個人投資家の金融リテラシー1

金融広報中央委員会の金融リテラシー調査

金融リテラシー調査は、18歳以上の個人の金融リテラシー(お金の知識・判断力)の現状把握を目的とする大規模調査です。金融広報中央委員会は、日本国民の暮らしに身近な金融に関する広報活動を、中立・公正な立場から行うことを存在目的としていて、事務局は日本銀行情報サービス局に置かれています。委員構成は、委員会により加入が認められた各種団体の代表者、加入が認められた学識経験者及び日本銀行副総裁(1名)を委員として構成されるとなっています。金融広報中央委員会としては、2016 年と2019年に調査を実施しました。この調査の質問をもとに金融のことを考えてみます。何が正しいかというよりは、それぞれの質問についていろいろな角度から考えることを目的とします。

それでは、金融リテラシークイズを始めます。

問1. 家計の行動に関する次の記述のうち、適切でないものはどれでしょうか。
① 家計簿などで、収支を管理する
② 本当に必要か、収入はあるかなどを考えたうえで、支出をするかどうかを判断する
③ 収入のうち、一定額を天引きにするなどの方法により、貯蓄を行う
④ 支払いを遅らせるため、クレジットカードの分割払いを多用する
⑤ わからない

それでは具体的に考えてみましょう。

① 家計簿などで、収支を管理する

家計簿は日本だけのもの

家計簿をつけているのは、世界で日本人だけだ、という話を聞いたことがあります。昭和の時代から、主婦向けの月刊誌に立派な家計簿がついていました。家計簿は、1904年に羽仁もと子が考案し、婦人之友社から発行されているそうです。

家計簿は点けない

私は家計簿をつけたことがありません。若いころは小遣い制でした。給与は私用の10万円と家庭用の残額用の2口座に振り込まれました。現在は振込先が1口座になり、私の財布の中身が少なくなると、連れ合いから5万円ずつもらっています。若いころと違って、お酒を飲むことも少なくなり、タバコも止めました。書籍は、少し買いますが図書館で借りることが多くなりました。自分で買うと読まずにそのまま書棚の飾りになることが多いのですが、図書館で借りると、返却するまでに読もうとする気持ちが働くので、ちゃんと読めるようです。

高いものを買わない

最近はパソコンで家計支出を管理する人もいるようですが、私は面倒くさがり屋なので、続きそうにありません。また、スマホで管理する人もいますが、私が買い物をするお店はほとんどが現金決済ですから、自動的に集計できません。わざわざレシートのデータをスキャンするのも手間です。家計簿で管理する前にやるべきことは、高いお店で買わないことです。

コンビニでは買わない

私が買い物をするお店はかなり限られています。まず、コンビニエンスストアは使いません。その理由は商品の価格が高いからです。ここで、どこでも扱っている商品の価格を比較してみましょう。タカノフーズの「極小粒ミニ3」という商品はどこでも売っています。いずれも10%の消費税抜き価格です。

ファミリーマート 93円

OKスーパー     64円

ファミリーマートは大手のコンビニで全国展開しているので、どこにでもあります。OKスーパーは神奈川県横浜市に本社を置き、関東を中心に店舗を展開しています。顧客満足度9年連続第1位です。OKスーパーは価格が安いので私は毎日のように利用していますが、ファミリーマートをはじめとしてコンビニはほとんど利用することがありません。1年に数回、A3のコピー、不祝儀の袋、年賀はがきを買うだけです。上記の納豆の価格比較でもわかるように、スーパーとコンビニは価格がひどく異なります。

買い物ごとに買う店を選ぶ

OKスーパーはNB(ナショナルブランド)が安く、PB(プライベート・ブランド)はビック・エー(ダイエーの子会社でした。)を利用することが多いです。野菜、果物、魚は、駅前の八百屋、魚屋で買います。OKスーパーは、NBが強いのですが、PBと生鮮食品はあまり強くありません。そこで商品ごとにお店を選んでいます。

② 本当に必要か、収入はあるかなどを考えたうえで、支出をするかどうかを判断する

買いたいものを買うのではなく、本当に必要なものだけを買うようにしましょう。永六輔(えいろくすけ:日本の名曲「上を向いて歩こう」の作詞家)が、子供の時に、あるるものを買ってほしいと父親に頼みました。その父親は「君が本当に必要と思うなら買ってあげよう。でも欲しいだけなら買ってあげない。」と言われました。

必要なものは1年後に買う

しかし、欲しいものと必要なものの境目は結構難しいと思います。そこで、もう一つのハードルを作ります。それは、必要だと思ったものを1年間(それが無理なら、半年間)待つのです。そうすると、ほとんどのものは必要でないことが明らかになります。私も若いころは、飲み代、たばこ代、タクシー代、保険料など、随分無駄をしたものです。1千万円以上は無駄遣いしたでしょう。それをSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)に投資していれば、27年後の現在、それだけで1億円になっていました。

床屋に行くべきかどうか

ウォーレンバフェットは、若いころ、今日床屋に行くかどうかを真剣に悩んだそうです。今床屋に行って整髪料を貼ってしまえば投資できないけど、床屋に行かずに投資すれば、数十年後には何十倍にもなって返ってくる、という悩みです。

<明日の続きます>