近づかない方が良い金融商品2

◎今日のテーマ:近づかない方が良い金融商品2

昨日に引き続き、預金商品全体図のうち、左下の赤色の外貨預金の説明をします。

金融商品全体図

■ 緑:個人投資家にとって優良な金融商品

 黄:個人投資家にとって安心できない金融資産であり、注意深く動向を見て、できれば緑色の商品に変換した方が良い金融商品

 赤:元々購入すべきでなかったか、時代の変化についていけないで、コストが多大な商品

銀行の外貨預金

昨年、三井住友銀行の窓口で聞いた、外貨の扉<トビラ>という商品の説明を以下ご紹介します。

金利は年間平均0.8%

米ドルの場合、初回の特別金利が、2ヵ月もので年4.0%です。その後は、0.2%が適用されます。最初の2か月が過ぎて自動継続すると店頭金利で継続されますので、0.2%になります。最初の2か月が4.0%で、残りの10か月が0.2%だとすると、年間平均で0.8%になります。

為替手数料は、円→ドル0.5%、ドル→円1.0%

この外貨預金を始めるには、円をドルに変換する必要があります。通常の為替手数料は1米ドル当たり1.0円ですが、この商品に預け入れる場合の為替手数料は0.5円です。計算を簡単にするために、1ドル=100円とすると0.5%になります。もし、1年後にドルを円に戻すとすると、その時には1.0%の為替手数料になりますから、往復で1.5%になります。

1年の金利は0.8%

1年間の金利が0.8%なのに、為替手数料が1.5%もかかるのでは、0.7%の損になります。1年で引き出さずに、5年、10年と預けたままにすれば、為替手数料は下がります。しかし、0.2%の金利を稼ぐために、為替リスクを掛けて外貨預金をしようという気にはなりません。SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)やVOO(アメリカバンガード社のS&P500のETF)などの外貨ETFの利回りは8%ですので、外貨預金は金利面で魅力がありません。

外貨MMF

なお、銀行の外貨預金でなく、SBI証券の米ドルの外貨MMFの利回りは以下の通りです。為替手数料は、米ドルで片道0.25円、往復0.5%です。従って、銀行の外貨預金は、SBI証券の外貨MMFよりも、かなり損なので、預金商品全体図では、赤色にしました。

ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド 2.15%
ゴールドマン・サックス 2.01%
ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト 1.76%
ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド 1.75%

銀行の利用方法

銀行は、給与・年金の受取のための口座、クレジットカード・税金などの自動引き落とし、送金などに絞って利用した方が良いと思います。銀行の窓口では、投資信託・保険商品などを販売していますが、コストが多大なものや、コストがブラックボックスの中に隠れてしまっているものが多いので、用心が必要です。