運用益は都心の新築マンションの価格で表していますが、毎月1億円以上の物件を抽出して、その中で最も金額の近いものを例示しています。最近はマンション価格が高騰しているので、今回は149件がリストアップされました。
アメリカの株かもバブル気味のところはありますが、最近の都心マンションもバブルのような気がします。日米の株価が上昇して、それを元に購入しているのでしょうか?
不動産バブルを経験した60代、70代の人達は、いずれ不動産価格は下がると言い、経験していない30代、40代の人達は、これからも上がっているとみているようです。
平均価格「1億円」突破! 東京23区の新築マンション高騰の理由とは? 価格ランキングとあわせて背景を解説
東京23区の上半期新築マンションの平均価格が、ついに1億円を突破しました。1億円を突破したのは初めてであり、不動産業界を中心に衝撃が走っています。なぜ23区のマンション価格は、そこまで高騰しているのでしょうか。 本記事では東京都の昨今のマンション事情について解説します。
東京23区の新築マンション価格が1億円を突破!
マンションの市場調査を担う不動産経済研究所によると、2023年1月から6月の東京23区新築マンションの平均価格が、初めて大台となる1億円を突破しました。
平均価格は1億2962万円で、1年前と比較すると60.2%上昇しています。東京都内のマンション価格が高騰したのは、一体どのような理由があるのでしょうか。
■新築マンション価格が高騰した背景とは?
新築マンションの価格が高騰している主な理由として、建築資材価格と人件費の高騰が挙げられます。
特に建設業界の技能者の減少など、人手不足による人件費の高騰は深刻な状態です。就業志願者が不足しているだけでなく、就業者が現場で戦力になるまでの育成コストもかかるため、人件費の上昇傾向は長期化すると見込まれています。
また、円安傾向が続いていることによって海外投資家の日本の物件購入が増加していることも、国内新築マンションの平均価格の高騰につながっています。
このほか、新しい生活様式「テレワーク」の普及による住み替えニーズの高まりや、富裕層向けの高額物件の売り出し増加なども、新築マンションの平均価格高騰の主な理由として考えられています。
東京23区内の新築マンション平均価格ランキング
ここからは、不動産・住宅情報サイトを運営する株式会社LIFULL(ライフル)が行った「東京23区の新築マンション平均価格」の調査結果を見てみましょう。区単位の平均価格のランキング結果は図表1のとおりです。 図表1
図表1
株式会社LIFULL LIFULL HOME’Sが東京23区の新築マンション平均価格を区単位で調査
ランキングを見るとトップ3は港区と千代田区、そして新宿区。平均価格3億6038万円で1位に輝いた港区は、高級住宅地である麻布エリアや南青山を擁し、高級感のあるエリアとして知られています。
2位の千代田区は皇居や国会議事堂、官庁などの首都機能が集中しており、都心ながら落ち着いた住みやすい環境が人気を集めています。また、3位の新宿区は歌舞伎町などの繁華街がある一方で、西新宿エリアの再開発もあって高級タワーマンションが増えているのが特徴です。
4位の目黒区や5位の中央区なども含め、上位エリアは23区の中でもビジネス・住居・娯楽のすべてにおいて便利な立地であり、いずれも生活していくのに事欠かないところです。
なお、平均価格では港区がもっとも高いものの、平方メートル単価を見ると千代田区が267万円/平方メートルでもっとも高くなっています。さらに、前年からの伸び率でいうと、再開発の進む新宿区が港区や千代田区よりも躍進しており、高騰している区ごとに特色があることも分かります。
東京23区の新築マンション価格はどこまで上がり続けるのか
東京23区の新築マンション価格の上昇は、建築資材や人件費の高騰によりまだまだ収まりそうにありません。マンション価格高騰を抑えるためには建設業界の抱えるコストの問題を、官民一体となって少しでも解消する必要があるでしょう。
日経ビジネス
2023年5月18日
価格高騰が続く住宅。物件を購入する際に一番気になるのが、将来的に「資産価値」がどうなるかだ。マンション動向のウオッチを続ける有名ブロガーでマンションアナリストの、のらえもん氏に聞いた。
――ここまでのマンション価格の高騰について、どんな印象を持っていますか。
「一言で言うと、私を含めて今マンションが高いと思うのは、可処分所得が減った上に円で見ると労働価値が安くなっただけじゃないでしょうか。僕らの稼ぐ円が世界的に弱くなって、でも原材料費などが高騰したから、高く感じるようになったのでは」
