初心者のための長期投資のコツ2

<昨日の続き>

アメリカ人と日本人の老後資金は20年前は2,000万円ずつで同額でした。しかし、今、日本人は相変わらず2,000万円ですが、アメリカ人は6,000万円と、3倍になりました。その理由は何でしょうか。昨日に引き続き、アメリカ人の投資のコツを勉強しましょう。今日は2020年7月20日のUSA TODAYの記事をもとにします。以下は拙訳です。

コツ第2条:成長するものを選ぶ

貯蓄と投資は大きく異なります。投資は、潜在的リターンを刈り取るために、何らかのリスクを取ります。

例えば、モーニングスターによると、アメリカの大型株式は複利を生んで、2018年までの93年間で、年率10%のリターンがありました。それに引き換え、20年国債は年率5.5%、30日財務省短期証券は年率3.3%です。その間、大型株に1ドル投資していれば7,030ドルに増え、それに対し、長期国債なら142ドル、財務省短期証券なら21ドルでした。

「歴史的に見て、株式市場への投資は、現金で持っているより効率が良い」と、ファイナンス・デミシティファイドの創設者、ドミニク・ブロードウェイは言います。

コツ第3条:401(k)に集中する

もし就職し経営者が401(k)老後プランを提示したら、必ず加入することです。数十年後に働くのをやめた時に必要な資金を、定期的にためる簡単な方法です。

401(k)の利点の一つは、給料の一定額を老後貯蓄口座に直接、自動的に貯めることで、このプランには様々な投資の選択肢を提供しています。従来の401(k)掛け金は税引き前の給与から当てられるため、課税額は低くなります。もう一つのメリットは、ほとんどの経営者が、マッチング掛金によって、401(k)にお金をかけてくれることです。

「私が最初にするのは、若い投資家が新しい職に就いた時に、401(k)プランが何を提供しているか、マッチングとは何か、を正確に確認することだ。」とブロードウェイは言います。

理想的には、会社のマッチング限度額一杯に401(k)をかけるべきです。

フィデリティの調査研究によると、会社のマッチングの平均は4.7%でした。「会社のマッチングは、老後貯蓄口座に追加の給料をもらっているようなものだ」とデュクエスネイは言います。

コツ第4条:単純にする

正しい株式や投資信託を選ぶ方法の手掛かりはないのでしょうか。分散型ポートフォリオを作る方法は?心配しなくて良いですよ。

ほとんどの401(k)プランは「目標期日」ファンドを提供しています。これらのファンドはすべての仕事をしてくれます。証券を分散し、年齢に応じてあまりリスキーにならないようにするだけでなく、株式や債券等個別の投資を選んでくれます。

「目標期日ファンドは、最初の投資としては素晴らしい」とブロードウェイは言います。

これらのファンドの仕組みは以下の通りです。働くのを止めるであろうと考える年を、目標年として選びます。例えば、もし今から30年後に引退する計画なら、「2050年ファンド」に投資します。自分の引退目標期日が近づくにつれ、変動のより大きな株式の割合を引き下げ、債券や現金等、より安全な投資対象に資金を移すことによって、ファンドのリスクの度合いを引き下げるのです。

「個別のファンドを選んだり、それぞれのファンドの掛け金をいくらにしたいかを、全部自分で決める必要はなく、代わりにやってくれる」とデュクエスネイは言います。

コツ第5条:自分の貯蓄を自動操縦させる

してはいけないことは貯蓄を明日まで延期することです。先延ばしを避けるためには、長期投資を自動操縦させることだと、ニューヨーク市のウェル・ファーゴ・アドバイザーズのファイナンシャル・アドバイザー、スコット・ペドビスは助言します。

「投資を自動化することだ」とペドビスは言います。もしもまだ、職場で給与天引きの401(k)で自動的に貯蓄していないのなら、当座預金口座から引き落としがされ、毎月あらかじめ決めた日に投資口座に移すような仕組みにしておくのです。

「そうすれば強制的に貯蓄され、投資しているという気持ちが無くなる」とペドビスは言います。さらに自動貯蓄は市場の売買の頃合いを探ろうとする誘惑に囚われず、まさにちょうどよい時に買って売ることができるのですが、これは難しいことです。

コツ第6条:一つのバスケットにすべての卵を入れるな

テスラは永遠に電気自動車分野を独占するでしょうか?そうですねえ、もしそう考えていても、イーロン・マスクに全額を残らず投資してはいけません。

何故かって?もしそれが間違っていて、テスラ株が暴落した時には、資産損失を和らげるためのものが、ポートフォリオに無くなってしまうのです。広く多様性に富む投資をするという考えは分散化として知られます。リスクを分散させるために、様々な業種のたくさんの株式といろいろな支払利子の債券を持つファンドに投資する方が良いのです。

「分散化はリターンを保証することでも、変動をなくすことを意味するのでもないが、上下の変動をなだらかにする」とペドビスは言います。

<明日に続く>