バークシャー・ハザウェイ2021年株主総会 1

著名投資家ウォーレン・バフェットが率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイは2021年5月1日、オンラインで年次株主総会を開きました。バフェットが株式に関してどう考えているかは、とても興味深いので5月3日のCNBCの記事をもとに勉強しましょう。以下は拙訳です。

バフェットとマンガーは、ロビンフッドのゲーム化した取引について、厳しい警告を発しました。

ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーは、手数料無料の取引アプリによってロビンフッドが株式市場の投機的取引で利益を得たり貢献したりしていると、言いました。

「ロビンフッドは、この1年あるいは1年半、株式市場に参加した大きなカジノ・グループとなった」とバフェットは言い、この会社のIPO書類を読むことを本当に楽しみにしていると言いました。

ロビンフッドは、パンデミックの中、過去1年間にわたって記録的な数の新規の個人投資家を引き付け、今年株式公開する予定です。ロビンフッド社は、同社のアプリを使って、投資をゲーム化し、若くて経験のない投資家を誘惑していると、批評家から非難されています。

マンガーのロビンフッドに対する批判は、もっと厳しいものです。ロビンフッドやその他の証券会社は、手数料の代わりの源泉として、「注文の流れに対する支払」と言われる、議論の多い慣習に頼っています。

「これはまさしく闘牛に赤旗を振るようなものです。礼儀正しい人、上品な国民を投資に引きずり込むようなものだ」とマンガーは言います。「人々に追って良くないものを売ってお金儲けをしたいとは思わない。」

チャーリー・マンガーはビットコインのことを「不快で、文明の利益に反する」と言った

チャーリー・マンガーは、コングロマリットであるバークシャー社の土曜日の年次総会において、ビットコインと暗号資産をやり玉に挙げた。

「このひどいものがはびこるのは不快だし、国民の利益に反すると思う。」とマンガーは言う。

バフェットの右腕であるマンガーは、ビットコインのことを「どこか分からない場所で作られた金融商品」と名付けた。「もちろん、ビットコインが成功していることが嫌だ。」とマンガーは言う。「誘拐犯人や恐喝者にとって、とても便利な通貨を歓迎しない。」

バフェットは、ビットコインをたくさん持っている人たちが、デジタル資産をあまり持っていない人に比べて悲しむことはしたくないので、ビットコインに関する質問を避けた。

バフェットとマンガーは税率引き上げの可能性について心配していない

ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーは、バイデン生計が提唱している法人税引き上げは株主にとってマイナスになるだろうが、特に心配はしておらず適応するという。

税率を顧客に転嫁するだろうと言ってマンガーを脅す会社もあるとバフェットは言います。

「人々にとって怖い話をするときには、それは頭の中で描いた話だ。」とバフェットは言う。

バフェットは、民主党支持者でバイデンに投票したと言っているが、バークシャーのイベントにおいて政治の具体的問題には入り込みたくない。彼が指摘したのは、自分が仕事を始めたころ、法人税は今より高くて50%を超えていたと言った。

マンガーは自社株買いを『きわめて真っ当な行為』と擁護

チャーリー・マンガーは、バークシャー・ハサウェイが歴史的レベルで自社株買いをしていることについて、現在の株主のためになると言って擁護した。

「もし、株価を上げるだけのために自社株買いをするのなら、それはとてもけしからぬ。」とマンガーは言います。「しかし、現在の株主の利益になるためにすることは正当なことだから株を買い戻すのであれば、それは真っ当な行為でであって、批判する人は気が狂っている。」

2020年に247億ドルの記録的自社株買いをした後、バークシャーは第1四半期に66億ドルの自社株買いをした。自社株買いのおかげもあって、バークシャーのB株は2021年に18%株価が上昇し、最高値となった。

SPACの基地外騒ぎは永遠に続くわけではない

ウォーレン・バフェットは白熱するSPACマーケットについて、熱狂は永遠に続くことはなく、取引決定環境はもっと競争的になると言った。

「SPACは破壊的だ。私の理解では通常2年間で資金を使わなくてはならない。2年間で会社を買えと頭に拳銃を突きつけたら、私なら買う。」とバフェットは笑いながら言った。「私募債から常にプレッシャーがある。」

SPAC(特別買収目的会社Special purpose acquisition company)は、未公開会社を合併するために資金を集める目的で設立され、その未公開会社は通常2年以内に、途中で公開されます。SPAC研究所によると1380億ドル以上の資金による500以上の白地式小切手が、標的になる会社を探しているそうです。

「そんなことは永遠には続かないが、資金は現在SPACにあり、金融市場はお金のある所に行く」とバフェットは言います。「SPACは相手探しをしてきたので、何でも売れるかもしれない。」

<明日に続く>