「で、これが続くのかどうか。基本的にインフレが続いている時にマンションだけがデフレになることは、ほぼないのではないかと。買えない人がいるといっても、特に都心のマンションは、世の中の上位2%の人が買ってくれればそれでいいですから」
「私のところに相談に来る人達の中には、20代後半とかで世帯年収が1500万円の人たちがいます。世間的には上澄みかもしれませんが、その人たちが買ってくれればデベロッパーとしては問題ない。なぜなら首都圏のマンションは、毎年8万戸とか10万戸を供給した時代と比べると今は供給量が3分の1か4分の1ぐらいの市場規模になったからです」
「それに、結局は用地取得費が高止まりしている限り、新築マンションは(価格を)下げることはないんじゃないかなと。いいとか悪いとかの価値判断は別として、です。私はもっと安くなってほしいですよ。だって買い替えられないですから(笑)。とはいえ今は本当に上澄みの層だけが買っている感じで、ギリギリだとは思います」
「買える値段はある程度みんな決まっているのに、この高い価格で売り出さないといけないのはデベロッパー自身も苦しいでしょう。そういう制約から解き放たれたプロジェクトをたまに見かけると、楽しいだろうなと思います。この意味で『晴海フラッグ』は夢があるなと思いました。もちろん駅から遠いし、大規模ですが、だからこそ、デベは企画を頑張るのです。設備もよくて、魅力的な物件です」
「これからも、タワマンの計画や再開発があるところは基本的には価格が上がるでしょう。マンションの供給戸数全体は減って業界が縮む傾向にあるので、デベロッパーは一つのプロジェクトあたりの、戸当たりの、利益率を高めようとしています。そうなると価格は高くせざるを得ない。そして一カ所、新築で莫大な広告費をかけた物件が登場すると、周辺の物件価格もなだらかに上がっていく効果があります」
――世帯年収1000万円以上の世帯はまだまだ存在する、と。
「まだいます。『晴海フラッグの供給戸数があまりにも多いから、需給が緩んで相場が下がる』と言っていた評論家がいましたけど、どうでしたか? 全然下がりそうにはありません。晴海フラッグは3年かけて約4000戸(分譲部分)の供給量です。首都圏のマンション供給は年間2万戸あるわけですから、3年間で見れば6万戸の市場規模です。晴海フラッグの比率は10%もいかないと見ることもできます」
――高すぎて需要がしぼむことはないでしょうか?
「もちろん、その土地に住む人によって、エリアのアッパー(価格上限)は決まっています。マンションは一般的に8割ぐらいを周辺住民が買って、残り2割を移住者が買います。その8割の人に見向きもされない価格だと売るのに苦労します。埼玉県川口市に全戸1億円のマンションを建てても多分ついていけないでしょう。確かに、今くらいが上限のような気はします」
「おそらくデベロッパーが一番分かっているでしょう。この価格ならついてきてくれるというマーケティングをきちんとした上でマンションを売り出しているはずです。昔みたいにどんどん作ってどんどん売るみたいなどんぶり勘定の感じはない。1戸1戸をどうやって高く売るか、考えに考えた人たちが売っています。かつてと比べると、デベロッパーは戦略のレベルがものすごく上がっている印象です。特に僕が普段ウオッチのために訪れるのは、『メジャー7』と呼ばれる大手デベロッパーが手掛けるクラスの物件です。気合と根性で売る会社とは、別の世界なのかもしれませんが、少なくともメジャー7に関してはそういう枠組みで開発をして、逆算して売っていると思います」
――ではこれから「下がる」「負ける」立地は。
「日本人しか住まないエリアは正直、この先も値上げしていくのはもう難しいかな、と思います。今までは都心からの交通の便によって中心部から郊外までなだらかに地価が下がる形でした。途中には中核になる駅やブランド力のある市がありました」
「特に郊外エリアで日本人が入れ替わらないところは、これから団塊世代の大量相続が発生します。安くなったからといって、海外の人達が買わないエリアです。僕も郊外で生まれ育ちましたが、コンビニが潰れて老人ホームだったりマッサージ店になったりしています。一番危ないのは、都心への直接乗り入れがなく、枝のようにわかれた路線の沿線。郊外でさらに駅からから10何分離れたようなところから、元気がなくなっていくのかなと」
