つみたてNISAナビ 10

<昨日の続き>

「つみたてNISAナビ」商品比較表の信託報酬が安い商品の内容を確認しています。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

この商品は、低コストの第7位にランクインしました。『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019』でも、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー 三菱UFJ国際投信に次いで、第2位になりました。また、純資産総額でも第8位のeMAXIS Slim先進国株式インデックスを抜いて1000億円台に到達しています。

今回は、eMAXIS Slimシリーズを代表して、この銘柄を見てみましょう。

■ファンドの目的

S&P500指数(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果をめざします。

■ファンドの特色

特色1  S&P500指数(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざして運用を行います。

・S&P500指数(配当込み、円換算ベース)をベンチマークとします。
・ファンドの1口当たりの純資産額の変動率を対象インデックスの変動率に一致させることを目的とした運用を行います。

特色2 主として対象インデックスに採用されている米国の株式に投資を行います。

・対象インデックスとの連動を維持するため、先物取引等を利用し株式の実質投資比率が100%を超える場合があります。

特色3 原則として、為替ヘッジは行いません。

■ファンドの仕組み

・運用は主にS&P500インデックスマザーファンドへの投資を通じて、米国の株式に投資するファミリーファンド方式により行います。

■分配方針

・年1回の決算時(4月25日(休業日の場合は翌営業日))に分配金額を決定します。
・分配金額は委託会社が基準価額水準、市況動向等を勘案して決定します。ただし、分配対象収益が少額の場合には、分配を行わないことがあります。

■ファンドの費用

  • 購入時手数料 : ありません。
  • 信託財産留保額  :ありません。
  • 運用管理費用(信託報酬):年率0.0968%(税抜 年率0.0880%)

基準価額と純資産総額

6月12日までの推移は次のグラフの通りです。

基準価額は2月に、12,861円のピークを付けた後、3月には急落して8,432円まで下がりましたが、現在は11,000程度まで回復しています。

純資産額は幾何級数的に上昇しているように見えます。S&P500というインデックスの分かりやすさ、透明感、ウォーレン・バフェットの推奨などの影響があるかもしれません。それに加えて、アメリカ企業、特にナスダックを中心とした企業の成長力が影響しているように思えます。

組入上位10銘柄

銘柄 業種 比率%
1 MICROSOFT CORP アメリカ ソフトウェア・サービス 5.3
2 APPLE INC アメリカ テクノロジ・ハードウェア・機器 5.1
3 AMAZON.COM INC アメリカ 小売 3.8
4 FACEBOOK INC-A アメリカ メディア・娯楽 2.1
5 ALPHABET INC-CL C アメリカ メディア・娯楽 1.6
6 ALPHABET INC-CL A アメリカ メディア・娯楽 1.6
7 JOHNSON & JOHNSON アメリカ 医薬品・バイオテクノ・ライフ 1.5
8 BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B アメリカ 各種金融 1.4
9 VISA INC-CLASS A SHARES アメリカ ソフトウェア・サービス 1.3
10 JPMORGAN CHASE & CO アメリカ 銀行 1.2

ALPHABET INCは、CL-AとCL-Cの2銘柄があります。CLとはクラスのことです。クラスには、A、B、Cの3種類があります。

ALPHABET INC-CL A :1株あたり1議決権を持つ株式

ALPHABET INC-CL B :1株あたり10の議決権が付与で、主に創業者が保有

ALPHABET INC-CL C :議決権のない株式

今年の前半を振り返って

今年は2月ごろから新型コロナウイルス騒動が発生しましたが、インデックス業界においても大きな動きがありました。

① eMAXIS Slimシリーズ時代の到来?

『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019』で、トップ5のうちeMAXIS Slimシリーズが4銘柄を占め、このシリーズ時代の到来かと思われました。「業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続ける ファンドがあることを。」標榜しています。また、投信ブロガーとの交流を積極的に勧めたことも効果的だったと思われます。2013年に圧倒的低信託報酬の「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、それに比べると、及び腰という印象があり、影が薄くなってきました。

② <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドのコスト引き下げ

ところが今年1月に発表された『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019』の会場で、ニッセイの信託報酬が「0.1%を切る」と発表したのでした。いよいよニッセイも、本腰を入れて巻き返しを図って来たなと思いました。自分の子供に、この銘柄を推奨した私としては、ありがたいと思いました。

③ 野村スリーゼロ先進国株式投信の発売

2月になると野村が、信託報酬ゼロの新製品を発売しました。ゼロは、最低水準であり、これ以上安くはできないでしょうから、信託報酬引き下げ競争は、これで終止符を打ったのではないでしょうか。ただし、この商品には制約条件もあるので、今後は別のサービス競争の時代に移っていきそうです。