iDeCo、確定拠出年金 2025年8月

確定拠出年金の評価額は過去最高になりました。

この額に、昨年受け取った160万円を加えると、約36百万円になります。

2002年当時、元金が6百万円でしたので、24年間で6倍になりました。

これだけ運用がうまくいった理由は、全額を外国株式インデックス・ファンドに投資したからです。

当時は、日本で金融危機があった後で、9割の人が銀行預金を選択したので、私の判断は変わっていたでしょう。しかし、厚生年金で必要最小限の生活はできるわけですから、確定拠出年金まで元本確保型にするのは安全に偏り過ぎです。全額外国株式インデックスファンドにするのは、バランス的に良い判断だと思います。

私は、自分の子供たちにも確定拠出年金を全額外国株式インデックスファンドにすることを勧めています。

2027年からiDeCoの掛け金増額


iDeCo増額で総投資額NISA超えも 「給与減額年金」より有利

2027年にはイデコの掛け金が増え、加入期間も延長となる

厚生労働省は個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)の掛け金増額時期について「2027年1月を目指す」とこのほど公表した。長期投資すれば総額は少額投資非課税制度(NISA)の非課税投資枠を超え、老後資産を増やしやすくなる。急増中の「給与減額型選択制企業年金」との比較にも今後関心が高まりそうだ。

自分の運用次第で将来の給付が変わるのが確定拠出年金(DC)。原則会社が掛け金を出す企業型と、原則個人が出す個人型のイデコがある。増額後のイデコの毎月の掛け金上限額は、企業年金がない会社員は現在の2.3万円から一挙に6.2万円に増える。

企業年金がある場合は6.2万円から「企業型DCと、会社が運用責任を持つ確定給付企業年金(DB)の会社掛け金の合計額」を引いた額が上限額になる。例えば会社掛け金の合計額が1万円と少なければイデコの上限は5.2万円だ。現在は会社掛け金が少なくても上限は2万円にとどまる。

掛け金は全額が所得控除の対象

イデコの掛け金は全額が所得控除の対象で、課税所得がその分減る。掛け金×その人の税率(所得・住民税の合計)が節税になる。例えば税率20%の人が年20万円を積み立てると年4万円の節税だ。

現在の加入(積み立て)可能年齢は自営業などは原則60歳未満。ただ国民年金の加入が40年になるまでは65歳未満まで国民年金に任意加入でき、その間はイデコも加入可能。厚生年金加入の会社員などは65歳未満までだ。

加入期間も延長

加入年齢も27年1月以降は全員、70歳未満までに延びる。条件は①イデコ活用の継続②イデコや老齢基礎年金を未受給――の2つだ。①は具体的には「すでにイデコ加入期間がある」または「企業型DCの資産をイデコに移した人」――だ。ただ27年以降3年間は特例として①の条件を満たさなくても新規加入できる。

要注意なのは②。延長したければ、27年より前もイデコを受給せず、基礎年金を65歳以降も繰り下げておくことが必要だ。厚生年金は受給しても延長可能だ。

増額と延長の効果は大きい。例えば増額・延長後に月6.2万円を35年間積み立てれば、総額は2604万円とNISAの生涯投資枠1800万円を大きく上回る。4%で運用できたと仮定し、運用益と節税効果(税率20%の場合)を加えた資産は6186万円になる。

急増中の「給与減額型選択制企業年金」にも影響

イデコ増額は急増中の「給与減額型選択制企業年金」にも影響を与えそうだ。これは給与の一部を対象に、そのまま給与でもらうか、企業年金の掛け金としてもらうか選ぶ仕組み。「ライフプラン手当制度」などとも呼ばれる。会社は掛け金負担なしで企業年金を作れる。「新規の企業年金導入の8割程度が給与減額型の選択制DC」という運営管理機関は多い。DBでも一部で拡大中だ。

