何年投資を続ければマイナスにならないか? 1

何年持ち続ければ安全か?

投資で資産を増やすには、バイ・アンド・ホールド(Buy and Hold:買いっ放し)が良いと言われています。何年持ち続ければ、資産がマイナスにならないで済むのでしょうか。

S&P500

伝説的投資家ウォーレン・バフェットが、最も勧めるS&P500の場合を調べてみましょう。

4年に1回は翌年にマイナス

データは1957年から2020年までの年末の64年間の数値です。対前年がマイナスになったのは全部で17回、全体の27%ですから、4年に1回はマイナスになるということです。

10年に1回は10年後にマイナス

10年持ち続けるとどうでしょうか。7回マイナスですから、10年に1回の割合でマイナスになるということになります。

年末終値 対前年増減率 対10年前増減率 対15年前増減率 対20年前増減率
1957 39.99 -14.31
1958 55.21 38.06
1959 59.89 8.48
1960 58.11 -2.97
1961 71.55 23.13
1962 63.1 -11.81
1963 75.02 18.89
1964 84.75 12.97
1965 92.43 9.07
1966 80.33 -13.09
1967 96.47 20.09 141%
1968 103.86 7.66 88%
1969 92.06 -11.36 54%
1970 92.15 0.1 59%
1971 102.09 10.79 43%
1972 118.05 15.63 87% 195%
1973 97.55 -17.37 30% 77%
1974 68.56 -29.72 -19% 14%
1975 90.19 31.55 -2% 55%
1976 107.46 19.15 34% 50%
1977 95.1 -11.5 -1% 51% 138%
1978 96.73 1.71 -7% 29% 75%
1979 107.94 11.59 17% 27% 80%
1980 135.75 25.77 47% 47% 134%
1981 122.55 -9.73 20% 53% 71%
1982 140.64 14.76 19% 46% 123%
1983 164.93 17.27 69% 59% 120%
1984 167.24 1.4 144% 82% 97%
1985 211.28 26.33 134% 129% 129%
1986 242.17 14.62 125% 137% 201%
1987 247.08 2.03 160% 109% 156%
1988 277.72 12.4 187% 185% 167%
1989 353.4 27.25 227% 415% 284%
1990 330.22 -6.56 143% 266% 258%
1991 417.09 26.31 240% 288% 309%
1992 435.71 4.46 210% 358% 269%
1993 466.45 7.06 183% 382% 378%
1994 459.27 -1.54 175% 325% 570%
1995 615.93 34.11 192% 354% 583%
1996 740.74 20.26 206% 504% 589%
1997 970.43 31.01 293% 590% 920%
1998 1229.2 26.67 343% 645% 1171%
1999 1469.3 19.53 316% 779% 1261%
2000 1320.3 -10.14 300% 525% 873%
2001 1148.1 -13.04 175% 374% 837%
2002 879.82 -23.37 102% 256% 526%
2003 1111.9 26.38 138% 300% 574%
2004 1211.9 8.99 164% 243% 625%
2005 1248.3 3 103% 278% 491%
2006 1418.3 13.62 91% 240% 486%
2007 1468.4 3.53 51% 237% 494%
2008 903.25 -38.49 -27% 94% 225%
2009 1115.1 23.45 -24% 143% 216%
2010 1257.6 12.78 -5% 104% 281%
2011 1257.6 0 10% 70% 202%
2012 1426.2 13.41 62% 47% 227%
2013 1848.4 29.6 66% 50% 296%
2014 2058.9 11.39 70% 40% 348%
2015 2043.9 -0.73 64% 55% 232%
2016 2249.3 10.05 59% 96% 204%
2017 2673.6 18.87 82% 204% 176%
2018 2506.9 -6.24 178% 125% 104%
2019 3230.8 28.88 190% 167% 120%
2020 3756.1 16.26 199% 201% 184%
減少年数 17 7 0 0

1950年代、1960年代は好調

第2次世界大戦で、日本やヨーロッパのような被害を受けなかったアメリカは、50年代、60年代の経済は比較的良好でした。しかし、宇宙開発やベトナム戦争で債務が膨らむとともに、日本やドイツなどの戦後の復興が目覚ましくなって、業種によっては厳しい時代に入ります。

1970年代、アメリカの株は死んだ

1970年代は、アメリカの株は死んだと言われる時代になり、対10年前増減率が4回もマイナスになりました。

ブラックマンデーでも黒字

1980年代になると、インフレ抑制のために高金利政策を取り、景気が安定しました。1987年にはブラックマンデーが起きましたが、それまでの10か月間に十分上昇していたので、年末は前年比プラスでした。

ITバブル、リーマンショック

2000年からはITバブルがはじけて、3年連続前年割れとなりましたが、それまでにバブルが十分にありましたから、対10年前増減率は一度もマイナスになりませんでした。リーマンショックの影響は大きく、増減率は、-38.49%ですから、この表で最大の下落率です。2008~2010年の対10年前増減率は3年連続赤字でした。

15年保有なら赤字にならない。

対15年前増減率と 対20年前増減率はマイナスが一度もありません。そうすると、10年ではマイナスの可能性があり、15年なら安全なのでしょうか。そうではありません。S&P500の年末終値には分配金が含まれていませんので、それを加味する必要があります。それについては、明日分析します。

<明日に続く>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です