個人投資家の金融リテラシー2

<昨日の続き>

金融リテラシークイズ

問1. 家計の行動に関する次の記述のうち、適切でないものはどれでしょうか。
① 家計簿などで、収支を管理する
② 本当に必要か、収入はあるかなどを考えたうえで、支出をするかどうかを判断する
③ 収入のうち、一定額を天引きにするなどの方法により、貯蓄を行う
④ 支払いを遅らせるため、クレジットカードの分割払いを多用する
⑤ わからない

問1.③から考えます。

③ 収入のうち、一定額を天引きにするなどの方法により、貯蓄を行う

これは是非とも必要な方法です。人間の性質を考えるときに、性善説をとるか性悪説ををとるかによって、人間への対策が異なります。

孟子の性善説

孟子(もうし)の生きた紀元前3~4世紀には、人の本性についての関心が高まりました。「性には善も悪もない」とする告子の性無記説や「性が善である人もいるが、悪である人もいる」とする説、「人の中で善悪が入り交じっている」とする諸説がありました。それに対し孟子は「性善説」を唱えました。

孔子の忠信説

これは孔子の忠信説を発展させたものとされます。忠信説について孔子は、「激流でさえ、忠信の心で接すれば、調和することができる。ましてや人とできないことがあろうか。人々は忠信の心を保つことだ」と言っています。ただし、孔子の思想は全体として、国をまとめるためのテクニックの面が強いので、人間について本質を考えたものかどうかは分かりません。

荀子の性悪説

性悪説は、荀子(じゅんし)が主張しました。荀子は孟子より数十年遅く活躍し、孟子の「性善説」を批判しました。荀子は人間の「性」を、欲望も含んだものとして捉えられています。そして自然そのままの本性を「悪」としました。人の「性」とその作用である「情」にまかせると、争いなどがおこり社会的混乱を招くという主張です。

韓非子と秦の始皇帝

荀子の性悪説の思想を受け継いだのが韓非子でした。そして、秦の始皇帝がその考えを採用したのでした。そして、君主の権力を法によって具現化、体系化して強国になったのでした。

性弱説

私個人は、性善説も性悪説も採りません。私は性弱説を採ります。この性弱説という考えは、本などで読んだのではなく、自分について考えた時に気がついたことです。人間は弱いもので、楽な方に流れてしまいます。だから、楽な方に流れない仕組みを最初から設置しておけば良いのです。

財形貯蓄

収入金額のうち一定額を天引きする方法は何種類かあります。私が具体的に行った天引きは財形貯蓄です。財形貯蓄には、住宅、年金、一般の3種類があり、生命保険会社、銀行などの金融機関があります。私は利回りの良い富国生命で天引き財形貯蓄をしました。毎月の給与と年2回賞与時に給与が天引きされます。自然にたまる良い方法です。しかも、私が財形貯蓄を始めた40年前は、生命保険のおばちゃんが会社に出入りしていて、財形の手続きをサポートしてくれました。ですから、わからないことは聞いて手続きを完了させることができたのです。財形貯蓄は、引き出しにくいのも良い点です。引き出すときには会社の担当者の所に行って、引き出し申込書を記入・提出しなければなりません。

財形は時代遅れ

現在は財形貯蓄が主流となる時代では有りません。その理由は、財形貯蓄の利回りが非常に低いからです。例えば、日本生命の予定利率は0.7%しかありません。これでは、銀行の0.01%とさほど変わりません。また、富国生命の予定利率は1.0%でしたが、現在は新規受付を停止しています。

ETF、インデックスファンド

一方で、日米の株式ETFやインデックスファンドは、5~6%のリターンを期待できます。長期でコツコツと積み立てれば、高い確率でそのリターンを獲得できるでしょう。また、株式ETFやインデックスファンドはコストに関する透明性が高いのに対して、生命保険等の運用の中身は全く知ることができません。簡単に言うと、株式・債券などに分散投資すれば、3~4%のリターンを得ているはずですが、私たちユーザーには1%以下しか戻ってこないのです。そして、その差の2~3%は生命保険会社の人件費やコストに使われているのです。

現在は恵まれた時代

現在は40年前と違って、低コストのETFやインデックスファンドに直接投資できる時代ですから、生命保険を経由する必要はなくなりました。つまり、「中抜き」をする時代なのです。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)にしても、生命保険会社にしても、個人の資産運用と大して変わりないポートフォリオしかできないのです。

GPIFパターン

GPIFのポートフォリオは、現在このような円グラフの通りです。国内株式と外国株式が25%ずつ、国内債券35%、外国債券15%です。どの資産も、低コストのETFやインデックスファンドを、個人も買えます。

GPIFを応用した個人のポートフォリオ1

このうち国内債券は、個人向け国債変動10年に換えられば、更に安心できます。

GPIFを応用した個人のポートフォリオ2

また、外国債券は現在低金利ですので、これをやめて、他の資産の割合を増やすことも考えられます。

GPIFを応用した個人のポートフォリオ3

さらに進んで、長期運用を前提とするなら国内株式と外国株式に投資して、短期的なリスクは我慢すればよい、という考え方に基づいて国債に投資しないことも可能です。

ネット証券で自動積立

具体的には、証券会社でインデックスファンドを自動積立をすれば、5~6%の運用が高い確率で可能なのです。現在は低コストのインデックスファンドが容易に利用できます。野村證券や大和証券などの対面証券会社には、低コストのインデックスファンドがありませんから、SBI証券や楽天証券などのネット証券で積み立てた方が有利です。