AIで生活が変わる

日本財団は2023年8月、ChatGPTなど文章や画像を作ることができる「生成AI」をテーマに 57回目の18歳意識調査を実施しました。

生成 AI の認知度・利用状況

対象1000人のうち90%近くが生成AIを「知っている」、40%近くがテキスト生成AIを中心に使用経験がある、と答えているほか、使用経験のない人の約60%も「使ってみたいと思う」としています。

使用目的は「暇つぶし」が60%を超え、「学校の宿題や職場で使う資料の文書を手伝ってもらうため」も40%近くに上っています。ただし夏休みの課題・宿題に限ると生成AIを「活用した」人は「予定」も含め、全体の10%に留まっています。

私も生成AIを使っていますが、5年後10年後には仕事のやり方が大きく変わる予感がします。

ビル・ゲイツはどう考えているかについて、2023年12月16日のCNBC makeitの記事を読んで見ましょう。

Bill Gates says today’s software is still ‘pretty dumb,’ but believes AI will ‘utterly change how we live our lives’


ビル・ゲイツ、今日のソフトウェアはまだ「かなり間抜け」だが、AIは「我々の生活を全く変えてしまう」と確信

友人にバーチャルにお金を送ったり、食べ物を玄関先まで注文したりと、コンピューターやモバイルのアプリケーションによって、私たちは多くのタスクを昔よりも速く簡単に達成できるようになった。

しかし、ここ数年の急速な発展にもかかわらず、マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツは、今日のソフトウェアはまだ「かなり間抜け」だと考えている。

「Microsoft WordやGoogle Docsを使ってビジネス企画書を作成することはできても、メールを送ったり、セルフィーを共有したり、データを分析したり、パーティーのスケジュールを組んだり、映画のチケットを買ったりすることはできない」と、この億万長者は書いている。

現在、私たちは通常、飛行機の予約や銀行口座の確認など、単一のタスクを完了するためにアプリを使っている。しかしゲイツは、今後5年以内にAIがさまざまなアプリの使用を不要にするだろうと予測している。

ゲイツは、あなたがAIエージェントを持つ未来を思い描いている。AIエージェントは、自然言語を処理して反応し、さまざまなタスクを遂行できるソフトウェアの一種である。あなたはAIエージェントに何かを依頼するだけで、AIエージェントはあなたの仕事、私生活、興味、嗜好などについてあなたがAIエージェントに共有した情報に基づいて、あなたのために何かをすることができるようになる。

「今後数年で、オンラインでもオフラインでも、私たちの生活様式は完全に変わるでしょう」と彼は言う。

ゲイツは旅行の計画を例に挙げる。通常であれば、ホテル、航空券、レストラン、その他のアクティビティを自分で予約することになる。しかし、AIエージェントは、あなたの好みの知識を使って、あなたに代わってそれらの予約や購入を行うことができる。

「AIエージェントは、あなたの興味や冒険の傾向に基づいて、やるべきことを勧め、あなたが好きそうなタイプのレストランを予約してくれる」と彼は書いている。

AIの課題

しかし、AIが活躍する未来を迎えるまでには、克服すべき課題がいくつかある。ゲイツが予想する課題をいくつか挙げてみよう:

  • AIエージェントが、あなたのプライバシーを犠牲にすることなく、あなたについて学習した情報を保存、検索、構築できるように、新しい種類のデータベースが必要になるだろう。
  • 企業は、人々が他のエージェントと相互作用するAIエージェントを1つ持つのか、それとも個人指導やセラピーなど特定のタスクを遂行するAIエージェントを作るのかを見極める必要がある。
  • AIエージェント同士が会話するための標準化された方法も必要だろう。

しかし、このような疑問は残るものの、ゲイツ氏は、AIエージェントが現実になるのはそう遠くないことであり、私たちがコンピューターやお互いにどのように接するかを一変させる可能性があると予測している。

AIの現在と未来

ゲイツの予測とは裏腹に、AIがすぐに完全に人間に取って代わることを心配する必要はないだろう。

ChatGPTのようなAIチャットボットは印象的ではあるが、人間レベルの知能を実現するのは何年も先のことだと、グーグル傘下のAIスタートアップDeepMindの創業投資家であるHumayun Sheikh氏は5月にCNBCに語った。

IBMによれば、ほとんどのタスクを人間と同等かそれ以上にこなせるAIを指す「人工知能(artificial general intelligence)」、つまりAGIを作るのに必要な技術が今のところないからだ。

「AGIはまだ存在しない。AGIをどのように創造するか、そして創造できるかどうかさえ、コンピューティング業界では激しい議論が続いている」とゲイツは3月のブログ投稿で書いている。

今のところ、”ナローAI “と呼ばれるものがある。例えば、IBMによれば、あなたが過去に観たり読んだりしたものに基づいて、あなたが好きそうな映画や本を推薦するようなものだ。

しかし、テクノロジーが発展し続けるにつれて、AIシステムの学習方法を支えるアルゴリズムもまた、より良くなり続けるだろう、とゲイツは3月に書いている。

「私たちは、AIが成し遂げられることのほんの始まりにすぎないことを肝に銘じるべきです。AIが今日持っている限界は、いつの間にかなくなっているだろう。」