50歳代、60歳代のための具体的投資(70歳代以上の方もどうぞ) 2022年要約版1

2021年1月に「50歳代、60歳代のための具体的投資(70歳代以上の方もどうぞ)」を連載しました。それから1年半が過ぎましたので、その要約版について、2022年版に焼き直します。

50代からの無理をしない投資により10年で2倍に

私は47歳で確定拠出年金、57歳で国内株式ETF、59歳で外国株式ETFを始め、現在の評価額は2億円を超え、元金の2.5倍になりました。

小銘柄数の個別株式投資はギャンブル

1億、2億の金融資産を持っている人の場合、個別株式の売買で増やした人が多いのですが、それはギャンブルであって、成功した人の反対側には数多く損失を被った人がいます。しかし、私が実際に運用している方法は、そういうギャンブル的資産運用ではなく、比較的安全で誰にでもできる方法です。

原資はすべて給与、賞与、退職金

また、私の投資資金には、相続財産は入っておらず、全部自分で稼いだ、給与、賞与、退職金です。個別株式は、従業員持ち株会で積み立てた株式を一時期保有していましたが、全部売却してETFに変えましたので、現在は全く保有していません。

50歳代、60歳代のためのシンプルな方法

私のブログでは、この知識経験を詳しく述べていますが、どのように投資して良いか分からない50歳代、60歳代(70歳代以上の方もどうぞ)の方々のために、できるだけシンプルな投資方法を説明したいと思います。

野村証券、大和証券でもできる

最近はネット証券ばやりで、野村證券や大和証券では賢い投資術ができないと思う人もいますが、それは間違いです。現に私は野村證券しか使っていません。

確かに、ネット証券は商品の品揃えが多く、手数料も対面証券より安いので、有利ではありますが、長期投資を前提として比較すると、0.1%、0.2%ぐらいの差しかありません。もし既に、対面証券に口座があって、ネット証券は口座開設などのハードルが高いと考えているなら、対面証券を使えば良いのです。

株式ETFは野村證券や大和証券で手軽に買えます。(外国株式の一部は買えない証券会社もあります。)以下の表は代表的な株式ETFです。

国内株式ETF

コード 名称 純資産総額(億円) 信託報酬
1306 NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投資信託 163,030 0.088%
1308 上場インデックスファンドTOPIX 74,700 0.088%
1348 MAXIS トピックス上場投信 24,590 0.078%
1321 (NEXT FUNDS)日経225連動型上場投信 76,900 0.180%

外国株式ETF

コード 名称 純資産総額(億円) 信託報酬
SPY SPDR S&P 500 361,760 0.0945%
VOO バンガード・S&P 500 ETF 259,605 0.03%
VT バンガード・トータル・ワールド・ストックETF 22,746 0.07%

ポートフォリオ 1

そこで、国内債券、外国債券に投資せずに、国内株式と外国株式に半分ずつ投資するポートフォリオを考えてみましょう。それが下の図、個人のポートフォリオ 1 です。

投資の運用評価は常に中間評価

いたってシンプルで、これで大丈夫なのかと思われる人もいるでしょう。しかし、何が良いかはやってみないと分からないものです。しかも、投資の運用評価は常にある一時点の中間評価でしかありません。つまり、5年後には良かったと思っても、10年後に同じ評価になるかどうかは分からないものです。

10年後に期待

私は、投資は人生と同じで、常に中間評価しかできないと思っています。そして、株に関しては、1週間後、1か月後、1年後に上がっているかどうかは分からないのです。ただし、10年後には上がっている確率はかなり高いと思います。そして20年後はさらに高くなっているというのが、今までの歴史です。

連れ合いのポートフォリオ

実は、このポートフォリオに近い形で投資している人がいます。それは、私の連れ合いです。そのポートフォリオは下図のとおりです。

連れ合いの評価益は40%増

右側の1306の特定口座の割合は39%です。外国株式は、VOO、SPY、つみたてNISAで合計が59%です。少し外国株式の方が多いですが、内外に半分ずつと言えるかもしれません。実は、VOOやSPYの株価上昇が激しかったので、もともと5割ずつだったものが6割対4割になってしまったとも言えます。この結果、連れ合いの評価益は74%を超えています。連れ合いが投資を始めたのは15年前ですが、少しずつ投資額を増やしていったので、7割程度の運用益しかありませんが、初めから全額投資していれば、元金の2倍程度になっていたと思います。

そこまで欲張らずとも、様子を見ながら少しずつ投資しても7割増になると思って下さい。あくせくせず、のんびりやるのも、一つの考え方です。

ポートフォリオ 2

日本株式ETF25%、外国株式ETF75%

国内株式と外国株式を半分ずつ持つ方法もありますが、資産を分散化させるためには、国内株式の割合を25%に落として、外国株式を75%まで増やすパターンも有力です。VTという世界の株式市場に分散投資するETFの場合、日本の比率は6.1%ですが、25%は、それより高くなっています。国内株式の割合を高くする理由は、日本に住む日本人として、円を使う可能性が高く、外貨に交換する際の為替手数料がかからず、情報も良くとれる日本株式にウエイトを置いて投資することは、自然だからです。

外国株式の地域分散

外国株式を75%まで高めた場合、すべてをアメリカ株式にする考え方と、世界株式に分散させる考え方の二通りあると思います。アメリカ株式はリーマンショックの後、特にGAFAM(GAFAMとは、IT企業のGoogle、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftの頭文字の略です。)とテスラの株価上昇が激しかったのですが、2022年に入って多少調整されたようです。

昨年1月の、このブログ投稿では以下のように述べています。

「しかし、本当にバブルなのか、将来発生している利益を早めに反映しているだけで、2~3年後に利益が追い付いてくるかもしれません。例えば5年前にも、株価が上昇し、このような高い株価が続くわけはないので用心したほうが良い、という見方がアメリカ経済評論家の中にはありました。しかし、アメリカ企業の成長が株価に追い付いて、妥当な株価とされたこともあります。」

現時点では、バブルが調整されたとも言えますが、1年後には、GAFAMTが再び成長しているかもしれません。

インド、東南アジアの経済成長

アメリカ以外で注目すべきなのは、新興国の経済成長です。特に、インド、東南アジアは今後かなりのハイペースで成長すると見込まれていますので、その地域の株式にも投資しておきたいという気持ちはあります。ところが、過去10年以上新興国株式ETFであるVWOは株価が上昇していません。これをチャンスと見るか、魅力がないと見るかは、難しい判断です。ただし、それ以外に地域分散という考え方に基づいて、アメリカ以外の世界の国々に投資しておきたいという考え方を、私はとりました。

私の現在のポートフォリオは以下の図のとおりです。

  • 日本株式ETF:1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF)) 22%
  • アメリカ株式ETF:SPY  42%、VOO 4%、野村つみたて外国株投信とDCのうちアメリカ株 6%、合計52%
  • 日米以外の株式ETF:VGK(ヨーロッパ)10%、VWO(新興国)7%、ASX(オーストラリア)2%、合計19%

新興国、金には当面投資しない

ヨーロッパ、新興国の割合は、VTの地域別割合を参考にしていますが、十分に買えていない状態です。この2地域の株式ETFは株価が上昇しないので、あまり買いたいという気持ちになかなか慣れません。また、金(ゴールド)のETFに似も当面投資するつもりは割りません

<明日に続く>