加入者は掛け金を選べば将来の年金原資が積みあがる一方で給与が掛け金分減る。それに伴い税金だけでなく社会保険料も減りやすい。会社も折半負担である社会保険料を減らしやすい。福利厚生が狙いの企業が多いが「会社の社会保険料負担減が主な狙いの例もみられる」(運営管理機関)。

給与減額型で社会保険料が減れば、老後の厚生年金も減る。イデコは社会保険給付減は起きない。日本総合研究所の高橋俊之特任研究員は「年金減も含めて比較すべきだ」と話す。そこで税理士の柴原一氏に、拠出前の月額給与で30万円の場合は月2万円、月額給与が40万・50万円の場合は月3万円をイデコ、選択制ともに20年間拠出する場合の試算を依頼した。厚生年金の減少総額は、65歳の男性の平均余命約20年を前提とした。

いずれも税金・社会保険料の合計額の削減は、選択制が上回る。しかし「厚生年金の減額を含めるといずれもイデコが有利だ」(柴原税理士)。例えば給与が月50万円では総額でイデコが20万円弱有利となった。表にはないが、給与月50万円で30年拠出、年金受給期間を女性の平均余命約25年で計算すると、イデコの有利さは59万円へさらに大きくなる。

ただ加入者への影響は多様だ。厚生年金保険料は上限があり、給与月額63万5000円以上は一定。これを大きく超えれば、掛け金を選んでも年金保険料は減らず将来の年金減はない。税金減の効果だけ享受できる。一方、中小企業などで給与水準が低い場合、年金減の影響を受けやすい。他にも傷病手当金、失業給付、出産手当、労働災害などの給付も減る。「収入が低い場合はこうした給付減の影響は一層深刻になりやすい」(社会保険労務士の井戸美枝氏)

社会保険料減少は健康保険財政への影響も大きく厚生労働省は「本来の企業年金のあり方ではない」と給与減額型を問題視し続けてきたが有効な規制手段がない。

改めてメリットとデメリットの比較を

今は給与減額型選択制DCがイデコより掛け金を大きく設定できる。しかしイデコ増額後は、DB掛け金が極めて大きい少数企業では選択制の上限額が大きい経過措置が残るが「原則的に同額となり、掛け金の有利さは消える」(名古屋経済大学の谷内陽一教授)。

もちろん企業年金はイデコに比べ口座管理料がかからないなどの利点もある。ただいったん選択制の掛け金を選べば、減額は可能でも通常は掛け金を継続する必要がある。給与減額型選択制企業年金の導入を検討している企業も、導入済みの企業で掛け金を選ぶか検討中の会社員も、今後のイデコ増額を踏まえて改めてメリットとデメリットを比較したい。

マッチングも上乗せ容易に

本来は会社が掛け金を出す企業型DCだが「マッチング拠出」を導入した会社であれば、従業員が上乗せで掛け金を出すことができる。企業型DC導入事業所の2割強がこの仕組みを導入している。従業員が出した掛け金は全額が所得控除の対象で、イデコ掛け金と同じ節税効果がある。イデコと違って口座管理料が原則かからない利点もある。マッチング導入企業では従業員はマッチングかイデコかどちらかしか選べない。

現在は会社の企業型DCの掛け金を超えてはマッチング拠出できない。このため会社掛け金が現在のイデコの上限の2万円より小さければ、従業員の上積み可能額はイデコを下回ってしまう。企業型DC導入企業が制度を拡充しようとする際、マッチング制度より、従業員がより多くの掛け金を出せる給与減額型DCの導入を選ぶ要因にもなっていた。

法改正で26年4月からはマッチングで従業員が会社掛け金を上回る金額を拠出することができる。上限額は「月6.2万円から企業型DCとDBの会社掛け金合計を引いた額」となりイデコの上限額と同じになる。谷内教授は「給与減額型DC導入を検討していた企業が、今後はマッチング制度導入を選ぶことも増えそうだ」とみていた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です