50代のポートフォリオ

20代、30代、40代

20代、30代のポートフォリオは昨日までに載せました。40代のポートフォリオについては、2021年9月7日の「連れ合いの運用実績2021年8月」に載せましたので、今日は50代です。

債券中心のポートフォリオは必要か?

50代になると、定年、引退、年金というものが現実味を帯びてきます。一般的には、この年代になると、株式中心のポートフォリオから、債券中心のポートフォリオに移行することを勧める傾向にあるようです。しかし、私も連れ合いも、債券は全く持っておらず、あくまで内外の株式ETF中心の運用を続けています。

それではなぜ、高齢になると債券中心のポートフォリオを推奨するのでしょうか。

生活費に充当する資金

60台前後に退職、引退した後は、給与収入などが無くなりますから、国民年金、厚生年金、確定給付年金、確定拠出年金等に加え、証券口座・預金口座の残高を取り崩して、生活費に充てることになります。

株式のリスク

国民年金や厚生年金だけで生活費をカバーすることが難しい場合には、預金や株式・投資信託を取り崩すことが必要ですから、リスクの高い株式などのウェイトが大きいと、心配ですし、株式が急落すると生活費が不足するかもしれません。

株式の高リターン

しかし、厚生年金の収入がある程度あって、贅沢な生活をしなければ、それだけで普段の生活費を賄えますから、リスクの高い株式などのウェイトを大きくすることによって、高いリターンを期待できます。

超低金利時代の債券の位置づけ

また、現在は超低金利の時代が続いているので、債券や銀行預金の期待リターンがほぼゼロ%ですから、どうしても株式のETFやインデックスファンドに比重を置かざるを得ません。

時代にあったポートフォリオ

債券の期待リターンが数%になった時ならいざ知らず、現在のような状況においても、すべての人に相変わらず債券に投資することを勧める理由が分かりません。時代にあったポートフォリオを提示すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

それでは、マネックス証券のホームページに掲載された50代のポートフォリオについて考えてみましょう。


50代の参考ポートフォリオ

50代、既に子どもの教育費や住宅ローンの返済にメドが立っている人であれば、老後資金準備のラストスパートをかける時期。一方、晩婚化の影響で多額の教育費を負担している人もいることでしょう。教育費負担の有無、住宅ローンの完済時期などでリスク許容度は異なりますが、歳を重ねるごとにリスク許容度は低下していくというセオリーに立ち、かつ教育費等のライフイベント費用が残っているという前提でポートフォリオを構築して行くことにします。ただし、ライフイベント費用が残っているとはいえ、統計データなどでは50代は相応の金融資産額を保有しています。ポートフォリオはリスク・リターンのバランスに配慮しながら、資産を守るという視点も考慮したうえでポートフォリオを構築して行く必要があるでしょう。

資産全体での国内外の株式への配分割合は45%とします。ポートフォリオのコアとなるのは市場全体に投資するTOPIX連動のETF「TOPIX連動型上場投資信託(1306)」として、資産全体の25%を配分。残り20%は海外株式への資産配分とします。先進国株式だけではポートフォリオ全体の収益率の底上げになりにくいため、新興国株式へも資産の一部を配分することにします。40代と同じく1銘柄で日本を除く世界の先進国と新興国をカバーする「上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本(1554)」を組み入れます。繰り返しになりますが、新興国株式への配分は同ETF全体の1割強なので、リスクは過度に取っているわけではありません。

ポートフォリオのリスク・リターンに配慮するため、残りの55%で債券、代替資産として金を組み入れることにします。国内株式と分散効果が高い先進国の債券を投資対象とする「NEXTFUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信(2511)」へ国内株式と同じく資産全体の25%を配分します。長期金利の大幅な低下によりポートフォリオに入れる有用性が見出しにくかった国内債券ですが、日本銀行が政策を弾力化したことによりわずかながら金利が復活。ポートフォリオを安定させる効果を期待して「NEXTFUNDS国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信(2510)」へ20%を配分します。債券2銘柄は共に純資産総額は少ないですが、マーケットメイク銘柄なので流動性リスクは低下していると言えるでしょう。さらに、資産保全という観点から金価格に連動するETF「純金上場信託(現物保管型)(1540)」へ10%配分します。金価格に連動するETFは複数ありますが、金の現物の裏づけがあるETFは同銘柄を含め2銘柄で、流動性が高い銘柄を選びました。

TOPIX連動型上場投信(1306) 25%
上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)(1554) 20%
NEXTFUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信(2511) 25%
NEXTFUNDS国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信(2510) 20%
純金上場信託(現物国内保管型)(1540) 10%


⇒ 純金ETFの経費は高い

ETFに関する私の選択基準は、純資産総額1兆円以上、経費率0.2%以下ですが、その基準をクリアーしているのは、日本株ETFの1306だけです。それにしても純金の経費が0.49%というのは、ずいぶん高いですね。

コード 銘柄 純資産総額(億円 経費率(%)
1306 TOPIX連動型上場投信 171,310 0.09
1554 上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI) 71 0.24
2511 NEXTFUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信 188 0.12
2510 NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA‐BPI総合連動型上場投信 329 0.07
1540 純金上場信託(現物国内保管型) 1,478 0.49