金融機関別・金融商品別リターンリスクのイメージ

どの金融機関別、どの商品と付き合えば良いのでしょうか。それをグラフにまとめました。作図の専門家ではないので、あまり見やすくないのは、お許しください。金融機関は、銀行、対面証券、ネット証券、生命保険を取り上げました。対面証券は野村證券、大和証券など店舗で売買できる証券会社です。ネット証券はSBI証券、楽天証券等です。Aは必要な商品、有望な商品、Bは危険なので買ってはいけない商品、近づいてはいけない商品です。

金融機関 商品の例 コスト(高いと悪い) リターン(高いと良い) 評価
銀行A 普通預金 1 1
銀行B 外貨保険等 5 1 ×
対面証券A ETF 2 5
対面証券B アクティブファンド 4 5 ×
ネット証券A インデックスファンド 1 5
ネット証券B アクティブファンド 3 5 ×
生命保険A 福利厚生・ネットの団体定期保険 1 3
生命保険B 医療保険、がん保険 4 1 ×

銀行A:銀行預金

銀行預金は給与・年金の振り込み、クレジットカード等の引き落としには不可欠ですから、使わざるを得ません。数十万円から多い場合には数百万円を預けておく必要があります。誰にとっても必要な商品ですから評価は◎になります。

ネット証券A:ネット証券の扱う低コストインデックスファンド、ETF等

ネット証券とは、SBI証券、楽天証券、松井証券 、マネックス証券等、基本的に店舗を持たない会社です。このブログでも度々登場する、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドなど低コストのインデックスファンドは、野村證券等では扱っておらず、ネット証券に口座を持つ必要があります。このような低コストインデックスファンドの信託報酬は、現在0.1%の水準を切っていますので、10年、20年間運用すると、高いコストの商品に比べるとリターンの差が大きくなります。例えば、コストが0.1%と1%の商品を10年間運用すると、それぞれ1%、10%のコストになります。30年だと3%、34%のコストになります。従って、インデックスファンドを持つのであれば、ネット証券が必須であると言えるでしょう。評価は◎です。

対面証券A:ETF

対面証券のETFは、ネット証券に比べて販売手数料が高いという問題点があります。ネット証券でETFを買う時の販売手数料はほぼゼロ円ですし、外貨ETFを買う時の為替手数料は対面証券の半分で済みますから、コストだけ考えればネット証券を利用する方が得です。しかし、昔から対面証券に口座を持っていて、新しくネット証券の口座を開くのは面倒くさいし、安心感からすれば対面証券の方が好ましい、と考える人もいます。ETFの売り買い以外のコスト、つまり信託報酬は、ネット証券も対面証券も変わりませんから、売り買いせずに持ち続ける 「バイ・アンド・ホールド」 を基本方針とするなら、対面証券も捨てたものでは有りません。私自身も、野村證券にしか口座を持たず、運用しています。そのため、◎の評価は点けませんが、〇の評価は与えられると思います。

生命保険A:福利厚生・ネットの団体定期保険等

私はかつて団体生命保険を扱う立場にいた時期がありました。その時、ある雑誌に次の文章の書いてある記事がありました。

「ファイナンシャルプランナーが本当に相談者のことを第一に考えているかどうかを簡単にチェックするポイントがある。サラリーマンが会社を通して加入できる団体定期保険を薦めるかどうかだ。」

この保険の安さは、 危険!近づくな! 金融機関と金融商品 3 にも掲載してありますが、大手保険会社が一般に販売する保険の半分以下の保険料です。

なぜ、勤めている会社の福利厚生で扱う団体定期保険のコストが安いかといえば、広告宣伝費を使わず、福利厚生担当の自社社員が取りまとめをするので人件費もかからないからです。

最近は、サラリーマンが会社を通して加入できる団体定期保険に負けず劣らず、ネット保険も安くなっているようですが、保険の中身を調べたことがありませんので、正確な比較はできません。一方、会社の福利厚生で扱っている団体定期保険は、周囲の社員の評判も聞けるでしょうから、安心感があります。評価は〇です。

銀行B:外貨預金、外貨保険、個人年金保険、ファンドラップ

非常に複雑で、結局は数パーセントのコストがかかり、銀行だけが儲かる商品ですから、基本的にすべてお断りすべきです。それどころか、近づくことさえ危険です。銀行員は頭が切れて、自分の勤める銀行の業績アップ、自分の給料アップのために訓練を受けた人達ですから、普通の人がかなう相手では有りません。銀行には、普通預金以外に利用すべき商品はないと思うべきです。評価は✖です。

銀行の危険な商品については、次の通り私自身が調べてきましたので、参考にして下さい。

 三井住友・みずほ・三菱UFJ銀行・郵便局訪問記

ネット証券B

ネット証券は、低コストのインデックスファンドや、販売手数料の安いETFだけでなく、コストの高いアクティブファンドなども売っています。こんなものを買ったら、ネット証券を利用する意味はほとんどなくなってしまいます。低コストのインデックスファンドとETF以外は基本的に手を出さないことが大事だと思います。評価は✖です。

対面証券B

対面証券で買う意味のある商品はETFだけですから、アクティブファンドだけでなくインデックスファンドも買うべきでは有りません。対面証券で扱うインデックスファンドはコストが高いのです。評価は✖です。

生命保険B

勤めている会社の福利厚生で扱う生命保険はコストが安いのですが、それ以外の商品はコストが高いのです。その高いコストは、保険会社、代理店社員の自給与と広告宣伝費などで消えてしまい、顧客の保険料には還元されません。生命保険のディーラーは、私たち個人がインデックスファンドやETFで運用する収益より高い収益を得ているわけでは有りません。生命保険会社を中抜きすることによって、彼らが今まで取っていた中間マージンを私たち個人のもとに戻すことができるのです。生命保険会社で年金や運用をするのではなく、私たちが直接マーケットで運用しましょう。20年前までは保険会社に入ってもらわなければならなかったのですが、今は直接マーケットにアクセスできる時代です。従って、評価は✖です。