娘のポートフォリオ、運用実績 2023年9月:新NISAの注意点

<速報>

2024年からの新NISAでの投信積立受付開始日程

SBI証券 2023年11月18日(土)より
https://www.sbigroup.co.jp/news/pr/2023/1017_14148.html

楽天証券 2023年11月13日(月)より
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/info20230929-01.html

野村證券、大和証券はまだ発表されていないようです。


以下の3銘柄を少しずつ特定口座で買い増しました。

  • 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
  • SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

1年半で3回下落

娘の運用実績も、私や連れ合いと同様に少し下落しました。わずか1年半のグラフですが、合計で3回下落しました。

新NISAに関して、少しずつ細かい点を勉強します。

1.つみたて投資枠は600万円までではなく、1,800万円まで使える

新しいNISAの非課税保有限度額の全てをつみたてNISA枠として使うこともできます。

新しいNISAの非課税保有限度額は1,800万円、そのうち成長投資枠は1,200万円ですから、つみたて投資枠は差額の600万円と考える人もいるかもしれません。しかし、成長投資枠はあくまでその上限を超えない範囲で利用することが定められているだけです。つまり、つみたて投資枠の年間の上限は120万円であるため、15年かけて、1,800万円の非課税保有限度額の全てをつみたて投資枠で利用することが可能です。

2.現在保有している特定口座の資産を新NISAの投資元本とする

給与などを原資として毎月つみたて投資枠で積み立てるのではなく、現在保有している特定口座の資産を新NISAの投資元本とするのであれば、できるだけ早く売却して新NISAに移した方が有利です。その理由は、一言でいえば、利益が少ない時に課税された方が税金が少なくて済むからです。

ただし、この記事では、2倍になるという条件で計算されていますが、2倍になるまでの期間は、このまま放っておいた方が2年ほど短くなると思いますので、その説明がないのは不親切です。

このような場合の説明には、同じ期間を前提とすべきだと思います。

例えば現在、元本100万円の2倍、つまり200万円まで増えているとします。すると、増加分の100万円に対して2割の税金がかかるので、売却すれば20万円減ります。200万円から20万円を差し引いた180万円で新NISAをスタートすることになります。

一方で、売らずに特定口座でスタートすれば、200万円からのスタートになり、その差は20万円、つまり10%ですから、リターン率を5%とすると、2年分有利です。それでも将来の所得税を考えれば、今売却して新NISAで貯えたほうが良いと思いますが、少なくとも、この点についての説明が全くないのはいかがかなものかと思います。

これを数字で説明しているのが、日経電子版の2023年10月4日の記事です。


NISAに資産を移すべき? 課税と手取りで考える

ハナ(29) 入社7年目、メーカー勤務。資産形成に興味がある。岡根の話にツッコミを入れるのが生きがい。

岡根(32) パーソナルファイナンス(個人向けの資産形成論)を教える大学講師。ハナのサークルの先輩。

ハナ 新しい少額投資非課税制度(NISA)が2024年から始まる。今のNISAの資産課税口座の資産は新NISAに移すべき?

岡根 手続きとしてはどちらもいったん売却して新NISAで買い直すことになる。今の資産がNISA口座にあるか課税口座かで分けて考えよう。まずNISAから。23年までの制度はつみたてNISA一般NISAの2つ。非課税期間はつみたてNISAが20年で、一般NISAは5年。新NISAが始まっても、この年数は非課税のまま保有できる。

ハナ まずつみたてNISAをどうすべきか教えて。

岡根 20年という非課税期間の長さは生かすべきだ。過去、世界に広く分散投資した場合、20年持てばほとんど損は出ず、平均的には大きく増えていた。だからつみたてNISAは新NISAが始まってもそのまま保有を続けることがセオリーだ。

ハナ 来年すぐに売却して、新NISAで買い直して長期保有しても、非課税という利点は同じだと思うけど。

岡根 新NISAの生涯投資枠は元本ベースで1800万円。今のNISAの資産を売って新NISAで買い直すと、その分新NISAの生涯投資枠を消費してしまう。今のNISAの投資額は新NISAの生涯投資枠と別枠で計算されるから、移さず持ち続ければ新NISAの生涯投資枠を消費しない。

ハナ なるほどね。一般NISAも同じ考えで持ち続ければいい?

