VWO分配金支払い2020年4月

年間分配率は4.04%

野村證券からVWO(新興国のETF)分配金のお知らせが届きました。3月31日支払いの分配金は、一口当たり0.0581ドル、一株の株価が35ドルとすると分配率は0.17%でした。このETFの分配は年回4回あり、合計金額は1.415ドル、分配率は4.04%でした。最近1年間の分配率は通常3%台なのですが、今回は新型コロナウイルスの影響で株価が暴落したため、分配率が高めに出ています。分配金は1月が最も高く、次いで10月、6月と続き、3月の分配率が最も低くなっています。

交付日 VWO分配率(%)
2018/10/4 1.36%
2019/1/8 0.74%
2019/4/2 0.23%
2019/6/25 0.80%
2019/10/2 1.48%
2020/1/7 1.60%
2020/3/31 0.17%

3分の1の評価益が無くなる

VWOの株価チャートは次のグラフの通りです。最近では1月17日の45ドルが最も高く、その後30ドルまで急落しました。3分の1の価格が飛んでしまったことになります。

トータル・リターンは過去5年でマイナス

この結果、2020/03/31 現在のトータル・リターンも大幅に下落しました。年初来はもちろん、5年間のトータル・リターンも赤字です。設定日は15年前の2005/03/04で、この時点からはやっと4%台のプラスとなりました。

年初来 1年 3年 5年 設定来
基準価額(NAV) -24.55% -18.41% -2.75% -1.13% 4.47%
市場価格 -24.45% -18.23% -2.75% -1.11% 4.49%
ベンチマーク -24.18% -17.94% -2.52% -1.09%

中国中心のVWOの将来が気がかり

VWOに関しては気がかりなことがあります。それは、このETFの構成株式の3割以上が中国だということです。中国は今までのような経済成長を続けられるのでしょうか。いくつか問題を挙げてみましょう。

データの信頼性

中国の統計数字は実態を表していないということは、繰り返し言われています。その一例が李 克強指数です。中華人民共和国第7代国務院総理の李克強が総理に就任する前、遼寧省の幹部だった2007年に国内総生産(GDP)よりも信頼できる数値として挙げた「電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資残高」の3つをもとに作られた中国の経済指標です。

骨壺は公表死者数の8倍

新型コロナウイルス感染による死者が3月末の累計で2548人になったと発表されています。しかし、葬儀場8カ所のうち「漢口葬儀場」に出入りする運送業者によれば、2日間で計5000個以上の骨つぼを納入したとのことです。5000個が公表の2倍で、更に葬儀場が8か所あるので、単純計算で 2548✖2倍✖8か所=40768人ですから公表の16倍が実際の死者数ということになります。

一帯一路覚書締結したイタリア

イタリアは2019年3月、中国と「一帯一路」構想に関する覚書を締結しました。これによって、イタリアはG7の中で同構想に係る覚書を交わした最初の国となりました。イタリアは同構想に参画し、インフラ分野などでビジネス協力を展開するほか、中国からの投資増を促し、景気回復の一助とすることなどを狙っていました。

中国人移民と春節

欧米で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、最初に被害が発生したのがイタリアでした。イタリア北部では1990年代以降、中国人の移民が急増しています。2019年末から、1月下旬に始まる中国の旧正月である春節休みの時期に、中国系の移民が中国とイタリアとを行き来し、感染の引き金を引いたという説が有力視されています。

2002年のサーズ

2002年に発生したサーズも中国から発生されたとされていますが、今回の新型コロナウイルスは、まさに第2次大戦以来の被害をもたらしています。今後各国は新しい世界秩序、経済を構築し、その中で中国の位置づけは大きな問題になるでしょう。そして、各国とも、重要な物資、商品の中国依存を減らし、自国に引き上げたり他国に分散することになると考えるのが自然です。

VWOよりVOO

私は今まで、ETFの分配金を貯めておいて、新興国のVWOと米国のVOOのどちらのETFに投資するかを迷っていました。現時点での結論は、中国のウェイトの大きいVWOではなく、アメリカS&P500のVOOに追加投資しようと考えています。

次に、VWOの現時点の特徴を再確認したいと思います。

  • 名称:バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF
  • ベンチマーク:FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス
  • 経費率:10.12%
  • ETF純資産総額: 671.38億米ドル

投資アプローチ

  •  FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指します。
  •  インデックス・サンプリング法を用いたパッシブ運用です。
  •  ファンドは実質すべての資産をインデックスに含まれる株式に投資します。

市場別保有配分 上位10市場 (%)

中国     36.9%
台湾     14.7
インド    10.2
ブラジル   8.7
南アフリカ  5.3
ロシア    4.1
タイ     3.5
メキシコ   2.7
マレーシア  2.5
サウジアラビア2.2

純資産総額に占める上位10銘柄

アリババ・グループ・ホールディング
騰訊控股[テンセント・ホールディングス]
台湾積体電路製造 [TSMC/台湾セ
台湾積体電路製造 [TSMC/台湾セ
ナスパーズ
中国建設銀行 [チャイナ・コンストラクション
リライアンス・インダストリーズ
中国平安保険(集団) [ピンアン・イン
HDFC
中国工商銀行

カテゴリーETF

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です