「よく話すのは米中西部デトロイトの事例です。産業が衰退して全盛期の半分ぐらいの人口になって空き家が増加しました。空き家が増加するエリアで住宅価値が暴落する半面、人口が集中して地価が上がったエリアもあった。つまり、全体の人口が縮小するエリアでは、人は、より集中して集まろうとする、ということではないでしょうか」
「ちょっと離れた閑静な住宅や田園風景が見える場所を求める人はいるでしょうが、周りがだんだんいなくなると寂しくなって、結局もっと人がいるところに住もうとするんじゃないかな、と」
――下がるのは買う余力がなくなるから、ではなさそうですか。
「ほぼ交通利便性が理由になるでしょう。交通利便性のみで人が集まる場所と、交通利便性かつエリアの中心部だった駅周辺は基本的には安泰だと思います。現時点で都心に近いのに放置されているエリアがあるとすればそれなりに理由があるのではと感じます」
――外国人の需要もずっと支え続ける、と。
「思います。東京って世界都市ですから。そういう意味では安いのでしょう。台北とかの方が高い。僕らはずっと日本円で生活しているから、億ションが高いと思うかもしれないけど、外貨建てで考える人はそんなふうに思っていません。10数年前、リーマン・ショックの前後や、もしくは東日本大震災の後みたいなタイミングで、サラリーマンが頑張れば都心に買えた時代が幸せだったんですよ」
――ウオッチされているのはマンションとのことですが、郊外に移り住む動きについてはどう見ていますか。
「どうしても住宅を買いたいと思うのは、実は人生の中で限られた期間しかない。結婚したとか子供が生まれたとか、子供がちょっと大きくなってきたとか、そういうタイミングで強烈に買いたいと思うのです。その時に買えるマンションがなければ、移り住むしかない。それが、数千人とか2万人くらいの単位で起こっているのが多分、今です」
「これが毎年10万人規模で東京から住宅購入適齢期の方が流出しているとなったら、また雰囲気が変わるのかなとも思いますが、1万人とか1万5000人とかだと、まだ大きなうねりといえる規模ではないと思います」
「また、郊外で年収1000万円の仕事があれば話は別です。でも結局のところ、高い収入を得られるチャンスが都心にしかないから中心部の住宅が高くなっているわけです。そして、もう旦那の1人の稼ぎでマンション買う時代じゃない。夫婦合わせて2馬力で買う時代です。子供を保育園に預けて、郊外に家を買い45分か50分電車に揺られて通勤したとして、会社に着いたところで『熱が出ました、戻ってきてください。30分以内で』と保育園に呼び出されても戻れませんよね。そうなると、どちらかが完全リモートにするか、失職するか、転職するしかない。でも、郊外で転職するといっても高い収入を得られる正社員の仕事が極端に少ない。共働きが前提の値付けをしても郊外では、職という受け皿がない」
「今からマンションを買う人は賢いから、めちゃくちゃ考えるし、メルカリが当たり前の世代です。メルカリの取引を考えると、これ買ったら何年後になんぼで売れるっていうのを常に意識しています。だからこそ郊外では買いづらい」
――転売前提は、今の世代の人にとっては当たり前、と。大変だと思うのは旧世代の感覚だと。
「転売というか、ステップアップを考えていますよね。子供がいて、転園・転校をしてもしょうがない、と考えていらっしゃる方が多い」
――最近の物件の傾向というか、驚きはなんでしたか?
「十条駅前のザ・タワー十条が坪450万円というのを聞いて当初は『ありえない』、と思いました。それでも、今改めて見ると、だんだんそうでもなくなってきて、ついに『坪450万なら安いのでは?』と思い始めてしまった、この相場観が怖いです」
「これから月島に住友不動産の大規模タワーができますが、きっとこのエリアの価格を引き上げることになると思います。住友不動産の物件が月島徒歩5分勝どき徒歩9分でこの値段だったら、他のマンションは『うちももうちょっと上げてもいいんじゃないの』となるでしょう。その価格設定で売り切ってしまう住友不動産がすごいという面もありますが」
「みんな自分の人生が特別であってほしいと思うでしょう。住宅あるいは車ってそうした特別感を演出できるんです。売るデベロッパーはそういう部分がうまいんじゃないかなと。羽沢横浜国大駅の近くの物件も価格は高いですが、新横浜への交通利便性で、押せるんじゃないかと思います。流山おおたかの森駅周辺だって、雑木林と果樹園のど真ん中にできたのに結局は街になってます。似た感じになるんじゃないでしょうか」
「葛飾区の立石駅とか、江戸川区の小岩駅周辺もまだまだ建ちます。(東京の)東のエリアが再開発としてはこれから多いですね。大宮駅についても東口で大きな開発していますし、注目しています」