S&P500のインデックスファンド
バンガード社のS&P500のインデックスファンドには、VOOとVFIAXの2種類があります。上場されているのがVOO、されていないのがVFIAXです。その違いについて確認します。
ウォーレン・バフェット
伝説の投資家ウォーレン・バフェットは、2014年の株主への手紙の中で、自分の死後、妻が相続する財産の被信託人は、90%のお金をS&P500のインデックスファンドに、10%のお金を短期国債にするように指示した、と書きました。
10%を短期国債、90%をS&P500インデックスファンド
「被信託人へのアドバイスは、これ以上単純なものはないというものです:お金の10%を短期国債に、90%を非常に低コストのS&P500インデックスファンドにしなさい。この方針から長期で得られる結果は、高い手数料のファンド・マネージャーを雇用するほとんどの投資家――年金基金、機関、個人――から得られる結果を上回ると信じています。」
アメリカ全体の株式時価総額の約80%をカバー
これから分かることは、バフェットがS&P500を強く支持しているということですが、このS&P500という株式市場のインデックスは、アメリカで上場されている上位500の規模の会社であり、アメリカ全体の株式時価総額の約80%をカバーしています。
投資家によって得られるリターンを上回る
バフェットは、S&P500と短期国債を90:10に配分すると、「高い手数料を取るファンドマネージャーを雇用する」ほとんどの投資家によって得られるリターンを上回るだろうと、手紙の中で言っています。
プロテゲ・パートナーズとの賭け
バフェットが、どれほどS&P500を好きかについて公にしたのはこれが最初ではありません。2007年、ウォーレン・バフェットは、アセット・マネジメント会社のプロテゲ・パートナーズと、今後10年間でアクティブ運用のヘッジファンド・グループよりS&P500が良い成績を出すという賭けをしました。
S&P500インデックスファンドに投資した方が良い
アメリカ株式市場でもっともよい成績のアクティブファンドより、低コストのS&P500インデックスファンドに投資した方が、どれほ良いかを証明したかったのです。
5ファンドとの賭け
下の表は、バークシャー・ハザウェーの年次の手紙によるもので、プロテゲが選んだ5個の「ファンドの中のファンド」とS&P500の、この10年間の年次成績を表しています。赤字は負けた年。負けたのはリーマンショックの2008年と、チャイナショックの2015年です。大きく株価が変動するときには勝てないようです。
年 | Fund-of-Funds A | Fund-of-Funds B | Fund-of-Funds C | Fund-of-Funds D | Fund-of-Funds E | S&Pインデックスファンド |
2008 | -16.5% | -22.3% | -21.3% | -29.3% | -30.1% | -37.0% |
2009 | 11.3% | 14.5% | 21.4% | 16.5% | 16.8% | 26.6% |
2010 | 5.9% | 6.8% | 13.3% | 4.9% | 11.9% | 15.1% |
2011 | -6.3% | -1.3% | 5.9% | -6.3% | -2.8% | 2.1% |
2012 | 3.4% | 9.6% | 5.7% | 6.2% | 9.1% | 16.0% |
2013 | 10.5% | 15.2% | 8.8% | 14.2% | 14.4% | 32.3% |
2014 | 4.7% | 4.0% | 18.9% | 0.7% | -2.1% | 13.6% |
2015 | 1.6% | 2.5% | 5.4% | 1.4% | -5.0% | 1.4% |
2016 | -3.2% | 1.9% | -1.7% | 2.5% | 4.4% | 11.9% |
2017 | 12.2% | 10.6% | 15.6% | N/A | 18.0% | 21.8% |
最終リターン | 21.7% | 42.3% | 87.7% | 2.8% | 27.0% | 125.8% |
年平均リターン | 2.0% | 3.6% | 6.5% | 0.3% | 2.4% | 8.5% |
S&P500完勝
S&P500は全体としてこれらのファンドを完全に打ち負かしました。バフェットが予想した通り、低コストのS&P500インデックスファンドに単純に投資することによって、ウォール・ストリートで最も頭い良いアクティブファンドのマネージャーよりも良い成績を収めたのです。
どのS&P500のファンドに投資するか
もし、バフェットのアドバイスに従って、低コストのS&P500インデックスファンドに投資したいのであれば、決定しなければいけないことは、どのS&P500のファンドに投資するかということだけです。
バンガード社
大手の金融機関であればどこでも(フィデリティ、チャールズ・シュワブ、メリル・リンチなど)、このタイプのインデックスファンドに投資することが可能ですが、私自身はバンガード社を使っていますので、投資家が利用できる二つの選択肢について書きます。
VOO:Vanguard S&P 500 ETF
VFIAX : Vanguard S&P 500 Index Fund Admiral Shares
以下は両ファンドの概要です。
VOO | VFIAX | |
Fund Type | Exchange Traded Fund (ETF) | Mutual Fund 投資信託 |
Expense Ratio 信託報酬 | 0.03% | 0.03% |
Investment Category | Large Blend | Large Blend |
Minimum Investment | The price of one share | $3,000 |
御覧のように、両ファンドとも信託報酬は0.03%で、同じです。すなわち、どちらのファンドであれ、もし10,000ドルを投資すれば、管理費用として毎年3ドルを払うことになります。
(注)FVIAXは日本では通常、ほとんどの証券会社で扱っていません。一方でSBI証券では「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」を販売していて、100円以上1円単位で買うことができます。
<明日に続く>