連れ合いの運用実績2020年5月:運用益は高級車2台分以上に相当します。

連れ合いの運用益は月末ベースで5月に過去最高になりました。運用益は高級車2台分以上に相当します。最近は、連れ合いの機嫌がよくなってきました。

2007年に投資開始、直後にリーマンショック

2007年の初めに、私が連れ合いに、1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))とSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の購入を勧めたのが、連れ合いの投資経歴のスタートでした。2007年の末までには、サブプライム問題が浮上し、株価は下がり始めました。連れ合いが、「下がっているけど、大丈夫なの?」と繰り返し私に問い詰めましたが、私は「株は上がったり、下がったりするものだ。」と繰り返しました。しかし、翌2008年9月15日にリーマンショックが起こり、半年後の2009年3月に底をつけて、株価は半値になりました。株式ETF購入を勧めた私は、その後長い間連れ合いから責められました。まあ、当然でしょう。

2014年に初めての運用益

2012年から株価が戻り始めましたが、運用益が出るまでには、更に2年の月日が必要でした。黒田東彦氏の日本銀行総裁就任は2013年3月で、異次元金融緩和政策が始まったころから、連れ合いの運用益(損)が改善してきました。

黒田総裁のボヤキ

話しは、少し脱線しますが、黒田氏は、2013年の異次元緩和と2014年10月31日の黒田バズーカ2のさく裂によって、2%インフレが実現すると考えていたようです。しかし2020年になっても、2%インフレは遥か彼方の目標のままです。数年前、彼は「教科書通りにはいかないものだ」と嘆いたこともありました。

コロナショックで異次元金融緩和政策問題は矮小化

この7年間の黒田異次元緩和政策の結果、金融政策の出口はどんどん遠くなっているようです。黒田氏は窮地に追い込まれているようです。しかし、今回の新型コロナウイルス騒動で、過去7年間の金融政策の問題が希薄化しているようです。つまり、新型コロナウイルスの問題に比べて、異次元金融緩和政策問題は小さなことなので、黒田氏の責任が矮小化されたのではないかと思います。そういう意味では、黒田氏は運のよい人ではなかったでしょうか。

後始末をするのは日本国民

しかし、異次元緩和とコロナショックの後始末をするのは、日本銀行でも、日本政府でもなく、日本国民だということになりそうです。その被害がどれ程大きいか、また、いつ実現するのか、は分かりません。また、日本国民といっても、全員に一率の負担が割り当てられるわけではなく、負担の多い人と少ない人はいるはずです。負担として考えられるの以下の通りです。

① 増税

今回の新型コロナ騒動で、ウイルス感染者の命の方が国債残高増加抑制より大事だということで、財政出動を実施しました。これ自体は、国内の世論、世界各国の政策から見て、やむをえなかったと思います。ただし、正しかったかどうかは不明です。ところで、日本において問題だったのは、今回の財政出動ではなく1990年代末ごろから延々と続いている国債増発です。ドイツなどの先進各国は、今まで我慢に我慢を重ねて赤字国債を増やさなかったのです。今まで国債を乱発しなかったから、今回の赤字国債発行が許されるのです。日本は、過去の分まで含めて増税を行わなくて済むのでしょうか。それは、新型コロナ騒動が落ち着いた頃、今から5年後ぐらいの問題です。

② 金融引き締め

今回のようなウイルス騒動では、復興のための建設ラッシュは起こらず、自粛生活が続くのでデフレになりそうです。一方首都直下型、南海トラフ地震は、高い確率で今後数十年の間に起こると言われています。もし、そのような地震が起これば、今まで、個人、企業が貯めてきた預貯金を引き出して、建築ラッシュが起こる可能性があります。そうすれば、インフレが発生し、金融を引き締める必要が出てきます。

③ 財政縮減

インフレが発生した場合には、緊縮財政を行わなければならず、国民にとっては非常に厳しい状況になりそうです。

④ 資産減少

インフレが発生すれば、それが2%程度の穏やかなインフレであれ、5%、10%という激しいインフレであれ、現金、預貯金は目減りします。連れ合いの運用実績は、7年間元本割れし、その後の6年間は運用益が発生しています。しかし、もし今後インフレが発生した場合、それによって減少した資産の実質価値が元に戻ることは無いでしょう。もともと、黒田日銀総裁の実施した異次元金融緩和は、国民の資産を毎年2%ずつ減少させるインフレ税の導入を目的としていたのですから、国民の資産の実質価値が元に戻るようなことはさせないでしょう。

⑤ 不況

1990年代末から長年にわたって、少しずつ良い思いをしていたツケを払う時期が、今回の新型コロナウイルスで一層差し迫って来たようです。その時には、インフレだけでなく、とても厳しい不況も伴う可能性があります。

指数20の壁を乗り越えたか?

もとに戻って、連れ合いの運用実績の2015年以降のグラフを見ます。2015年以降の運用益は、指数で0~20の間にいましたが、その間3回20の壁にぶち当たって跳ね返されました。そして今回初めて、指数で25になりました。2016年以降は少しずつ上向いているような傾向にも見えますので、期待したいものです。しかし、株価も人生も、いつになっても終わりのない中間評価ですね。