確定給付年金の支払い通知

2か月1回の確定給付年金

確定給付企業年金の支払通知書が届きました。9月中旬の給付金額は13万円ですが、所得税1万円を差し引かれて12万円が振り込まれます。

  • 平成25年(2013年)以降の所得税額には、復興特別所得税が加算されています。
  • この「「公的年金等の雑所得」とみなされ、課税対象になります。なお、給付金額から源泉徴収した所得税額は、支払額に対する確定した税額ではありませんので、確定申告により他の所得と合わせて税額の過不足が調整されます。

受取最長期間を選択

私は確定給付年金を60歳から20年間にわたって給付する方法を選択しました。もっと短い期間や、一時金で受け取ることもできますが、2.5%の金利が付くので、できるだけ長期間で受け取るのが良いと判断しました。なお、受け取り開始時期は60才からに決まっていて、確定拠出年金のように70才、75歳まで遅らせることはできません。

リスクプレミアム

私の金融資産全体の年平均リターンは7%ですから、2.5%の金利しか付かないのは残物寂しい気もしますが、株式などと違って確定利回りですから、ある程度、リスクのある金融資産より金利が低いのはやむを得ません。それでは、どれほど低くても許容すべきなのでしょうか。確定利回り商品と株式とのリターン差をリスクプレミアムで測ります。

市場(マーケット)リスクプレミアム

市場リスクプレミアム = 株式市場リターンの期待値 ー リスクフリーレート

市場リスクを負うことによって得られる見返りのリターンの平均値(期待値)です。CAPM法で個別銘柄の株式資本コストを算出する際の重要な推定値です。

市場リスクプレミアムの代表的な推定手法
・ヒストリカル法・・・過去の株式市場リターンから推定
・インプライド法・・・市場価格から逆算
・サーベイ法  ・・・投資家や研究者からアンケート

ヒストリカル法によるリスクプレミアム推定の考え方

ヒストリカル法とは、市場の過去の長期的なリターンからリスクプレミアムを推定する手法です。実際に市場が過去に投資家に提供してきたプレミアムの平均的な値のことです。市場リスクプレミアムの平均値が安定的であり時間の経過に対して変化しないならば、長期的な計測によって統計的に正しい推定値が得られます。

2020年末までの日本市場のヒストリカルリスクプレミアム

それぞれの開始年から2020年末までの株式市場ヒストリカルリスクプレミアムの算術平均値です。計算期間が長期ほど標準誤差の範囲が小さくなり統計的な信頼性が高くなります。

リスクプレミアムは7%程度

青い線の返金プレミアムは、昭和30年代は7%程度で、資産バブルの1990年頃まで徐々に下がり2%以下に下がりました。チャイナショック、新型コロナショックの後には10%を上回ることもありましたが、おおむね一桁の後半にいるようです。リスクプレミアムが7%とすると、確定給付年金の2.5%と合計して9.5%になりますから、アメリカS&P500のトータルリターン10%とほぼ見合う数字になります。したがって、確定給付年金2.5%という水準には満足すべきなのでしょう。

3階建てと離れ

日本の年金制度は、全国民に共通した「基礎年金」を基礎に、「被用者年金」、「企業年金」の3階建ての体系となっています。しかし、それ以外にも民間の年金がありますから、それらをここでは「離れ(はなれ)」の年金と呼びましょう。

受取経験

私はこれらの年金のうち、離れの保険年金とイデコ以外はすべて受け取っています。ただし、厚生年金保険は加入期間が10年未満だったため、一時金を受け取って終了しました。これらの年金について、それぞれ一言だけ感想・経験を述べます。

離れ 財形年金
銀行などの保険年金
個人型確定拠出年金(イデコ)
3階部分【企業年金】 確定給付企業年金(DB)
厚生年金基金
企業型確定拠出年金(DC)
2階部分【被用者年金】 厚生年金保険
1階部分【基礎年金】 国民年金
  • 国民年金:大学生の時には掛け金を収めていなかったので、60歳以降も納め続けて480か月の満額に達しました。
  • 厚生年金:60歳から64歳まで、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受け取りました。
  • 確定給付企業年金:最長期の20年間受け取りを選択しました。また、勤めていた会社では責任者をしていました。
  • 厚生年金基金:私の加入期間が10年未満だったので一時金で受け取りました。その基金の役員をしていました。
  • 企業型確定拠出年金:全額を外国株式インデックスファンドで運用しています。受け取り開始年齢は75才にして20年間で受け取る予定です。退職後、運用商品の有利な証券会社に移換しました。
  • 財形年金:最近の利率は1%程度と非常に低かったので、財形年金を利用して失敗でした。
  • 銀行などの保険年金:私自身は利用していませんが、コストがブラックボックス化されているなど問題が多いので、利用しないことを勧めます。
  • イデコに関しては、私自身は利用できませんでしたが、税額控除の対象になるので、子供達には利用限度の最大額(55,000円、23,000円など)を外国株式インデックスファンドで運用するように勧めました。

まとめ

  • 確定拠出年金は、最大限度額まで利用し、個人型企業型とも外国株式インデックスファンドで100%運用する。また開始時期はできるだけ遅らせる。
  • 確定拠出年金、確定給付年金は、できるだけ長期の受け取りにする。
  • 財形年金、銀行などの保険年金は決して利用しない。