家計の大きな支出にまつわる思いもよらぬ問題1

◎今日のテーマ:家計の大きな支出にまつわる思いもよらぬ問題1

新聞、雑誌などには、老後の対策として、マネープランのスケジュール表が掲載されることがあります。このスケジュール表には記載されていない、思わぬ支出や問題が発生することがあります。この件について過去の経験を列挙したいと思います。

1.マネープランの危うさ

私が勤めていた会社では、生涯の収入・支出に関する人生設計の研修を行い、その中でマネープランを作成しました。この研修は、金融・不動産バブルの発生前と発生後で、まったく異なった結果が出ました。バブル発生前は、「このままだと金融資産が増えすぎて、相続などの問題が発生しそうです。適度に使った方が良いでしょう。」という内容でした。しかし、バブル崩壊後は、同じ会社、同じ給与体系にいたのにもかかわらず、「このままだと、十分な老後資産を残せない可能性がありますから、支出を控えて老後に備えましょう。」というものでした。このように、お金に関する見通しは、ある前提を置いて計算するものなので、あまり、当てにしない方が良いようです。質素に生活して、状況に応じた生活が必要だと思います。

2.タワーマンション

バブルのピークの頃には不動産価格が高騰して、住宅は一生買えないかも知れないと心配したものです。現在は比較的手の届く範囲の価格ですが、せっかく購入しても、必ずしも満足していない場合があるようです。タワーマンションは子育てには適さないという記事を見ることがあります。特にタワーマンションの高層階に住んでいる子供は、学習塾で成績が伸びないそうです。都会ではなかなか自然に触れ合う機会が少ないのですが、それでも一軒家に住んでいれば、友達と遊ぶ機会があります。ところが、タワーマンションに住んでいる子供は、他の子どもと遊ぶことがあまり無いらしいのです。人間は感覚に刺激をあたえて鍛えないと、健全に成長しないようです。

3.アトピー、アレルギー、花粉症

清潔になり過ぎるとアレルギーになる

昭和の20年代初期までに生まれ育った人たちはには、アトピーアレルギー、花粉症になる人がほとんどいませんでした。その主な理由は、現代の日本人の生活が、清潔になり過ぎたことだと言われています。

寄生虫は人間の役に立っていた

日本人はもともと野菜を生で食べる習慣がありませんでした。ところがアメリカ進駐軍が日本に来て、生の野菜をサラダで食べました。そうすると、寄生虫がたくさんでてきて、不潔だとされました。その結果、寄生虫予防法が作られ、子供たちは、学校で全員検便・全員駆虫をさせられました。ところが、この寄生虫のおかげで、昔はアトピーや花粉症にならなかったというのが、現在の定説のようです。

O-157、抗菌グッズ

昭和後期から平成に時代にかけて、衛生観念が行き過ぎてしまって、抗菌グッズなどがどんどん売れるようになりました。しかし、そのような家庭に育った子供は、逆に病原菌に弱くなったとのことです。O-157の被害が出た時に、様々な病原菌にさらされて育った下町の子供は、何の被害もなかったそうです。家畜を飼育している農家の子供たちは、日ごろから様々な細菌に接しているので、とても元気に育つそうです。子供を育てる環境をそこまで選択することはできませんが、タワーマンションを選ぶかどうかは慎重な検討が必要かもしれません。

(明日に続く)