岡根 一般NISAは非課税期間が5年と短い。期間5年だと、例えば世界への分散投資でも時期によっては大きく元本割れした。NISA口座で損失が出ると他に課税口座で利益があっても損益通算できないし、損失の翌年以降の繰り越しも不可だ。

ハナ つまりNISA口座は損が出ると課税口座より不利なのよね。

岡根 こうした状態を防ぐには、ある程度満足のいく利益が出ている状態なら非課税期間の5年を待たずに売却して利益を確定するのも大事な選択だ。

ハナ 現実にはまだ新NISAは始まっていない。今売っても新NISAで買い直せないよ。

岡根 ファイナンシャルプランナー(FP)の横田健一氏は「新NISA開始までの3カ月で損失に転じそうなリスクがあるのなら、いったん一般NISAを売却して利益確定し、課税口座で買い直しておくのも選択肢」と話す。課税口座ならその後に損失状態になっても損益通算などができるから。新NISAが始まればそれを売って新NISAを買い直せばいい。

ハナ 次に課税口座で持っている資産を売って新NISAで買い直すべきか教えて。課税口座で含み益の状態のとき、売却して新NISAに移そうとすると税負担が発生する。税負担をしてまで新NISAに移すべきなのかな。

岡根 事例で考えよう。100万円で買った資産が現状、40万円の含み益があり140万円になっていて、将来2倍になったらどうなるか。課税口座のまま2倍になって280万円になってから売ると、利益180万円の2割課税で36万円引かれ、244万円が残る。

ハナ 課税口座で140万円の状態で売り、新NISA口座で買い直してから2倍になれば?

岡根 課税口座で40万円の利益の2割の8万円が引かれ132万円。新NISAで買い直して2倍になれば264万円だ。このように、なるべく早く新NISAで買い直したほうが有利だ。

ハナ それって、今の事例に使った金額の場合ならたまたまそうなるだけではないの?

岡根 違う。将来価格が上昇する場合は、課税口座で売って早めに新NISA口座に入れた方が税負担がいつも少なくなる。複雑になるから書かないけど、数式で計算すると必ずそうなるから安心して。要するに課税口座にあった時期の税金は、いつか必ず取られる。それなら課税口座の期間を短くして、NISA口座の期間を長くした方が有利ということ。

ハナ 課税口座で現状が含み損なら違うの?

岡根 将来上昇を見込むなら、課税口座のまま持っていても損益がプラスになるまでは課税が発生せず、NISA口座で保有するのと同じ。だからそのまま持っておくのも選択肢だ。

ハナ でも含み損のまま売却すれば、課税口座の場合、利益の出ている別の課税口座との損益通算などができる利点もあるのでは。

岡根 鋭いね。「損益通算できるなら含み損の状態で売って新NISAで買い直すのも選択肢」(横田氏)だ。また個別株で経営状況が構造的に悪化しているような状況なら、早めに売った方がいい。つまり含み損の場合はどうするか状況次第だね。

マネーの知識 ここにも目配りを

口座移し替えの売買は速やかに

今のNISAから新NISAへ、あるいは課税口座から新NISAへ、など、資産の場所を変えるための売買の場合、基本は原則同時、あるいはできるだけ速やかに行うことが大事だ。
現在の資産を売って現金のまま保有した状態になると「少し様子を見て下がった局面で買い直そう」などと考えがち。そのまま相場が上昇してしまい、買い直すタイミングを失ってしまうケースがよくある。
ここでの売買の目的は利益を稼ぐことではなく資産の場所を入れ替えること。短期の相場予測は難しいと割り切って、速やかな売買を心掛けたい。横田氏は「売却注文を出してから実際に資金が入るまでには数日かかる。手元に別途預貯金などがあれば、それを使って売却と同じ日に買ってしまうのも手だ」と話す。