万円単位で必要です。従って、そのための備えとして、つみたてNISAだけでは不十分で、それ以外に数千万円の蓄えが必要です。

財形は低利

以前は財形貯蓄の利率が高かったのですが、現在は概ね1%未満が相場です。そこで注目を浴びるのが、課税される投資信託です。課税される投資信託の対象金融商品と金融機関は、つみたてNISA等と同じです。また、1~5の評価も一部を除いて同じです。

低コストの積立投信ならネット証券

評価の違うところが「経費0.2%以下の株式イデックスファンド」です。具体的に言うと、ネット証券以外は、0.2%以下の「課税される株式インデックスファンド」を扱っていないのです。一言でいうと、ネット証券以外の金融機関は経費の高い商品だけを販売しているということです。

ネット証券の貯蓄が正解

例えば野村證券の場合、買い付け金額の第1位は、「野村インデックスファンド・日経225」ですが、信託報酬は0.44%です。つまり、つみたてNISA、イデコなどの専用商品は信託報酬を0.2%以下に抑えていますが、それ以外のところで高い商品を売っているのです。SBI証券、楽天証券などのネット証券は、「課税される株式インデックスファンド」も信託報酬0.2%以下で済ませることができます。

若い人はネット証券で投信積立

年齢的に区分すると、60歳以上のシニア層は、積立投信ではなく一括で数百万円、数千万円を購入する場合が多いと思いますから投資信託の積立はあまり利用しないかも知れません。その場合には、野村證券等の対面証券でも致命的な欠点を持たないでしょう。しかし、20歳代、30歳など、若い人たちは投信積立を利用する場合、インデックスファンドの信託報酬はできるだけ抑えたいのです。従って、ネット証券に口座を開設することが望まれます。細かいことですが、積立投信(積立投資信託)は商品、投信積立(投資信託積立)は蓄える仕組みです。インデックスファンドは積立投信の一分野です。

販売手数料もネット証券が有利

またネット証券はETF、株式の購入に際しても、販売手数料が安いので、対面証券よりも有利です。ただし、この手数料は毎年かかるものではないので、痛手は少なくて済みます。売り買いの往復で対面証券より2%かかっても、ある程度我慢できる額かもしれません。もちろん、ネット証券で売買すれば、その経費はかなり安上がりで済みます。私自身は現在、野村證券で保有しているETF等を、将来ネット証券に口座開設した後、移管手続きをしようと考えています。

役に立つ商品、引っかかりそうな危険商品

ファンドラップ、財形、団体定期保険、外貨建保険、医療保険、外貨預金、外貨MMF等各種の金融商品があります。

① ファンドラップ:評価は紫の5としました。

ファンドラップの売れ行きの高い大和証券を見てみましょう。

ラップとは、「WRAP」、「つつむ」という意味があります。ラップでくるむように客の資産を預かり、売買注文を含めて資産運用を金融機関に任せるところから付けられた名称です。

20年で30%の手数料は無駄

ファンドラップ・フィー(年率・税込)は、 投資顧問料0.330% 、 取引等管理手数料1.210%で、合計1.540% です。自分で考えれば、2~3種類のETFを積み立てて済むものに、年間1.54%、20年間で30%も払うというのは、なんという無駄遣いでしょうか。

② 財形:評価は、銀行が赤の4、それ以外の金融機関が橙の4としました。

銀行は金利がほぼゼロ

銀行は金利がほぼゼロなので、蓄える意味があまり意味がありません。

保険会社は金利1%以下

それ以外の金融機関の利率は1%以下(日本生命は0.7%、東京海上は0.5%)ですが給与天引きによる貯蓄効果があるので、銀行よりはましだと思います。

長期なら投信積立

財形の中で住宅財形と年金財形については運用益に税金がかからないのでわずかにメリットがあります。しかし、10年以上かける期間があるのであれば、課税される投信積立で外国株式インデックスファンドを利用した方が良い結果となる可能性が高いと思います。