金投資をどう考えるか

株式市場回復

2020年も半分が過ぎ、新型コロナウイルスのパンデミック、ボーナス削減、失業、雇い止め、自粛等大きな変化がありました。実体経済は、飲食、旅行等を中心に低迷を続けていますが、株式市場は、一旦暴落したものの9割以上回復しました。しかし、個人の投資環境を見ると、大きな変化がありました。金の高騰とインフレ懸念の高まりです。

金の位置づけ

個人投資家が考えなければいけないのは、金を自分の資産の中に取り組むべきか、日本経済におけるインフレ問題にどう対処すべきかということだと思います。

豊島逸夫

金について、もっともよく知っているのは、豊島逸夫氏だろうと思います。ただし、良く知っているからと言って、将来のことを正しく予測できるわけでは有りません。

ウイルスの世紀

例えば、今回の新型コロナウイルス・パンデミックについては、発生タイミングは正しく予測できないものの、21世紀には、この程度の感染症が発生し得ることを、感染症学者は、当然予測していました。21世紀はウイルスの世紀、と言われてきたように、世界中の人が、飛行機を使って、ビジネスや旅行をすれば、現在の事態は予測されていたものです。しかし、その発生タイミングは予測できませんし、日本は、インバウンド景気とオリンピック景気に浮かれていました。

久米宏のラジオなんですけど

しかしその中でも、2019年に「久米宏のラジオなんですけど」というラジオ番組は、尾身茂・地域医療機能推進機構理事長と、8割おじさんの厚生労働省クラスター対策班メンバー西浦博・北海道大教授をゲストとして読んでいます。尾身茂氏は7月に発足した「新型コロナウイルス感染症対策分科会」分科会長に就き、西浦博氏は8月1日から京都大医学研究科の社会健康医学系専攻環境衛生学分野の教授として研究室を率いることになりました。

ゲスト50人の中の2人が新型コロナ関連

このラジオ番組は、毎週1回の放送で様々な分野のゲストを呼ぶので、この二人を呼んだことは、今年のコロナ騒動を予言したかのような、まさに奇跡的なことでした。

東京オリンピック開催に反対

しかもこのラジオ番組では、東京オリンピック開催に反対するテーマを繰り返し放送し、今年の1月初めには、永久保存版として、過去のオリンピック反対番組集約版を2時間にわたって放送しました。

久米宏

この番組は久米宏がNHKの悪口を頻繁に言うことでも有名で、NHK関係者にもヘビーリスナーが多いようでした。ここで「でした」と書いたのは、この番組が6月いっぱいで終了してしまったからです。私は、昭和40年代の後半から久米宏を聞いてきました。それは、TBSテレビのザ・ベスト・テンや、テレビ朝日のニュース・ステーションが始まる以前の、永六輔・土曜ワイドラジオ東京という番組のスタッフだった頃です。

古今亭志ん生

久米宏の番組は、本質を突くだけでなく、聴いていて楽しい、面白いという特徴があります。その理由は、彼が最も尊敬するのが、古今亭志ん生だからだろうと思います。

久米ネット

ラジオ番組は終了してしまったのですが、 久米ネット というところから引き続き情報発信していますので、ご興味のある人は見てください。なお、久米宏は昭和19年生まれの75歳で、吉永小百合と同学年であり、早稲田大学の同窓生でもあります。

豊島逸夫

もう一人、将来の見通しについて参考にしている人がいます。経済評論家の豊島逸夫氏です。1972年一橋大学経済学部を卒業し、三菱銀行、スイス銀行外国為替貴金属部ディーラー、ニューヨーク金市場フロアトレーダー、ワールド・ゴールド・カウンシル(英語版)2011年豊島逸夫事務所を設立しました。

金価格推移

豊島氏は主に金について解説をする経済評論家です。1973年から現在までの1グラム当たり金価格推移は次の図の通りです。

豊島氏の金に関する現在の見方は以下の通りです。

金が1オンス1800ドル以上になると、これまで以上に荒い乱高下相場になるので、堅気の素人衆は心臓に悪いからやめときなさい。特にまとめ買いは危険。今、世界中にトランプ相場、コロナ相場を読み切れる人は誰一人いません。

今後2割程度金価格が調整で下がることがあれば、そこで買うのはいいでしょうね。

資産運用で金は常に脇役。投資というより保険に近い。主役は配当を生む株式です。その株価の調子が悪い時に金が脇役で支えることが本筋です。本末転倒しないように。金が上がっているから、資産の多くを金につぎ込むのでは、単に投機になってしまいます。所謂、丁半博打と同じです。

保険と言えるか?

以上の意見は、素人ながら私の持っている感触と同じです。ただし、保険という言葉は、言いすぎなような気がします。保険は保険料を支払って、損失を取り戻すものですが、金に投資する金額は、資産全体のせいぜい10%程度とすると、いくら10%の保険料を支払っても、20%、30%もの保険金は受け取れないような気がします。そういう状態が実際に起こるのでしょうか。また、保険金としては、いささか少ないような気もします。

儲けるつもりで金投資するのは疑問

やはり投資の主役は株式で、金は、余裕があれば少しだけ行う、一種、気休めに近いものかもしれません。つまり、やっていないよりは、やっていた方が良いもので、儲けるつもりもあまりない方が良いのではないでしょうか。