楽天証券の成長

楽天モバイルの使い心地

今年の2月に、スマホを楽天モバイルに変更しました。多少気に入らない点や、不具合と思われる点もありますが、もともとあまりスマホに頼った生活をしていませんから、我慢して使っています。

楽天証券

証券会社として、楽天が気を吐いているようです。証券業界の動向を日経新聞などのデータをもとに現状確認しようと思います。

楽天証券の口座数が野村證券を追い抜いた

先日、このブログで、楽天証券の口座数が、間もなく野村證券を追い抜くだろうと書きましたが、2021年3月に既に追い越しました。20年12月末の口座数は508万でしたが、21年1~3月期中に野村証券の532万口座を抜き、3月末には572万口座になりました。3月の新規口座開設数は25万529と過去最高でした。顧客の世代交代が進んでいることもあり、業界の構造変化が加速しつつあります。向こう1~2年のうちに口座数首位がSBI証券から楽天証券に移る可能性があります。我が家においても、私と連れ合いの親世代は野村證券ですが、子供たちは最近2年間でSBI証券に口座を開きました。次の世代は楽天証券かもしれません。ネット証券の中では、SBI証券がダントツだと考えて選んだのですが、楽天証券の追い上げがここまで急だとは考えませんでした。

楽天は総合力で勝負

楽天モバイルは、それ単体では赤字でも、他の分野との相乗効果で、経営全体としては十分ペイするという見通しがありましたが、その通りなのかもしれません。

SBI681万口座、楽天572万口座

口座数が首位のSBI証券は3月末に681万3000口座とまだ100万口座以上の開きがありますが、SBIはグループのSBIネオモバイル証券とSBIネオトレード証券の口座数も加えて公表しています。一部の顧客は重複しているため、実質はもっと少ないとの見方もあります。

高年齢の野村、中年齢のSBI、低年齢の楽天

楽天証券に比べてSBI証券の方が顧客の年齢層が高いうえに、取引歴が長いため、顧客からの預かり資産は3月末現在で楽天証券が11兆6400億円、SBI証券が19兆3000億円とかなりの開きがあります。ただ、この1年間の伸び率はSBI証券が49.3%だったのに対し、楽天証券は76.2%にも達しました。楽天証券の預かり資産は他のオンライン証券3社(マネックス、松井、auカブコム)の合計額を上回わり、オンライン証券の顧客争いは2強に絞られています。

証券会社の決算

証券会社の2021年3月期決算が出そろいましたが、20年度は日経平均株価が1990年8月以来の高値まで上昇し、投資信託の運用成績も内外の株式型を中心に絶好調だったため、14の主要証券会社すべてが増収になりました。最終利益は米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントに絡む損失を3000億円超計上すると発表した野村ホールディングスが20年3月期に比べて29.4%の減益になったのを除いて、増益(いちよし証券は黒字転換)を確保しました。

純営業収益 20年3月期比 最終損益 20年3月期比 販売費・一般管理費増減率 預かり資産伸び率
證券会社名 14,019 9 1,531 ▲ 29.4 12.7 3.5
大和G本社 4,667 10 1,084 79.6 0.5 10.4
みずほ 3,736 33 756 252.6 9.8 11.2
SMBC日興 3,579 13 717 82.6 0.1 12.5
三菱UFJ證券HK 3,376 5 805 65.9 ▲ 6.3 2.7
SBI 1,491 32 461 64.8 22.7 37.2
楽天 753 33 96 35.3 30.9 68.9
マネックスG 737 54 144 376.7 16.4 18.0
東海東京FH 670 12 91 229.1 ▲ 4.6 8.3
岡三G 661 3 60 65.9 ▲ 1.6 15.9
松井 287 28 103 67.6 17.9 19.0
岩井コスモHD 231 24 54 98.6 7.7
いちよし 182 6 10 黒転 4.8 5.7
auカブコム 165 5 16 1.4 4.7 10.5
14社合計 34,554 13 5,926 34.5

手数料無料化

楽天証券はSBI証券が4月20日に打ち出した25歳以下の顧客の株式売買手数料無料化には追随しないそうです。松井証券と岡三オンライン証券はすぐに追随しました。

メリットのない手数料無料化

私たち夫婦も子供たちも、株式売買手数料無料化には、あまり関心がない。全員が10年以上の長期保有なので、一回限りの株式売買手数料が無料になってもあまりメリットがないのです。それどころか、手数料があることによって、頻繁に売買せず、長期保有しやすいという動機付けにもなります。ETFや低コストインデックスファンドを中心に長期保有する人にとっては、重要なテーマとは思えません。

預かり資産は野村が圧倒的だが・・・

SBI証券や楽天証券が口座数で野村証券を上回ったといっても、若年層が多いオンライン証券と、年配の富裕層が多い野村証券とでは預かり資産に大差があります。野村証券の営業部門の3月末の預かり資産は126兆6000億円とSBI証券の6.6倍です。

対面証券の時代は過ぎた?

ただし、私と連れ合いのように、株式やETFなどを保有するだけでほとんど動かさない人も、増えているようですから、数十年前のように、株式の売買手数料で、対面証券会社が儲ける時代は過ぎつつあります。

「野村スリーゼロ先進国株式投信」が不発

つみたてNISA専用商品の「野村スリーゼロ先進国株式投信」が不発に終わっってしまったので、何とか巻き返しを図らないと、SBI証券だけでなく、楽天証券にも立場を脅かされるかもしれません。