評価益1千万円
連れ合いの評価益がほぼ1千万円になりました。
投資開始直後の暴落
この折れ線グラフをご覧になればわかると思いますが、2007年に投資を始めて、リーマンショック直後の2009年には投資額が半分以下に落ち込んだのです。ただし、その頃の投資元本は1080万円でした。投資していないお金は、全てメガバンクの普通預金に預けていました。リーマンショックによって、文字通り精神的ショックを受けた連れ合いは、不機嫌になり、私に文句を言いました。(それはそうでしょう。私が投資を勧めたのですから。)
損切と買戻しは有効か?
連れ合いは、「ETFをいったん売って、もっと安くなったら買い戻す。」と言い始めたのです。それに対して私は、「それで儲かるなら、世界中の人が株で儲けられる。株は上がったり、下がったりするのだから、何もせずに置いておくのが一番だ。」と、激論(喧嘩?)を何度も繰り返しました。それから5年ほど、株式を売ることは無く、しかし、買うこともせずに時間が経ちました。
追加購入を始める
そのうち、日本銀行の異次元金融緩和政策が始まり、日本の株価は上昇し始めました。株価が上がり出すと、人間は買いたくなるようです。2013年と14年に、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)306とSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)を合計で1100万円買いました。また、USMMFなどの外貨MMFも1500万円買いました。そして2015年にようやく黒字に転換したのです。この8年間は長く暗い道のりでした。2017年からはSPYではなくVOO(バンガード社のS&P500のETF)を買うようにしました。
今月までに高級車2台分近い運用益が出ています。結局この12年間、一回も株を売らず、保有し続けたのです。いわゆる「買いっぱなし」、連れ合いの言い方だと「買いっぱ!」です。バイアンドホールドですね。
日米の株式ETFを50:50
連れ合いの保有銘柄は、
- 1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)
- SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)
- VOO(バンガード社のS&P500のETF)
の3種類だけです。つまり、日米の株式ETFを半分ずつ保有していることになります。このポートフォリオは、一つの有力な形だと思います。私の場合は日米だけでなく、ヨーロッパ(VGK:バンガード社のETF)、新興国(VWO:バンガード社のETF)、オーストラリア(ASX:ステートストリート社のETF)も持っていて、世界に分散させています。私のポートフォリオも有力だと思います。
6千万円は1億円になるか
連れ合いの資産は現在約6千万円ですが、先日、「1億円になるかなあ?」と聞いたので、「なると思うよ。」と答えました。今後10年の間になるだろうと思っています。ただし、現在がバブルで、それが破裂した場合にはなりません。バブルというのは、その時にはわからず、後になって初めて分かるものです。
ハイパーインフレ対策
しかし、私と連れ合いが国内国外の株式ETFに投資しているのは、資産運用で利益を上げたいというよりは、将来のハイパーインフレに備えて、金融資産を外国に逃避させるのが最大の目的なのです。
1100兆円を超える借金
国・地方合わせて1100兆円を超える借金をしているのに、政府は12月上旬にまとめる経済対策で、財政支出を10兆円超とする調整に入ったそうです。伊藤 隆敏(コロンビア大学教授、元東大教授)は、「今日生きているから明日も生きているわけではない。」と財政赤字に警鐘を鳴らしています。今の国会議員の動きを見ていると、自分が次の選挙に勝てばよい、10年後、20年後はその時のことだ、というように見受けられて仕方がありません。
警鐘を鳴らさない日本
財政赤字の問題は日本だけが抱えているわけでは有りません。アメリカも深刻です。しかし、アメリカでは、パウエルFRB議長や共和党の有識者が警鐘を鳴らしています。それに対して、日本にはそのような人が政界、日本銀行に見当たりません。伊藤隆敏教授は数年後に危険な状況に陥ると警告していますが、もしかすると十数年後になるかもしれません。遅れることは良いことではなく、借金が大きくなるので、余計にひどいインフレになるだろうと思います。
財政再建しない政治
現在の与党も野党も、財政再建に手を付けそうも有りません。野党は10年前に政権を奪取した後、財政再建に取り組もうとしましたが、お金をばらまこうとする自民党に敗北しました。その結果、現在は与野党とも財政再建を避けるようになりました。
国民は自力でインフレ対策
与党にも野党にも頼ることができない状況では、国民は自らインフレ対策をしなければなりません。
資産を世界に分散
有力な方法は、自分の金融資産を外国に逃避させることです。アメリカも財政問題を抱えていますが、それに比べて日本は圧倒的にひどい状態にあります。世界で安全な国は、2回の世界大戦でハイパーインフレに苦しんだ経験のあるドイツでしょう。
( ドイツの通貨インフレ )しかしETFによる投資という観点からは、世界に分散させる必要があるので、アメリカを中心に考えざるを得ません。そしてできるだけ広い世界に分散させるしかないと思います。
戦後のハイパーインフレを忘れた日本
国は国民の生命・財産を守る、と政府は言いますが、第2次世界大戦後20000%のハイパーインフレになって、国民の保有していた国債と預金などの財産は紙切れになったのです。
( 終戦直後の小売物価指数 )
戦後、預金封鎖、新円切り替えにあたった渋沢敬三(渋沢栄一の孫)大蔵大臣は、「よく焼き討ちされなかった」と昭和30年代に述べています。彼は、高税率の財産税の臨時徴収等により、インフレーション対策と戦時中に膨らんだ国債等の国家債務の整理に当たったのでした。終戦直後は食べるものもほとんどなかった時代でした。当時ハイパーインフレで苦しい思いをした人たちは、ほとんどなくなりました。また、戦争、被爆、大空襲を語る人はいますが、ハイパーインフレはなかなか聞く機会がありません。
財務省や日本銀行のOBは退職金を外貨に換える
今、ハイパーインフレを恐れている人たちはごく一部のようです。財務省や日本銀行のOBは、退職金を外貨に換えているそうです。「今、ハイパーインフレになっていないから、10年後もならない。」という理屈は成り立ちません。今回、「真水」で10兆円規模の経済対策をすることになるのであれば、また一歩ハイパーインフレに近づくように思えます。