サイバーテロの時代のお金の置き場所

どの資産が安全か

日本では国債残高が増大するばかりです。そんな中で、一般庶民は金融資産の半分を現金・預金で保有していますが、財務省や日銀のOBは、円を信用できないと判断して退職金をドルに換えて保有していると聞きます。

私の金融資産の7割はドル

私の場合、銀行預金は生活資金の200万円だけで、全体の3割程度を日本の株式ETF、残りをアメリカなど外国の株式ETFで保有しています。

パックンは日米に分散

パックン(パトリック・ハーラン)は、日米の金融資産と不動産に分散して保有しているそうです。

日本の証券会社の外貨ETFも100%安全ではない

実は、私も現在の金融資産保有方法が万全であるとは思っていないのです。外貨ETFは野村證券で購入したものですから、もし財務省が金融機関を封鎖してしまえば、外貨ETFも安泰ではいられなくなるでしょう。現にその可能性もあるという見方を元財務相の官僚が自著で発表しています。ですから、日本の金融機関ではなくアメリカの金融機関で直接外貨ETFを購入し保有することが、より安心です。

ドルも100%安全ではない

しかし、ドルが絶対に安心化というと、日本よりは安全なだけであって、完全に信用できるわけでは有りません。あくまでも、相対的に見て安心かどうかという問題です。

金庫はどこに置くべきか

自分のお金の金庫はどこにしたら良いのでしょうか。アメリカでは退職勘定も安全ではないそうです。退職勘定は日本の確定拠出年金に近いものです。USA TODAYの2020年1月25日の記事を参考にして考えてみます。以下は私の拙訳です。

銀行、ビットコイン、債券ファンド:サイバー攻撃の時代に自分の金をどこにするか?

10年間にわたって、ジョン・ルクシックはビットコイン取引をして仮想通貨に投資してきました。ミシガン州サギノーで自分の両親の介護をしながら貯蓄しようとしました。

ところが、クリスマスの数日後、ほぼ9万ドルのビットコインがジョン(60歳)の口座から、忽然と消えたと言います。

「想像してごらんなさい。ある朝起きると、自分の持っているものがすべてなくなったのです。」とルクシック言います。彼は以前営業の仕事をしていました。「どのようにして自分の全財産を失ったのか?」彼はまだ頭が整理できていないし、捜査官に話をした後もお金を取り戻せるとは思っていません。

自分はSIMスワップ、つまり、犯人が個人の電話番号を盗むサイバー・セキュリティー攻撃、の犠牲者だとルクシックは言います。アメリカ人が銀行と年金ファンド以外の場所に貯蓄し投資する時代にあって、自分のお金がどこなら保護を保証されるのか、あるいはされないのかを知ることは分かりにくいことです。

ルクシックのように、暗号資産口座からお金が盗まれたとすると、お金を取り戻すことは従来の銀行口座から盗まれた場合より一層難しいとフィリップ・マーチンは言います。マーチンは、ルクシックが自分のお金を保有していたビットコイン取引所であるコインベースの統括安全責任者です。

「いったんお金が私たちのプラットフォームから出て行ってしまった時に、もし共同のインフラに行ったのであれば、私たちは共同でやります。」と他の暗号通貨取引所に関して、マーチンは言いました。しかし、往々にして「最終的には、警察が犯人を追跡して顧客の損害を取り戻すことになる」と、彼は警告します。

詐欺による重大被害のサイバー攻撃捜査にあたって中心となる連邦当局がFBIです。ルクシック事件に捜査を「するかどうかについては分からない」とFBIは言います。

ルクシックは弁護士と相談していて、訴訟を起こしたいと思っています。

ウィスコンシン州の女性は最近同様の事件に遭い、401(k)口座がサイバー攻撃にあい、72,000ドルを盗まれました。彼女は最終的にそのお金を取り戻しましたが、彼女のお金を預かっていた投資ファンド会社は、それを取り戻せるとは、すぐに保証できなかったのです。彼女にとって大きなショックでした。

もし、当座勘定や貯蓄勘定がハッキングされれば、銀行はふつうその損失をカバーします。金融機関はサイバー詐欺から防御する保険に入ることができます。それでも、貯蓄する人間は、お金を取り戻すために一層の防御策を講じる必要があるかもしれません。顧客は、例えば、パスワードを渡したり、フィッシングのe-mailをクリックするなど、しかるべき予防策を採らなければ、取り戻せない可能性もある、と銀行は主張するかもしれません。

「もし、ご自身の落ち度がないのに、サイバー泥棒によって犠牲者になってしまったら、ほとんどの大手銀行は損害させることはしないでしょう。」と、バンクレイト・ドット・コムの首席財務アナリストのグレッグ・マクブライドは言います。

もっと多数のサイバー泥棒が発生すれば、「クレジットカードに似た機能が実現するでしょう。顧客が詐欺行為から守られることを保証する制度を金融機関が設定するということです。」と、ウィスコンシンの女性の保有する銀行預金や退職勘定についてマクブライドは言います。

泥棒を防ぐには、顧客が強力なパスワードを作り、安全でない公共Wi-Fiには用心し、ウイルス対策ソフトを使い続け、銀行や投資の口座を注意深くモニターすることを薦めます。それでも、もし無関係な人が口座に侵入したら、このタイプの泥棒に関する管轄権を持つ銀行か地元の警察に、連絡することを専門家は推奨しています。