スペイン死亡者38万人
いま日本も世界も新型コロナウイルスで大騒ぎしていますが、1918年~1921年にはスペイン風邪で、日本だけでも38万人が亡くなりました。そして、3月10日は東京大空襲、11日は東日本大震災が起こりました。
東京大空襲
東京大空襲は、第二次世界大戦末期の1945年(昭和20年)3月10日未明にアメリカ軍により行われた東京都区部に対する焼夷弾(しょいだん)を用いた大規模な戦略爆撃の総称です。ちなみに吉永小百合は、この3日後の3月13日に生まれています。
焼夷弾
通常の爆弾は目標を物理的に破壊するのですが、焼夷弾は攻撃対象を焼き払うために使用します。日本、特に東京は木造の家屋が密集していたので、東京大空襲でも使われました。当時、私の父親も、連れ合いの父親も赤紙(あかがみ:召集令状)によって軍隊、戦地に居たので東京大空襲は受けていません。
母親は背虫女(せむしおんな)
私の母親は23歳で防空壕の中に居ました。そこに爆弾が落ちて防空壕がつぶれました。母親は気を失うとともに、背骨の一つがつぶれてしまいました。その後遺症で背筋を真っ直ぐにすることができず、背中は曲がったままになりました。母親はその時、嫁いでいましたが、舅から「こんな背虫女は役に立たない。実家に戻れ。」と言われ、離婚させられました。戦地にいた夫に連絡せずに離婚させられた私の母親は、背中を丸めた姿で実家に戻り、傷心の日々を過ごしました。
炎の中を逃げ惑う
連れ合いの母親は、1945年より前に両親と病死し、兄弟も戦死していました。東京大空襲で焼け出され、自分の家・土地の権利書も持たずに夜中逃げ惑いました。命だけは助かりましたが、無一文になりました。
100万人の罹災者
東京大空襲の死者は10万人、罹災者は100万人とされていますが。私たちの母親もその100万人の罹災者の中にいます。
東京大空襲がなければ生まれていなかった
実は数年前に気がついたことがあります。もし東京大空襲がなかったとしたら、私も、連れ合いもこの世には生まれてこなかったでしょう。私たちだけでなく、私の兄弟も、十数人いる従妹も東京の戦後生まれなので、全員生まれなかったのです。私の母親は、その後再婚し私が生まれました。連れ合いの母親も戦地から戻ってきた男性と知り合って結婚し、私の連れ合いが生まれました。戦争がなく、東京大空襲がなければ、私は生まれず、他の子どもが生まれていたでしょう。
防空壕、焼夷弾、新型コロナウイルス
わずか100年の歴史の中でもいろいろなことがあるものです。当時防空壕の中や、焼夷弾の中で死ぬ思いをした人たちが、今の新型コロナウイルス騒動を見たらなんと言うのでしょうか。
戦争の世紀、ウイルスの世紀
20世紀は戦争の世紀と言われていますが、21世紀はウイルスの世紀とも言われています。現在のように、経済がグローバルに展開し、人の行き来も頻繁になれば、ウイルスのリスクは大きくなるということは容易に想像されます。
スペイン風邪患者は6億人
東京都健康安全研究センターの研究によると、1918年から1920年に流行したスペインかぜは,全世界で患者数約6億人で,2,000万から4,000万人が死亡したとされています。スペインかぜはヒトにおけるA型インフルエンザウイルスによる流行であることが,後になってからわかりました。
大きなヤマは二つ
下のグラフはスペイン風邪による死亡者数の月別推移です。
流行は2年間か?
一回目の山は1918年の11月、二回目は1年2か月後の1920年1月です。もし、同じような経過をたどるのであれば、今回の新型コロナウイルスが2020年の夏にいったんおさまったとしても、秋から冬にかけて再燃する可能性があるかもしれません。私は医者ではありませんから、どうなるかは分かりませんが、資産運用をしている個人投資家としては気になるところです。サーズ、マーズからの類推は、新聞・テレビなどのマスメディアやストックボイス、日経CNBCでも見聞きしないので、自分で調べて考えるしかありません。
感染人数と致死率
この図は、数日前に京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授が少数の勉強会で説明した図だそうです。新型コロナウイルスは致死率2.0で、インフルエンザの0.1より高いようです。感染人数はインフルエンザ並みと思われてきましたが、もう少し高いのかも知れないという話でした。しかし、情報は日々更新されているので、この情報は既に古くなっているのかも知れません。
経済評論家の豊島逸夫氏がテレビで解説しています。
「コロナショックがどう増殖するか、あるいは、しないのか、それがマーケットにどういう影響を与えるか、これを読める人は一人もいません。世界中でも誰もいません。この不安感、不透明感、これこそが今回の危機、あるいは、このウイルスショックの最大の特徴。他の地政学的リスクとか、あるいは、金融危機は、どういう人たちが参加していて、関与していて、どういう商品があるかという実態が見える。限界はあるけど、ある程度は見える。今回は、それこそ24時間後はどうなるか、分からない。
マーケットの先行きについて。トレーダーは、売るか、買うしかないから、自分の意見を持たなければいけない。ですから、わからないけど言います。
この問題は秋ぐらいまで長引く、と思っている。ウイルスは温かくなれば死ぬと思っていたけど、今シンガポールが深刻なことになっていて、アフリカのナイジェリアにも波及してきている。どうやら私たちが考えているよりしぶとそうです。ブラジルにも感染者が出た。拡散は秋口まで続くかもしれない。また、一旦陰性になった人が陽性になっている。
楽観的なシナリオでは、桜の咲くころから4月くらいに収束が見えることもある。やれやれ、命は守られるから、今度は経済の方を修復しましょう、という段階になっても、また感染者が出てくることもある。もしそういうことになったら、その患者が5、6人だけにしても、マーケットはショックだと思いますよ。
5月ぐらいのタイミングで、東京オリンピックが中止、延期になれば、日経平均は18,000~19,000円くらいまで売り込まれる。そこであく抜けして年の後半になると、中国がなりふり構わぬ金融・財政支援策を打ってくる。トランプはトランプで大統領選挙がかかっているから、FRBに圧力をかけて利下げさせる。財政もどんどん繰り出す。これはマーケットフレンドリーだが、その付けはいずれは回ってくる。中国はインフラ整備のための財政支出・財政赤字が増える。中国破綻のつけが来年以降回ってくる。
為替について。足元で円高に振れてきたが、日本経済が増税とウイルスでかなり悪化すると、円が叩き売られる、見切り売られる、そして、日本株が巻き込まれるかもしれない。つまり円安日本株安になるかもしれない。」