日本の確定拠出年金の現状2021年

確定拠出年金が最優先

私は、自分の子供達にも資産運用のアドバイスをしていますが、その優先順位は、

  1. 確定拠出年金(企業型選択制、企業型、イデコ)
  2. NISA、つみたてNISA
  3. 積立投信、投信の任意買付

です。

選択制確定拠出年金が最も有利

確定拠出年金は、歴史のある大企業は、確定給付年金との併用が多いようですが、比較的新しい企業は、退職金や確定給付年金のない選択制確定拠出年金が多いようです。私は、この選択制確定拠出年金が最も有利だと考えています。

選択制確定拠出年金(選択制DC)とは、退職金または給与等を原資として、前払い(また は従来通り給与等)で受取るか、DCに拠出するか、従業員が自ら選択できる制度です。

65歳の時に1億23百万円

この制度を導入している場合には、限度額いっぱい(55,000円が多い)を外国株式インデックスファンドで運用することが最も有利です。23歳から65歳まで限度額の55,000円(年間66万円)を拠出して、6%の利回りで運用すると、65歳における資産額は、123,755,001円になります。

年齢 資産額(単位:円)
23 660,000
24 1,359,600
25 2,101,176
26 2,887,247
27 3,720,481
28 4,603,710
29 5,539,933
30 6,532,329
31 7,584,269
32 8,699,325
33 9,881,284
34 11,134,161
35 12,462,211
36 13,869,944
37 15,362,140
38 16,943,869
39 18,620,501
40 20,397,731
41 22,281,595
42 24,278,490
43 26,395,200
44 28,638,912
45 31,017,246
46 33,538,281
47 36,210,578
48 39,043,213
49 42,045,805
50 45,228,554
51 48,602,267
52 52,178,403
53 55,969,107
54 59,987,254
55 64,246,489
56 68,761,278
57 73,546,955
58 78,619,772
59 83,996,958
60 89,696,776
61 95,738,582
62 102,142,897
63 108,931,471
64 116,127,359
65 123,755,001

私は、自分の子供などに、この方法を実行させています。しかし、そのような運用をしている人は少ないようです。確定拠出年金統計資料
(2021年3月末)のデータで現状を確認しましょう。

元本確保型のみは32.1%

企業型拠出年金を元本確保型のみで運用している者の割合は、2021年3月現在で32.1%です。今から20年前には約9割が元本確保型を選択していたのですから、当時よりはかなり改善していますが、それでもまだ損をする人が多くなりそうです。

企業型確定拠出年金の年代別1人あたり資産額

⇒60歳以降の資産額は451万円と低額ですが、その理由は外国株式インデックスファンドに投資せずに、元本確保型などの低リターンの投資方法を選択しているからだと思われます。

年代 資産額(万円)
10代 5
20代 27
30代 97
40代 224
50代 408
60歳以降 451

企業型拠出年金 年代別商品選択割合(2021.3末)

⇒預貯金と保険は元本確保型です。60代では、約6割の人が元本確保型を選んでいます。私は今から20年前に確定拠出年金を始め、全額低コスト株式インデックスファンドで運用した結果、元金600万円が、現在では2000万円を超えています。

年代 預貯金 保険 国内株式型 国内債券型 外国株式 外国債券型 バランス型 MMF その他 処理待機資金
10代 37.1% 11.3% 7.8% 5.3% 7.8% 3.4% 25.0% 0.0% 1.0% 1.3%
20代 33.7% 10.3% 9.9% 5.1% 14.1% 3.5% 21.7% 0.0% 1.2% 0.4%
30代 29.0% 10.1% 12.8% 5.3% 17.3% 4.4% 19.5% 0.0% 1.4% 2.0%
40代 28.7% 11.7% 14.0% 5.4% 14.2% 4.4% 20.1% 0.0% 1.2% 1.0%
50代 33.3% 14.1% 13.0% 5.3% 10.7% 3.8% 18.7% 0.0% 1.0% 2.0%
60歳以降 38.0% 20.0% 11.9% 4.1% 8.2% 2.9% 13.7% 0.0% 0.9% 0.4%

投資信託等の選択状況

パッシブ・アクティブ比率(2021.3末)

⇒パッシブとアクティブという言葉の印象から、アクティブの方が良さそうに思う人がいるかもしれませんが、経費がアクティブなだけで、選んではいけない銘柄なのです。パッシブ(インデックス)ファンドを選びましょう。

国内株式型 国内債券型 外国株式型 外国債券型 バランス型
パッシブ アクティブ パッシブ アクティブ パッシブ アクティブ パッシブ アクティブ パッシブ アクティブ
資産額(億円) 11350 10136 7521 1010 15463 4793 5658 894 23804 7047
割合 52.8% 47.2% 88.2% 11.8% 76.3% 23.7% 86.4% 13.6% 77.2% 22.8%
10代 56.4% 43.6% 84.2% 15.8% 77.5% 22.5% 84.4% 15.6% 78.5% 21.5%
20代 57.6% 42.4% 86.0% 14.0% 78.2% 21.8% 85.0% 15.0% 76.7% 23.3%
30代 56.3% 43.7% 88.2% 11.8% 78.3% 21.7% 86.1% 13.9% 77.3% 22.7%
40代 52.8% 47.2% 88.1% 11.9% 76.8% 23.2% 86.1% 13.9% 76.4% 23.6%
50代 52.2% 47.8% 88.6% 11.4% 75.4% 24.6% 86.7% 13.3% 77.7% 22.3%
60歳以降 50.7% 49.3% 85.9% 14.1% 73.9% 26.1% 86.1% 13.9% 76.7% 23.3%

個人型確定拠出年金

資産額

⇒一人当たりの資産額は、まだ100万円程度ですが、これについても外国株式インデックスファンドが有効です。

(単位:万円) 2017.3末 2018.3末 2019.3末 2020.3末 2021.3末
資産額 138,141,664 162,254,151 189,769,956 216,729,407 297,053,387
一人当たり 144 115 106 98 112

掛金額

⇒制約が大きい制度なのですが、できるだけ限度額いっぱいを掛けたいものです。

(単位:万円) 2017.3末 2018.3末 2019.3末 2020.3末 2021.3末
掛金額 5,461,265 11,396,936 18,350,000 24,073,453 30,272,483
一人当たり 15 17 18 17 17

年代別一人当たり資産額

⇒私のように、低コスト外国株式インデックスファンドで運用すれば、長期的には一桁多い資産額となるでしょう。

(単位:万円) 一人当たり資産額
10代 3
20代 23
30代 53
40代 85
50代 161
60代 352
70代以上 373

個人型年金商品の選択割合 2021年3月

⇒右側の預貯金と保険に掛けてはいけません。全額を外国株式型インデックスファンドに掛けるべきです。