東大生にとって人気のある就職先2023年

東大生にとって国家公務員キャリア組の人気が下がっているようです。

時事通信社の2023年6月8日の記事です。


人事院は、幹部候補となる国家公務員総合職の2023年度採用試験(春)の合格者が2027人だったと発表した。

大学別では東京大が193人でトップとなったが、前年度から24人減り、総合職試験が始まった12年度以降で最少となった。同大の合格者が200人を割り込むのは初めて。

申込者数は958人減の1万4372人。競争率は7.1倍で過去最低だった。全体の合格者数はデジタル人材を含む理工系の採用予定数を増やしたことで過去最多となった。

女性合格者は最多の683人で、3年連続で全体の3割を超えた。合格者の出身大学は東京大に次いで、京都大118人、北海道大97人、早稲田大96人。出身大学数は170校で最多となった。


東大の就職先はどうなっているのでしょうか。DIAMOND online2023年2月3日の記事を見てみます。


東京大学「就職先企業・団体」ランキング2022【全20位・完全版】

コロナ禍が続く「不確実性」の中で就活に臨んだ主要大学の学生は、どのような企業・団体を選んだのだろうか。国公立・私立主要27大学別の2022年就職先ランキングを作成した。第1弾は東京大学の就職先をお届けする。アフターコロナが見え始めた今、就活戦線を戦う学生とその親は参考にしてほしい。(文/ダイヤモンド社 ヴァーティカルメディア編集部、データ提供/大学通信)

コロナ禍での東大生の就職先は?

2022年の主要大学ランキングを俯瞰すると、国公立大では自動車、電機、総合商社、銀行、エネルギーなど、以前から学生人気が高かった大企業・有名企業が上位に並んだ。これは21年と大きく変わらない印象で、時が流れても親世代が就職を望んだ業界・企業は、子世代にも変わらずに人気が高いことがうかがえる。ただし近年では、コンサルティングやITなど、親世代には馴染みが薄かった業界も大きな注目を集めている。これらの業界に就職する学生の数は、年々増え続けている。

東京大学も21年は、3位がアクセンチュア、4位がソニーグループ、5位が日立製作所、6位が楽天グループと、親世代と子世代の人気企業が共に名を連ねる結果となった。ただし東京大学の就職先のトップには、他大学にはない独特な傾向が見られる。

果たして、22年の東大生の就職先はどうなったのか。

東京大学「就職先企業・団体」ランキング2022【全20位・完全版】

1位、2位は今年も「東大」:コンサルとITが人気の理由

東京大学の就職先のトップに見られる独特な傾向とは、1位と2位が一般企業ではなく、いずれも東大関連であることだ。

21年に続き、22年も第1位が東京大学、第2位が東京大学医学部附属病院となった。就職者数は前者がダントツの155人、後者が56人だった(21年はそれぞれ185人、58人)。とりわけ東京大学医学部附属病院は、20年の20位から21年には2位へと順位を大きく伸ばしている。東京大学の内訳は分からないが、研究員などが含まれると見られる。

企業に就職せず大学に残る優秀な人材が多いということだが、理由としては他大学と比べて研究・労働環境がかなり恵まれていることが考えられる。コロナ禍の出口がなかなか見えず、企業社会に「不確実性」が漂う中で、就職活動に慎重になる学生が増えた可能性もある。

他に目を引くのが、冒頭で述べたコンサルティング業界人気の底堅さだ。アクセンチュア(3位)、マッキンゼー・アンド・カンパニー(6位)、野村総合研究所(8位)、PwCコンサルティング(18位)と、トップ20のうち4社をコンサルが占めている。21年はデロイト トーマツ コンサルティングも含むコンサル5社が、トップ10に名を連ねていた。

コンサル人気の背景として、「不確実性が増す世の中で、いざというときのために個人としての能力を高められる環境で働きたい」という学生が増えていることが指摘されている。一方コンサル側は、経営課題解決のサポートを求める企業が急増する中で、ここ数年、ビジネス拡大のために優秀な新卒・キャリア人材の採用を顕著に増やしている。東大生とコンサル業界のニーズがマッチしていることが、ランキング結果に反映されているのだろう。

そのほか、ソニーグループ(4位)、日立製作所(7位)、富士通(10位)、三井住友銀行(13位)、野村證券(同13位)、三菱商事(18位)などが、順位の変動を伴いつつも、21年と変わらずランクインした。

IT系では楽天グループ(5位)への就職人数の多さが44人と際立っているが、同社は東大のみならず、有名大学から多くの学生が就職を目指す人気企業である。今の若者は就活時の企業選びで「成長環境」「働きがい」を重視する傾向が強い。楽天をはじめ大手IT企業は、若手にも重要な仕事の経験を積ませてくれる社内風土があるというイメージが強いのだろう。

ちなみにランキング上位には、前述のコンサル各社や15位の中外製薬など、働きやすい環境整備で注目されている企業も少なくない。コロナ禍の影響もあり、企業が優秀な学生を採用するためには「働き方改革」が欠かせない施策となりそうだ。

かつて東大生の就職先と言われて思い浮かぶことが多かった官公庁については、経済産業省が15位にランクインしたのみ。学生の価値観が多様化している現在、「東大卒=官僚」というイメージは過去のものになりつつあるのかもしれない。

東大の学生たちの就職動向は、業界・企業選びに臨む就活生やその親にとって参考になりそうだ。