アメリカ株式ETFの来年の狙い目2

株式やETFに関して来年のねらい目は何でしょうか、という記事が雑誌を賑わす季節になりました。フォーチュン(Fortune)誌の記事を参考にして考えてみたいと思います。以下はこの記事の拙訳です。昨日の続きです。

GAFAとマイクロソフト、個人情報、大統領選挙

最大規模のハイテク企業―グーグル、アマゾン、アップル、フェースブック、マイクロソフト―は過去10年間、力強い値動きでした。しかし2019年は不滅のオーラを失う年になるかもしれません。これら最高の業績を上げてきた企業は、欧米において個人情報の懸念に関するますます強い規制の監視を受けています。同時に政界からは、ポピュリストが分割を求めています。「選挙がどうなるか、(民主党)候補者が誰になるかによって、ハイテク業界に大きなインパクトを与えるかも知れません。」とヌビーンのマリクは言います。そして、貿易における緊張関係によって、企業の顧客基盤とサプライチェーンが脅かされてきました。

勝者の選択は難しい

結論は、常に強力なこのセクターで勝者を選ぶことは、ますます手に負えなくなってきています。

半導体は上昇

良い例が半導体です。循環性の強いこの産業は上昇に転じる見通しです。というのは、スマートフォンで引き続きイノベーションが起き、目前に迫った5Gワイヤレスネットワークの開始によって需要が高まっているからです。しかしながら、米中関係の地政学のために、チップメーカーの中には生存が不安定になっているところもあります。

シノプシスは安全

安全な銘柄はシノプシスで、そのエレクトロニック・データ・オートメーション・ソフトは、半導体をデザインするのに使われます。とともに米中貿易戦争の関税の問題も発生しません。3年間キャンセルできないサブスクリプション契約があるので顧客のロイヤルティーが維持され、売り上げ減少が起こりにくくなっています。また、このテクノロジーには強力な学習曲線効果があるので,シノプシスの契約更新に一役買っています。「このことは財務的視点から理解できます」と、42億ドルのパーナサス・ミッド・キャップ・ファンドのを運営するローリ・ケイスは語ります。ケイスはシノプシスの大躍進の次の道は「半導体とソフトに依存した自動車セクター」だと言います。

ASMLは長期保有すべき銘柄

もう一つの有望銘柄:ASML、半導体メーカー向けのオランダの部品製造会社です。5,655億ドルのアセット・マネジメント会社シュローダーのポートフォリオマネージャーであるジェームス・ゴートリーは、貿易のことでイライラしても長期的にはこのセクターにとって概して関係ないし、「10年以上にわたる長期保有銘柄」と考えられているASMLについては特にそうです。ASLMは2020年度に売上高が13%増加すると予想されていて、ゴートリーはそれ以上だと考えています。

無配当の強み

現在のブルマーケットでは、株式のトータルリターンの20%が配当です。マーケットがさらにいっそう失速すれば配当は大きな問題となります。

黒い線:2009年3月9日(前回の底)にS&P500インデックスに投資した10,000ドルの成長曲線

茶色の線:配当を含む成長曲線

シスコ

通信と機器の巨大企業シスコCiscoは最近株式市場において不調であり、2020年度予想利益の15倍の株価です。(このセクターの平均は20倍を超えています。)しかしネットワーク設備における、シスコの製品群と特許群は、5Gの登場とIOTの熱狂が高まることによって利益を生む態勢になっています。

アルファベットの個人情報データ騒動

ファンドマネージャーが、最大のハイテク企業達を見限ったわけでないのは確かです。投資顧問会社ボントベル・クォリティ・グロウスのCIO、マット・ベンケンドルフによると、個人情報データ騒動によってアルファベットから投資家を追いやってしまったわけではないし、同社の規制問題はフェースブックほど複雑ではない、という話です。同社は消費者が自分のデータをよりコントロールできるようにする、という面で最も進んでいるとベンケンドルフは信じています。この革新性によってアルファベット社は信じられないほど利益率の高い広告事業を規制当局から守っているとのことです。

研究開発力と自動運転

研究開発が推進するアルファベットの事業構成に心躍らせている投資家もいます。ベイリー・ギフォーズ・U.S.成長株ファンドの共同マネージャー、ゲーリー・ロビンソンは自動運転を「最もインパクトの強い」技術トレンドの一つだと考えています。アルファベット社がウェイモ自動運転自動車プロジェクトを通じてこの事業に乗り出していることは、この株式を保有する理由としてますます説得力を増している、と彼は考えています。

マイクロソフトのアズール

マイクロソフトは、今年株価が40%上昇したので誰も秘宝とは言いません。(フォーチュン誌のビジネスパーソン・オブザイヤー第1位に同社のCEOサティア・ナデラがなりました。)アナリスト達は、マイクロソフトのアズール・クラウド・プラットフォームを非常に有力視しています。アライアンス・バーンスタインで米国成長部門のCIOを務めるジェームス・ティアニーは、アズールが今後5年間で年率40%成長を遂げうると信じている。

マイクロソフトの配当率は魅力

財務省短期証券は低利のままなので、株式研究会社ウィリアム・オニールの首席投資ストラテジストのランディー・ワッツなどの株主は、マイクロソフトを評価している。それは現在の配当率が1.4%だからだ。「このように流動性が高い―――利益性が高く配当も増えている―――株式は、競争力があると思う」とワッツは言います。

大胆予想はテスラ

なるほどイーロン・マスクは残念な記事で散々賑わしています。ARKインベストのCEOキャサリン・ウッドはハイテクに特化していて、そんなことを無視する投資家ですが、「完全に誤解されている」テスラに賭けている。この銘柄は、世界中でカラ売りをする人のお気に入り銘柄です。テスラの低コスト電池, 自社デザインのAI半導体、顧客が実際に運転して得られた100億から120億マイルの走行データによって、電気自動車で優位に立つとウッドは信じています。2023年までに新社売り上げの30%をテスラ社が占めることになる、とウッドは予言しています。

狙い目

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テスラ