アメリカ株式ETFの来年の狙い目6

株式やETFに関して来年の狙い目は何でしょうか、という記事が雑誌を賑わす季節になりました。フォーチュン(Fortune)誌の記事を参考にして考えてみたいと思います。以下はこの記事の拙訳です。昨日の続きです。

新興市場:中国、インド、東南アジアは、中間層の時代

MSCI新興国指標は13.5%

アジアは貿易の緊張が高まり、またアジアに商品を輸出する企業が業績悪化になりそうです。そういった企業の多いヨーロッパの景気後退が近づきつつある中で、国際的経営をする企業は厳しい経営をしています。アメリカ株が標準よりも低い成績を残した後、10月末の株価収益率は、S&P500が22.3倍だったのに対し、MSCI新興国指標は13.5%でした。

市況は循環している

しかし、このような動きは「循環している」と思いだすことは賢いと、フィデリティ投資国際成長ファンド・マネージャーのジェド・ワイスは言います。「12年前、私がこの成長ファンドを立ち上げた時、国際株のせいで米国株はひどい目に合った。」とワイスは言います。「もし、恐ろしい記事の見出しから目をそらして、根本にある株式のことだけを考えれば、たくさんの価値を手にすることができる。」と付け加えます。

金融サービス業

投資に関する一つの考え:新興市場における人口動態の変化を利用する金融サービス企業の株価を買う。中国、タイ、マレーシアなどの国々の国民がますます中間層に入るにつれ、香港に本社を置くAIAグループなどの国際的保険会社は、利用できる立場にあります。様々な市場において、「市民は欧米で享受しているような社会のセーフティーネットの恩恵にあずかっていない」とワイスは言います。AIAは過去12か月間で株価が30%上がっていますが、何十年にもわたって市場に身を置き、ブランド名が知れ渡っているおかげで、立派な業績を残してきました。

銀行も人口動態を利用

銀行も新興市場において望ましい人口動態を利用してきました。インド最大の民間部門のHDFC銀行は、まだ公共金融機関が支配している国内市場で、大躍進を遂げてきました。小切手口座、貯蓄口座、住宅ローン、カーローン、クレジットカード、個人ローン、事業ローンなど、消費者向けや商売人向けの商品を取りそろえています。その甲斐あって、まだ銀行口座を持たない大勢の人口を抱えた国の中で、HDFCは良い立場にあります。「彼らは低コストのビジネスモデルを持っていて、余分な支店や従業員を抱えていない中で、市場シェアを増やしていくことができました。」とHDFCのことを、ボントベルのベンケンドルフは言います。「インド自体は、投資対象として大きな国だ:人口動態や会計的・法的体制は良好だ。一般的にはうまく長期成長を遂げられるはずだ。」

海外株式は売られ過ぎか?

長引く景気低迷と、貿易に関する緊張悪化によって新興市場株式は痛手を受けました。回復を期待する投資家もいます。

黒い線:MSCI新興国指標(トータル・リターン)

茶色い線:S&P500(トータル・リターン)

アリババは今後も好調

アリババ・グループは、世界ビジネスにおいて非常にめざましい成長の一つを遂げました。中国経済が弱点を見せ始めましたが、世界最大の小売業は抜群の実績を残し続けています。過去1年で売り上げは43%増加し、素晴らしい業績を続けると予想しています。アリババ子会社でアリペイを運営するアント・フィナンシャルは、急成長しているモバイル決済分野に、会社として本格的に乗り出しています。

頼れる上場投資信託

遠方のマーケットの個別株式を選ぶことに不安がある人にとって、頼りになるのが外国に的を絞った上場投資信託です。

  • アイシェア・コア・MSCI・トータル・インターナショナル株式(IXUS)
  • バンガード・FTSE・オール・ワールド・米国を除く(VEU)

分散投資・加重平均・低コスト

この2銘柄が、国際株式に焦点を絞ったファンドの中で、モーニングスターの評価がトップです。モーニングスター・アナリストのダニエル・ソティロフによれば、両ファンドは、先進国と新興国の両方にわたって分散投資していて、「時価総額を加重」つまり、大きな企業が強調されて変動が少なくなりやすくなっています。しかも、手数料は「目にする中で多分最も安い」とソティロフは言います。両銘柄の年間の費用は資産の0.09%、つまり投資額10,000ドル当たり9ドルです。「両銘柄は、現在のファンドの中で比較的良い成績だ。手数料が低いということは重要な問題だ。」

大胆な賭け

日本の株価は低すぎる

日本では、近年コーポレート・ガバナンス規程に沿うように徹底した変化があったおかげで、リターンが改善されてきました。「日本は先進国の中で株価が低く評価されている可能性が最も高い場所だろう」と、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのファンダメンタル・株式の共同経営者ケイティ・コックは言います。

日本電産

ニデック(日本電産)は先進的な考えに基づいて、将来電気自動車の大量生産に不可欠になりうる電気モーターと関連部品に関し、日本市場でリスクをとっています。2021年3月末の年度で、一株当たりの売上高は14%は、利益は44%増加すると見込まれています。しかも、これらの数値はEM市場の成長によって加速しうるのです。

狙い目

AIAグループ

HDFC銀行

アリババグループ

iShares・コア・MSCI・トータル・インターナショナル株式

バンガード・FTSE・オール・ワールド・米国を除く

日本電産