膨大する国債残高と個人ができるインフレ対策(2022改訂版) 3

<昨日の続き>

為替レートも考えなくては。

私:米国株だと、為替の問題がある。1年前に106円だったドルが、今は135円に跳ね上がった。逆に10年前は75円だったこともあるから、今の半分近くだった。そんなことになれば、米国株の価値も円換算で半分になる。

連れ合い:そんなことになりそう?

私:可能性がゼロではない。でも、アメリカの株価が半分になって、その上、円高でドルも半分になるってことは、まず、ないでしょう。もし半分になっても10年あれば回復するよ。それよりも、今は円安がどんどん進んで、1ドルが140円、150円になる言う人もいる。ある財務省OBは、円安がハイパーインフレになって日本がジンバブエになると言っているくらいだ。日本銀行OBや、財務省OBの中には、退職金を円で持ちたくないと言う人が結構いるらしい。

連れ合い:日本の株はどう?

私:日本は1990年ごろのバブル崩壊で、長い間低迷してきたけど、やっと回復してきて、力もつけて来た。他の国などと同様に、ある程度の株価上昇を期待できるんじゃないかな。それに、日本に住んで日本円で生活している日本人だから、ある程度日本株式を持つのも一つの考え方だ。

個別株式でなくETFを

連れ合い:それじゃあ今は、米国株を中心に日本株もある程度持っているけど、それで良いってことか。でも、私が昔勤めていた会社が倒産して、400万円も積み立てた持株会の価値がゼロになったから、個別株は嫌だな。

私:企業の中には倒産する会社も出てくる。その影響を小さくするのが株式ETFだ。ETFっていうのは、“Exchange Traded Funds”(上場投資信託)の略で、例えばアメリカのS&P 500や日本のTOPIXの動きに合わせて株価が動く投資信託だよ。日本株は1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)、米国株はSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)やVOO(アメリカ・バンガード社のS&P 500の ETF)がいいよ。これなら、株価がゼロになることはないし、たとえ価格が下がっても5年か10年で元に戻ると思う。

連れ合い:本当に大丈夫なの?

私:僕は約10年で2.5倍になったよ。大事なことは、下がっても売らないこと。個別株と違って、倒産などで株価がゼロにはならないから、いつかは回復する。

連れ合い:うん、ETFは10年以上持っていて、その結果には結構満足してる。損切りなんてことは、ETFでやってはいけないってことね。ところで、株やETFだけでなく国債などの債券を買うのはどう?

私:今、日本の国債は、金利がほぼ0%だし、米国でも3%くらいだから、あんまり魅力ないなー。米国債の利回りが5%になれば少し買いたいけど、今は無理して買わずに、チャンスを待っていた方が良いと思うよ。

連れ合い:金(ゴールド)はどうなの?

私:過去200年の対数目盛のアメリカを見ると、下のグラフのように株式は伸びているけど、金はほとんど伸びていない。ただし最近20年間はかなり伸びている。基本は株式で、かなり資金に余裕ができたら考えて良いかも知れない。ただし、全体の1割以下に納めるのが良いという考えもある。僕は、金融資産総額が数億円になったら、少し考えようかと思う。

連れ合い:子供たちはどう貯蓄して、運用したらいいの?

私:毎月稼ぐ給料を、会社の確定拠出年金、イデコ、つみたてNISAでコツコツ貯めるのが良い。私たちは野村證券で運用しているけど、コツコツ貯めていくには、株式ETFではなく、少額ずつ貯められる低コストインデックスファンドが良い。投資対象は、アメリカのS&P500を中心に、世界の株式に分散させるのが良い。野村證券には低コストのインデックスファンドがないから、ネット証券に口座開設すると良い。二人ともSBI証券で投資を始めて、最近は貯蓄・投資に関心が出てきた。

連れ合い:不動産はどう?

私:不動産は、自分が住むためのもので、投資対象としては素人が手を出さない方が良い。相場も、買い時、売り時も分からないし、不動産を管理すると言うのは大変なことだよ。それに、ETFやインデックスファンドと違って、売りたいときに相場で売れる訳じゃなく、買いたたかれる恐れもある。

<不況でデフレになるとしたら、今どうすればいいか>

連れ合い:インフレの時の心配ばかりしているけど、デフレになったらどうするの?

私:日本は、1990年代、2000年代、2010年代と30年以上デフレだった。そういう場合には二通りの方法がある。一つは、今までの日本人のように銀行預金で持っておく方法で、これなら、価値は目減りしない。ただし、金利が低いから資産価値は増えもしない。もう一つは米国のETF(SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)やVOO)を買うこと。SPYは1993年に発売されたけど、既に価格は8倍以上にも達している。しかも、それ以外に毎年1~2%の配当金も受け取れる。ITバブル崩壊やリーマンショックのような時もあったけど、5年、10年と待っていれば、それ以上に価格は上昇してきた。デフレでも基本はSPY、VOO、VT(世界に分散したETF)を中心に据えればいいと思うよ。ただし、一銘柄だけでなく、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)も買って、それ以外にある程度の現金もあると安心でしょ。そして、もし、米国債の利回りが5%か、それに近い水準まで上がれば、米国債も少し買えばいい。

<インフレになっても、デフレになっても、どちらでも困らないようにするには、どうすればいいか>

連れ合い:それじゃあ、インフレになっても、デフレになっても、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)などを中心にして、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)も併せて買うのが良いのか!そして、米国の金利が上がってきたら、少し米国債を買うことも検討してみようかな。

私:そうだね。1~2年では上がったり、下がったりするけど、5年、10年と、我慢して持っていれば、上がってくる。フィデリティ証券が調べたところ、株式投資で一番利益をあげた人は、フィデリティ証券に口座を作ったことを忘れた人、つまり、売り買いせずに放っておいた人だった。

連れ合い:日米以外の株式はどう?

私:日米のETF以外にも、VT(バンガード社の世界株式ETF)、VGK(バンガードのヨーロッパ株式ETF)とVWO(バンガード新興国株式ETF)も少し持っていると分散化できるので安心かもしれない。ネット証券に口座を開設すれば、全世界の株式に広く分散させる低コストインデックスファンドも便利だよ。

連れ合い:それって、私たちが今までやってきたことだ。その結果には、満足している。その方法が良いってことね。

(おしまい)

<参考>

50歳代、60歳代のための具体的投資(70歳代以上の方もどうぞ)

この記事は、50歳以上の方々のために20回の連載で書いたものです。インターネット上のブログで紹介されている金融機関は、ほとんどがネット証券で、おすすめの金融商品は低コストのインデックスファンドが主流です。しかし、それらの金融機関に口座を開き、ネット上で金融商品を購入するのは、中高年層にとって高いハードルとなる場合も有ります。そんなことをせずとも、野村證券などの対面証券で外国株式ETFを購入すれば、同程度の資産運用が可能だということを説明しました。

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