◎今日のテーマ:都内の不動産資産家
財産を持つことによる不自由
ある本を読んでいたところ、次のような文章がありました。「彼女は巨額の財産を相続したために、自由を失ってしまった。この財産が無くならない限り、私は自由に戻れない。」という内容です。私には、このような経験がないので、「へー、そんなものかなあ。」と思いました。
バフェットの遺言は相続人を自由にする
アメリカの資産家ウォーレン・バフェットの資産総額は約9兆円で、そのうちビルゲイツ財団に99%を寄付するとしています。残りは1%しか残りませんが、それでも、900億円あります。900億円を相続すれば、いろいろな所から、寄付や投資の話が来るでしょうから、機先を制する意味もあって、バフェットは、資産運用方法を遺言に書いたのではないでしょうか。
遺言:「10%を短期国債に、90%を非常に低コストのS&P500(バンガード社を勧めます。)のインデックスファンドに投資することです。」
都内の周辺地域の元農家
私の親戚(血縁のある人、血縁の無い人)には、不動産の資産家が数名います。全員が、50年ほど前まで東京の周辺で農業をしていた人たちです。昭和30年代まで、新しい農薬の試験は世田谷区の篤農家が行っていました。昭和40年ごろまで、杉並区方南町では、西瓜を作る農家もいました。練馬区、江戸川区などには、広い農地がありました。
不動産を守るために不自由になる
私の遠い親戚の中には、不動産や金融資産を身内に相続させるために、親戚同士で結婚させようとたくらむ人もいます。あるいは、相続税を払うのが嫌なので、親戚を大勢連れてビジネスクラスで海外旅行に行く人もいます。こういう行動をする人のことを、財産に束縛されて自由になれない、というのかも知れません。
2022年問題
現在の生産緑地法は、1992年に施工されました。その指定を受けた土地は、30年の期限がくる2022年に、行政に買い取ってもらいたい人もいるでしょう。しかし、行政にそんなお金はありません。やむを得ず土地を売る人が出て来るでしょうから、土地の価格は、かなり下がるかもしれません。
節税のためのアパート経営
土地を売る人もいるでしょうが、アパートを経営して、固定資産税を払おうとする人もいるでしょう。その結果、東京周辺の不動産の賃料は、下がりそうです。私の自宅の周辺は、数年前までアパート建設が盛んにおこなわれていました。しかし、今はそのような建設は見当たりません。数年前にアパートを建設した人たちは、当時の賃料に基づいて採算計算したのでしょうが、今でもその水準で継続できる見込みはあるのでしょうか。
土地、アパート賃料の下落
土地やアパートの賃料の下落は、世田谷区や練馬区などで起こるでしょうが、それだけでなく、それよりも都心から離れた地域でも同時に起こるでしょう。そうすると、所有者にとっては大変ですが、マイホームを手に入れようとしている人にとっては朗報です。
不動産を買うタイミング
東京都の23区は2030年まで人口が増える一方で、それより外側は2020年をピークに減少すると推測されています。買う人にとっては、いつの時点で買うのが良いのでしょうか。投資信託は、毎月少しずつ積み立てて行くことができますが、不動産は、そうはいきません。どちらにしても、今すぐ買わずに、少し待った方が良いという人が多いようです。