近づかない方が良い金融商品5

今日のテーマ:近づかない方が良い金融商品5

昨日に引き続き、金融商品全体図のうち、左から2番目の生命保険のうち、赤色のがん保険などを説明をします。

金融商品全体図

■ 緑:個人投資家にとって優良な金融商品

 黄:個人投資家にとって安心できない金融資産であり、注意深く動向を見て、できれば緑色の商品に変換した方が良い金融商品

 赤:元々購入すべきでなかったか、時代の変化についていけないで、コストが多大な商品

がん保険

がん保険は、入院、手術の給付金が保険の対象です。がん保険は、医療保険のうち、がんに特化した保険ですから、医療保険同様に、入るメリットはあまり有りません。ところで、癌になると、会社を辞めさせられるリスクもあるので、がん診断一時金が支給されます。しかし、ここでも健康保険が登場します。傷病手当金が支払われて、かなりの収入を確保できます。また、この保険には、「粒子線(重粒子線・陽子線)治療」の先進医療特約というものがあります。ただし、この治療は2017年に3900人、新規癌患者の0.4%に過ぎません。この少ない確率のために、がん保険をかける意味があるのでしょうか。それは、事後にならないと分からない問題です。実は、私の知り合いに、がんを発病する直前に、この保険に入って、補償額の300万円を受け取った人がいるので、驚きました。

がん保険は連れ合いの趣味

私は、還暦を少し過ぎていますが、55歳の時に、一つの保険を残して、他はすべてやめました。その一つの保険である、がん保険だけは、残っています。私は止めたかったのですが、連れ合いが、どうしても残すと言ってきかないのです。その後2回ほど、議論(けんか?)をしましたが、どうしても止めないというので、がん保険だけは、連れ合いの趣味だと割り切って、残しています。年間4万円の出費です。そのうち4分の1はアフラックの事業費になりますから、1万円は戻ってきません。連れ合いが、趣味に1万円を使ったと思うようにしています。

介護・認知症保険

要介護状態に該当した場合に年金や一時金が支給される保険です。介護は、健康保険と同様、基本的に国が制度として取り組む問題です。現在も、地域コミュニティーの力を借りながら解決しようと取り組んでいます。それがうまくいくかどうかは、まだ分かりませんが、今から、遠い将来の話を民間の生命保険で、カバーしようとしても、雲をつかむような話だと思います。それよりも、その資金をETFやインデックスファンドなどに投資して、10年後、20年後の事態に備える方が、現実的で賢い対応だと思います。

健康増進型保険

保険に入った後に、どのような生活を送るかに応じて、あるいは健康状態に応じて、保険料を再計算する保険です。医療保険の一種ですから、この商品に保険料をかけるよりは、その資金を投資に回した方が効率的だと思います。

終身保険

死亡保障が死ぬまで続くので、相続税対策になるとされています。しかし、その実態は、死亡・高度障害の保障や積み立て金の両方で保険会社が得をする商品ですので、お得では有りません。10年の期間があれば、それをETFやインデックスファンドなどに投資して、運用した方が相続税を払っても、得な場合が多いと思われます。

長寿保険

死亡保障を行わずに、中途解約した場合の返戻金を少なくし、長生きした場合の給付額を増やす保険です。ここまで来ると、複雑なのと、将来どうなるのかよく分からないので、コメントしようがありません。しかしはっきり分かることは、保険会社の社員の給料を、契約者が払うことになるということです。一方で、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)やニッセイ外国株式インデックスファンドの運用管理費用(信託報酬)は0.11%程度ですから、こちらに投資して老後に備えた方が、効率的な気がします。

貯蓄性保険、外貨建て保険、変額保険

仕組みが複雑だったり、コストが高かったり、そもそもコストがブラックボックスの中にあるので、判断しようがない商品が多いようです。このような商品が良いかどうかを検討するのであれば、自分に合ったETFやインデックスファンドを検討した方が意義があると思います。