12月末の運用資産総額は過去最高になりました。
過去の概算の推移は以下の通りです。
- 元金:10,500万円
- 2015年:16,000万円
- 2020年:20,000万円
- 2021年:26,000万円
1年間のリターンは27%
グラフでも2021年の1年間の勾配は激しいのですが、金額としても6000万円は大金ですし、増加率は27%でした。SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の1年トータルリターンが30%、1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))は12%ですから、私の27%はアメリカ株式に近い数字だと言えるでしょう。一般的に平年なら外国株式のリターンは8%、国内株式のリターンは6%ですから、今年のリターンが異常に高かったと言えます。来年は平年並みに戻るとすると、7%程度に落ちるのだろうと思います。
株主として資産増加
ところで、私は現在、年金暮らしで、それ以外に株式ETFの配当(分配金)を受け取り、さらには株式評価額が上昇しているので、資産増加の割合は、年金収入1割、分配金収入1割、株式資産増加8割増という割合になります。年金以外は、株式の投資信託を保有することによるものですから、株主という立場で資産を増やしています。
退職までは労働者
私は20代前半から65歳まで労働者として働いて、給与を稼いできて、その貯蓄、退職金を投資して株主になっています。私の投資資金の中に親からの相続財産は無く、すべて自分で稼いだお金です。
資本家はとても儲かる
高校、大学時代に、資本家、労働者、資本主義について学びましたが、今実際に資本家になってみると、資本家はとても儲かると実感しました。資本家はリスクがあるという話がありますが、現在は株式投資信託、株式ETF等によって分散投資できるので、数十年前に比べるとリスクはずいぶんと軽減されました。一方、非正規の労働者は、いつ解雇されるか分かりませんから、リスクは小さくありません。その上、資本家と労働者の所得格差が大きいのですから、このままの状態で良いはずがありません。トマ・ピケティは、その問題点を学問的に研究しました。
ダイヤモンド・オンラインの「3分でわかる! ピケティ『21世紀の資本』」を勉強しましょう。
これからの世界経済はどうなる?
ピケティの『21世紀の資本』は緻密なデータをもとに、世界に広がる経済格差とその対策について説かれた本です。ピケティによると、産業革命以来、欧米はアジアとアフリカに対して、圧倒的に強い経済力を誇ってきました。
けれども、現在では、アジアとアフリカの経済成長が急速に進んでおり、地域間の格差は縮まりつつあるとされます。1820年頃は産業革命によって欧米では国民一人あたりの生産性が格段に上がりました。
今となっては、先進国のGDPの成長率のピーク期は終わり、21世紀末にはさらに下がるとされます。これには、人口減少という要因も拍車をかけます。私たちが危惧する日本が少子高齢化で国力が弱くなるという事態もこれに関連します。
全体の経済成長が停滞すると、貧しい人々が増えます。1975年以降、富裕国では、国民所得に占める資本所得の比率が上昇しているとされます。資本とは不動産や株のことなどで、資本から得る所得が資本所得です。
富裕国であるアメリカ、ドイツ、イギリス、カナダ、日本、フランス、イタリア、オーストラリアの各国の資本所得の推移によると、国民所得に占める資本所得の比率が増加しているのです。
ところで、『21世紀の資本』では、膨大なデータを分析した結果、「資本収益率(r)はつねに経済成長率(g)より大きいという不等式が成り立つ」と主張されます(r>g)。これはどういう意味なのでしょうか。
世界の貧富の格差を是正するには?
ピケティによれば、従来、格差問題は、経済成長によって解決すると思われていましたがそうではありません。経済成長を期待して、資本主義を放置すれば、ますます格差が拡大するというのです。
私たちは、会社に就職して給料を得るのが普通です。特に働いているときにまず目指す目標は「高収入」でしょう。働くことによって、収益を増やす。そうすれば、生活は豊かになる。これが従来の考え方でした。
しかし、時代は変わってきたようです。ピケティによると、長期的にみれば、「資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも大きい」とされます。
極論すれば、いくら働いて高収入を得ても、土地や株などに投資して不労所得を得るほうが、断然儲かるというわけです(高収入でも消費してしまったらダメ……)。
資本から得られる収益率が経済成長率を上回れば上回るほど、それだけ富は資本家へ蓄積されます(資本を持つ人は、経済が成長するよりも迅速に、自分の資本を増やすことができる!)。
世の中は大雑把に分けると、資産家とその他になります。資本を持っていれば勝ちで、なければ負け(諸説あり)。実際に、富が公平に再分配されないことによって、貧困が社会や経済の不安定を引き起こしているわけです。
金持ちは様々な金融商品に投資し、有利な資産運用ができます。インフレ対策として、資産を土地、株、貴金属などに分散投資することもできるのです。金持ちはますます金持ちになり、貧乏人はますます貧乏になる。こんな世の中は不公平では?!
では、ピケティは身を粉にして働くことをやめて、不動産投資や株投資をしろといっているのでしょうか。そうではありません。この世界の貧富の格差を是正するために、「累進課税の富裕税」を、世界的に導入し、資産の再分配をすることを提案しているのです。政府が庶民をなんとかサポートしてくれることを期待するしかありません。
人生で役に立つこと
ピケティの格差是正の方法は、累進課税の所得税をより強めよということ。この書の主張の逆張りをして、株や不動産やビットコインなどへの投資を勧めているわけではありません。
ピケティに関して私(江戸庄蔵)のコメント
資本家も人間ですから必ず死ぬということです。死ねば、日本の場合には高率の相続税がかかるので、富裕層の資産の一部が税金を通して再分配されます。しかし、それには時間がかかるので、もっと即効性のある方策が必要でしょう。また、欧米の場合には、寄付という形で一部が低所得者に再分配されますが、十分な金額にはならないようです。