アメリカS&P500のPERと自社株買い

史上最高値

アメリカS&P500が、ダウ、ナスダックとともに史上最高値を更新し続けています。SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の過去5年間の価格推移を見てみましょう。

チャイナショック後は成長継続

5年前の2015年2月に210.66ドルで、現在は337.60ドルですから60%上昇しました。5年前の夏にチャイナショックが起こり、その後1年間は、株式相場が低調でしたが、2016年の半ばから回復を始めました。

PER

株価収益率 (PER) は、19.72倍です。Price Earnings Ratioの略称で、株価と企業の収益力を比較することによって株式の投資価値を判断する際に利用される尺度です。時価総額÷純利益、もしくは、株価÷一株当たり利益(EPS)で算出されます。例えば、株価が500円で、一株当たり利益が50円ならば、PERは10倍です。現在は、

337.60 ÷ 17.12 = 19.72

となります。

PER 15倍と19倍

日本では15倍が適正水準だと考えられていますから、19.72%は少し高めの数字で、そのためにバブルではないかとも言われています。しかし、将来の利益が高くなるのであれば、19.72倍は決して高いわけでは有りません。

インフレ調整後のS&P500の200年間の指数

もっと長期で相場の変化を見てみましょう。このグラフはインフレ調整後のS&P500の200年間の指数です。縦軸は対数目盛ですから、おおむね直線であれば、今までの成長が同じ割合で進んでいるということになります。1980年頃からは急成長が続いているように見えます。ただし1980年代、1990年代は、アメリカでもベビーブーマーが全盛の時代でしたので、相場も良くなって当然かもしれません。

自社株買い

ところで、現在のアメリカ株式価格上昇の理由の一つが自社株買いであることは良く知られています。その上位の会社が次の表の通りです。

債務超過企業 超過額(億ドル)
フィリップモリス 95
ボーイング 83
マクドナルド 82
ヤムブランズ(KFC等) 80
スターバックス 62

持続可能性

現在は超低金利なので、それで借り入れたお金で自社株を大量に買ったり、高配当を行っています。この目的は株主に還元する姿勢を見せるとともに、経営層の将来の報酬を増大させるための方策でもあります。しかし、このような無理に無理を重ねた手法が、いつまでも続くわけにはいかないでしょう。ただし、将来の利益が増大していけば、無理をカバーするだけの利益が支えとなりうるかもしれません。

債務超過企業の内容を確認しましょう。

フィリップモリス

会社概要 たばこ・たばこ製品の製造、販売を手掛ける持ち株会社。子会社を通じて、米国外の市場に製品を提供している。

最近、たばこ大手アルトリア・グループ<MO>は、フィリップ・モリス・インターナショナル<PM>との合併協議を打ち切ったことを明らかにした。両社は経営統合を目指して協議しており、合併により売上増大とコスト削減のシナジー効果を期待したが、合意には達しなかった。

アルトリアとフィリップ・モリスは、アルトリアが米国事業、フィリップ・モリスが海外事業にそれぞれ専念するためとして2008年に分離した。フィリップ・モリスは加熱式電子たばこ「アイコス(IQOS)」を開発し、日本などで販売しているが、米国ではアルトリアが株式の35%を持つジュール社の「ジュール(JUUL)」を販売している。ただ、ジュールの主力製品である香りや風味のあるフレーバー付き電子たばこは未成年者のあいだで人気が拡大。加えて、ジュールとの関係が疑われる呼吸器系の疾患が確認され、社会問題となっており、フレーバー付き電子たばこは全米で販売禁止になる見通し。また、米食品医薬品局(FDA)もフレーバー付き電子たばこの販売規制に乗り出している。一方、アイコスはFDAの規制対象となっているフレーバー付き電子たばこではない。

ボーイング

会社概要 ジェット旅客機、軍用機、人工衛星、ミサイル防衛、有人宇宙飛行および発射システムとサービスの開発、製造、販売およびサポートを行う。

「737MAX」墜落事故を受けて、同機の運行停止・引き渡し停止が響き、民間航空機部門の納入機数は大幅に減少。事故機と同シリーズの737型の落ち込みが目立った。部門別の売上高は、防衛・宇宙・セキュリティ、グローバルサービスが伸びる半面、主力の民間航空機が大幅に縮小している。
同社のデニス・ミューレンバーグCEO(最高経営責任者)は、「われわれの最優先事項は「737MAX」の運航再開であり、(再開に向け)着実に前進している」としている。

マクドナルド

会社概要 外食産業においてレストラン「マクドナルド」をフランチャイズ展開し、運営している。当社と加盟店は食材、パッケージ、設備、その他商品を多くの独立系サプライヤーから購入している。

ヤム! ブランズ

会社概要 価格競争力のある食品の製造、加工および販売を行う世界的なレストランシステムの開発、経営、フランチャイズならびにライセンス供与を行う。ケンタッキー・フライドチキン、ピザハットなどのブランドを抱える。

スターバックス

会社概要 コーヒー豆を購入・焙煎し、販売する企業。入れたてのコーヒー、イタリアンスタイルのエスプレッソ飲料、冷たいブレンド飲料、種々の紅茶・コーヒー関連アクセサリーなどの販売も行う。