要注意 リバースモーゲージとリースバック 上:リバースモーゲージ

リバースモーゲージとリースバックについては、問題視する人もいるようです。


ダイヤモンドZAi25年3月号

マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
「落とし穴だらけ!当てにしちゃダメ!リバースモーゲージ」


独立行政法人国民生活センターの記事を見てみましょう。


リバースモーゲージ

リバースモーゲージとは?

「リバースモーゲージ」とは、自宅に住み続けながら自宅を担保に毎月の生活費を借りるしくみ で す( 図1)。 「 リ バ ー ス = 逆 の 」「 モ ー ゲ ー ジ =住宅ローン」という名のとおり、通常の住宅ローンとは逆に、借入残高が徐々に増えていく商品です。銀行や信託銀行、地方銀行、信用金庫などの一部の金融機関のほか、自治体が福祉サービスの一環として扱っています(後述)。利用できる年齢は「55~84歳」「60歳以上」「70歳以上」など高めに設定されています。

商品のしくみは金融機関によって異なり、融資タイプも、定期的に定額の融資を受ける「年金型」、まとまった金額を一括して借りる「一括融資型」のほか、決められた金額の範囲で随時利用する「自由融資型」などがあります。

図1リバースモーゲージのしくみ

 

資金使途については、通常、老後の生活資金や自宅のリフォーム・建て替え資金、医療・介護費(有料老人ホームの入居一時金など)、レジャー費、生涯学習費など自由ですが、事業資金や投資資金としての使用は禁じられています。また、住宅金融支援機構と金融機関が提携して提供している【リ・バース60】については、使途は住宅の建設・購入、リフォーム、住宅ローンの借り換えなどに限定され、生活資金には充てられません。活用法としては、老後の生活資金や介護資金の補てん、リフォーム工事の資金だけでなく、定年後に残る住宅ローンをリバースモーゲージで完済し生活を安定させるというケースも少なくないようです。

不動産の立地は、首都圏・関西圏・主要都市などに限定されていることが多く、一定評価額以上の戸建て住宅が中心となっています(マンションも対象となる場合がある)。また、利用の条件として推定相続人全員の同意や連帯保証人を立てることを求められる場合もあります。

月々の返済は、利息分のみか、あるいは生存※筆者作成中の返済は不要としている金融機関もあります。本人(配偶者が引き継いだときは配偶者)が亡くなったときに、相続人が返済するか、自宅を売却する、代物弁済するなどで元金または元利金を一括返済します。東京のある地方銀行が提供する商品では、担保物件を売却しても債務が残る場合は、銀行へ代物弁済することで完済とすることができ、相続人が選択します。

夫婦の場合、本人が亡くなった後も、配偶者が契約を引き継ぐなどして住み続けることが可能なものが多くなっています。ただし、金融機関によっては引き継ぐ段階で再審査があり、審査結果によっては利用できない場合もあります。

リバースモーゲージのメリットと注意点

金融機関によって異なる場合がありますが、メリットと注意点を整理します。

〈リバースモーゲージのメリット〉

  • ・自宅に住み続けながら、自宅を担保に融資を受けられる
  • ・「年金型」や「一括融資型」などニーズに合った融資が受けられる
  • ・年収要件はないか、あったとしても低め
  • ・生存中は返済がないか、あっても利息のみの返済で負担が軽い
  • ・本人が亡くなったときは、配偶者が契約を引き継ぎ住み続けることもできる

――生活資金を補う場合は定期的な受け取り、急な介護等で自宅のリフォームや有料老人ホームへの入居金が必要になった場合は一括で受け取るなど、ニーズに合わせて利用できる点は大きなメリットと考えられます。老後に金融資産が尽きたときの最後の砦とりでとなるでしょう。

〈リバースモーゲージの注意点〉

  • ・利用できる物件のエリアや評価額などに条件がある
  • ・本人と配偶者以外に同居人がいると利用できない
  • ・亡くなったときに家を売却して返済するため遺族に家を残せない
  • ・不動産の評価額は年1回程度見直され、利用限度額も変動する
  • ・利用限度額を超えて借りることはできない
  • ・金利変動リスクがある・リコース型の場合、相続人に負担が発生する可能性がある

――不動産の評価額は定期的に見直され、それに合わせて融資の利用限度額も変動します。多くが変動金利型のため、金利が上昇すれば返済額が増え、利用限度額が引き下げられるリスクがあります。利用限度額に達すると、以降は融資を受けられません。また、リコース型の場合、売却しても負債が残るときは、相続人に負担が発生するリスクがある点にも注意が必要です。

公的なリバースモーゲージ「不動産担保型生活資金」

不動産担保型生活資金(2009年9月以前の名称は「長期生活支援資金」)は、低所得の高齢者を対象とした福祉サービスの一環で行われている貸付制度です。自宅に住み続けながら、不動産を担保に生活資金を借りられます。実施主体は都道府県の社会福祉協議会で、市区町村の社会福祉協議会が窓口となります。、リースバックを中心にリースバックは通常、利用者の年齢に制限はありません。売却代金は一時金で受け取ることができ、使途も制限されません。対象となる物件はリースバック事業者によって条件等が異なります。エリアも対象物件も問わない事業者がある一方、主要都市や首都圏などにエリアを限定しているところがあります。対象物件は多くが戸建て・マンションとも可としていますが、中にはマンション限定としている事業者もあります(事務所や店舗、オフィスビルなど事業用不動産も対象とするところもある)。

世帯の構成員が原則65歳以上の住民税非課税世帯等の低所得者世帯で、土地評価額が一定額(1000万円、1500万円など自治体で異なる)以上の戸建住宅が対象です(借地借家は対象外)。貸付限度額は土地評価額の70%までで、ひと月当たり30万円以内の額を3カ月ごとにまとめて受け取ります。資金使途は原則、生活資金(住み続けるのに必要な修繕費用は借りられる)で、金利は年3%または長期プライムレートのいずれか低い利率です。

借受人が亡くなるか貸付元利金が貸付限度額に達するまでは継続的に貸付を受けることができます。貸付限度額まで借りると貸付は停止するものの、亡くなるまで自宅に住み続けることができます(ただし、貸付利子は発生する)。配偶者だけでなく、親や義理の親と住んでいる住宅でも認められます(子の同居は不可)。推定相続人の中から1人、連帯保証人を立てる必要があり、推定相続人の同意も必要です

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