VTI:バンガード トータルストックマーケット ETF 2022年6月

厚切りジェイソンが、日経新聞に取り上げられました。その内容の一部を確認しましょう。


厚切りジェイソンさん「米国ETFの積み立てでFIRE達成」

――初のお金の本『ジェイソン流お金の増やし方』が電子書籍と合わせ43万部を突破したそうですね。ジェイソンさんは主に米国のETF(上場投資信託)「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」に積立投資されて資産を作ったということですが、投資との出合いは?

大学院を出てGEヘルスケアに入った時に、入社手続きの標準制度でインデックス型の投資信託や自社株を買う機会があったのが最初です。当時は今ほど知識はなく、一応父から401k(確定拠出年金)制度の仕組みや、投資では分散投資した方がいい、ということくらいは聞いてましたが。

――最初の頃はS&P500種株価指数に連動する投信で積み立てされていたそうですが、それも?

ずっと持っています。新しく買い増しするのはVTIに変えましたが、その前に買ったものは放ったらかしにしています。売らなければ税金を払わなくていいし。

――VTIに変更したのは、中小企業が含まれているからですか。

そうですね。時価総額の成長率でいうと、時価総額100億円の企業が1000億円になるのと、1兆円の企業が10兆円になるのは同じ10倍です。ただ難しさでいうと、中小企業の方が10倍を達成しやすいと思うんです。

――ジェイソンさんは個別株や暗号資産、不動産には投資せず、米国株ETFの長期の積み立てが中心です。時々「投資は怖い」と言う人がいますが、そういうやり方なら怖くないのでは。

僕も一時的に下がるのは気にしてません。一昨日かな、米国市場が下落してマンション1室分くらいの損が出たんですけど、売らなかったらただの数字ですよね。

過去のデータを見ると、米国株の場合は金融ショックがあっても3年くらいで元に戻りますね。そして下がってる時もずっと計画通り買い続けてたら、その間に買った分が加速して増えるからね。

――ドルコスト平均法の強みです。

父はリーマン・ショックの時に狼狽売りして、後悔してました。僕はそれを見ていたので今回のコロナショックでは売却しないで済んだ。一時は今までに得た利益が全て消えた瞬間もありましたよ。でも、3年は無理でも10年あれば元に戻るだろうと思って。

――データ好きが生きましたね。

データは友達ですね。ロシアのウクライナ侵攻の時には、世界的な紛争で株価が暴落した後、戻るのにどのくらいかかるのかを調べました。3カ月ほどで戻ってくる傾向があるのが分かりましたが、それはいわば安心材料で、何か投資法を変えるわけではありません。データが明らかに何か違うことを示していたら変えますが、よく考えて決断したのなら、データが変わるまでは自分の投資法を信じ切ってもいいんじゃないですか。

――ETFは自動で積み立てできないのが難点ですが……。

僕は米国市場で投資していて、手動でやってます。毎週土日に買い注文を入れておき、向こうの月曜日の朝に買い付ける形です。もし毎週が難しければ毎月でもいいんじゃないですか。VTIの投信版、「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」でもいい。これなら積み立ても簡単ですし。

――日本でも若い人は、かなり米国市場に投資しているようです。

米国は国全体がビジネスに優しく、世界中から資金が集まるので、より利益を出しやすい国。そこにVTIなどを通じて投資すれば、シンプルな仕組みでリターンを得られるのでいいと思います。

米国企業は国内だけじゃなくて最初から「全世界を目指します」みたいな感じ。グーグル、フェイスブック、アップル、スターバックスなどは日本でも世界でも毎日使われています。大手企業がベンチャーを育て、その利益がまた大手企業に戻るような好循環もありますし、いくら稼いでも、それを全部次の成長に使いましょうよという会社が多いんですよね、米国は。

――ジェイソンさんの投資法は保守的ですが、一種楽観的というか、米経済の成長を信じているということなんですね。

長期的な成長をね。短期では急落することもありますけど。


全米の投資信託としては、楽天・全米株式インデックス・ファンド以外に、SBI・V・全米株式インデックス・Fがあります。


VTIデータの翻訳

世界最大級の資産運用会社であるバンガード社の日本法人(バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社)が2021年2月28日をもって廃業しました。その結果、日本語版のETFの商品説明をやめてしまったので、英語版を日本語に翻訳してその内容を確認します。

商品概要

  • CRSP US Total Market インデックスへの連動を目指します。
  • 大型株、中型株、小型株で構成され、グロースとバリューのスタイルに分散されています。
  • パッシブ運用、インデックス・サンプリング戦略を採用。
  • ファンドは完全に投資されたままです。
  • 低コストのため、正味のトラッキング・エラーは最小限に抑えられます。

ETFの概要

  • アセットクラス:国内株式 – 一般
  • カテゴリー:ラージブレンド
  • IOVティッカーシンボル:VTI.IV
  • 経費率:2022年04月29日現在 0.03%
  • CUSIP:922908769
  • ETFアドバイザー:バンガード エクイティ インデックス グループ

価格と利回り

  • 市場価格:2022年6月17日現在     $183.76
  • 基準価額:2022年6月17日現在     $183.82
  • 30日SEC利回り:2022年5月31日現在 1.39%B
  • プレミアム/ディスカウント:     -$0.06

リスクポテンシャル

「中位」から「積極的」に分類されるバンガードのファンドは、幅広く分散投資されていますが、実質的にすべての資産を普通株式に保有しているため、株価が大きく変動する可能性があります。これらのファンドは、長期投資(10年以上)を考えている投資家に適していると思われます。

パフォーマンス

年間平均リターン 2022年5月31日現在

⇒ 中小企業が多いため、VOOの1年間リターンが0%に比べ、ー4%になっています。相場が下落しているときには、資金はリスク・オフになりやすいためです。

1年間 3年間 5年間 10年間 2001年5月24日設定以来
トータル・ストック・マーケット ETF -4.02% 15.43% 12.68% 13.94% 8.06%
Spliced Total Stock Market Index (ベンチマーク) -4.00% 15.46% 12.69% 13.95% 8.08%

1万ドルの仮想的な成長 2022年5月31日現在

⇒10年前に1万ドル投資していたら、3万7千ドルに増えていたことになります。S&P500のVOOは3万8千ドルですから、少し負けています。

ポートフォリオ構成 株式セクターの分散

セクター トータル・ストック・マーケット ETF 2022年5月31日現在 CRSP US Total Market Index (ベンチマーク)2022年5月31日現在
素材 2.30% 2.30%
一般消費財・サービス 14.00% 14.00%
生活必需品 5.50% 5.50%
エネルギー 5.00% 5.00%
金融 11.50% 11.50%
ヘルスケア 13.40% 13.40%
資本財・サービス 12.80% 12.80%
不動産 3.70% 3.70%
情報技術 25.90% 25.90%
コミュニケーション・サービス 2.60% 2.60%
公益事業 3.30% 3.30%

特徴 2022年5月31日現在

  • 銘柄数:4100
  • ファンドの純資産総額:1兆2,000億ドル
  • 上位10銘柄の純資産額:23.3%
  • 海外保有分:0.1%

月末時点の保有状況 2022年5月31日現在

順位 銘柄              割合
1.アップル社            5.60%
2.マイクロソフト(株)       4.90%
3.アルファベット          3.10%
4.アマゾン・ドット・コム      2.50%
5.テスラ              1.50%
6.バークシャー・ハサウェイ     1.30%
7.ジョンソン・エンド・ジョンソン  1.10%
8.ユナイテッドヘルス・グループ   1.10%
9.メタ・プラットフォームズ     1.10%
10.エヌビディアコーポレーション  1.10%